靴磨きは100均アイテムで十分?ダイソー製を試してみた

ファッションコラム

本格的な靴磨きの手順とは?

今回は本格的な靴磨きの方法ではなく、初心者でも簡単に出来る靴磨きの方法を紹介します。

具体的には100均大手のダイソーのグッズを使って靴磨きをする方法なのですが、その前に本格的な靴磨きの手順を簡単に説明しておきます。

  1. ブラシで革靴の汚れを落とす
  2. クリーナーで古い靴墨を落とす
  3. 乳化性クリームで革に栄養を補給
  4. 余分なクリームを拭き取る
  5. 靴墨をまんべんなく塗る
  6. 乾燥後、余分な靴墨を拭き取る
  7. 乾いた布で革靴を磨き上げる

大体こんな感じでしょうか、他にもコバインキでコバ(靴底の淵)を補修したり、革の靴底の油分を足すこともあります。

これらのような本格的な靴磨きというのは大変な作業です。道具も揃えなければなりませんし、いきなり初心者がこのような靴磨きに挑戦してしまうと挫折してしまいます。

靴磨きをする女性

この本格的な靴磨きを女性の洗顔で例えると、

  1. 水で素洗い
  2. メイク落とし
  3. 泡で洗顔
  4. 化粧水
  5. 乳液
  6. お化粧

と言ったところでしょうか。あくまでも本格的な靴磨きの手順はこのような流れがあるという事を覚えておいてください。理想的な靴磨きはかなり大変な作業です。

靴磨き専用の道具もたくさん必要になります。

靴磨きの道具

これらを買い揃えるだけでも靴磨き初心者にとってはハードルが高いですし、使わなくなってしまうと無駄になってしまいます。

だからこそ、まずは100均でも揃えられアイテムで簡単に行える靴磨きから試してほしいと感じています。理想的な靴磨きとは言えませんが、100均アイテムでもそれなりに綺麗な状態を保つことは可能です

ちなみに私も本格的な靴磨きはたまにしか行いません。普段は100均のダイソーの商品を利用してパッと靴磨きを済ませています。

靴磨きの初心者こそ、簡単な靴磨きから始めた方が長続きしやすいだけに良い状態を保てるので、まずは100均アイテムから揃えてみてください。

100均(ダイソー)アイテムで靴磨き

ここからは100均(ダイソー)の商品を使った、簡単な靴磨きの手順を紹介します。

本格的な靴磨きは、それぞれの手順に専用の道具が必要なのですが、100均だとそれらを複合させているアイテムが多いので、靴磨きの手順が省けて簡単になります

  1. 革靴用のウェットシートで汚れを落とす
  2. 栄養補給をかねた靴墨を塗る
  3. 乾いた布で磨く

以上の三ステップで靴磨きが完了します。100均で購入するのは革用のウェットシートと靴墨のみでOKです。

ダイソーの靴クリーナー

しかも日ごろの革靴のお手入れだけであれば、1の「革靴用のウェットシート」で拭くだけでも十分です。

専用のシートにはシリコンオイルなどの革を保護する成分が含まれているので、革靴を脱いだ後にサッと全体を拭いてあげるだけで、かなり良い状態を保つ事ができます。

基本的に汚れというのは放置される期間が長いほど頑固になっていくので、サッと汚れを落とせるウェットシートは本当に便利です。

湿らせた雑巾などで靴の汚れを拭いても良いのですが、使い捨てのウェットシートの方がずっと簡単で保護成分も含まれているので、初心者にはおすすめです。

力を入れて行う必要はありません。あくまでもサッと表面の汚れを落とすだけで十分です。たまに靴墨を塗っていれば革の表面が保護されています。

小まめにウェットシートで拭いていると、靴墨もなだらかに伸びていくので、ちょっとしたキズも埋まってくれますし、靴全体に靴墨の膜が再構築されます

これが意外と重要なポイントになるのですが、月に一度ぐらい本格的な靴磨きをしていても、ちょっと傷がついてしまうと、靴墨で保護されていない革が表面に出てしまい、そこからどんどん劣化してしまいます。

履き皺の靴墨も同じです。どうしても皺の部分から靴墨が剥げていってしまうので、そこから革が傷んでいってしまいます。

一方で靴を脱いだ後に革用のウェットシートで拭いてあげると、周辺の靴墨の成分が伸びて埋めてくれるので、傷を埋めて劣化を防いでくれます。

大きなキズの場合は靴墨を塗り込んだ方が良いのですが、目に見えないような細かな傷をいち早く保護する事になるので良い状態を保ちやすくなります。

本格的な靴磨きをする時というのは、前回の靴墨を綺麗に落とす工程があるのですが、ウェットシートで拭き取っていると、徐々に靴墨も薄くなっていくだけに、その必要性もなくなります。

本格的な靴磨きをする人からすると、随分と手間を省いたやり方で不満を覚えるかも知れませんが、何もしないよりはずっと良い状態を保てます。

100均で大丈夫?

100均の靴磨きグッズの品質に不安がある人もいるかも知れませんが、革を保護するという意味では申し分ありません。

流石に高価な靴磨きグッズほど光沢が出たり、強固な保護膜が出来るとは言いませんが、実用レベルでは問題ありません。

これは車のワックスがけで考えると分かりやすいかも知れません。本格的に車にワックスをかけるのであれば、

  • 水で車の表面の砂埃を洗い流し、
  • 洗剤を泡立ててスポンジで優しく汚れを浮かしながらふき取り、
  • 泡を流して水分を綺麗に拭き取とり、
  • コンパウンドでボディの表面のキズや古いワックスを削り取り、
  • それらを拭き取って新しいワックスを塗り込み、
  • 乾燥させてから磨き上げ

といった感じになりますが、一方で簡単な洗車の方法として「フクピカ」のような便利な洗車シートがあります。これ一枚で汚れ落としからワックスまで簡単に済ませることができます。

フクピカ

これも本格的な手順のワックスほど綺麗にはなりませんが、それなりには車を綺麗な状態に保てる事はイメージできるのではないでしょうか。

このフクピカも洗車にこだわる車好きの人にとっては、「ダメな洗車」にうつるかも知れませんが、一般の人にとっては十分な綺麗さを保つことが出来ます。

とんでもなく汚い車に使用すると、頑固な汚れのせいで傷が付いてしまう事もあるのですが、小まめに拭き上げている人にとっては、それほど大きなリスクになりません。

100均の革靴用のウェットシートも同じようなことです。

全くメンテナンスをしていない革靴だと、靴墨の成分もほとんど残っておらず、頑固な汚れが付着しているのでリスクになってしまう事があるのですが、たまに靴墨を塗っている革靴であれば、普段はサッとウェットシートで拭いてあげるだけで良い状態を保つ事が可能です。

車の丁寧なワックスがけも、よほどな車好きでもない限り続けることは出来ません。新車を購入して間もない頃であれば楽しいかも知れませんが、全ての人が継続できるかというと微妙です。

本格的な靴磨きも似ています。

完璧にやろうとしても全ての人が継続できるものではありません。初心者は本格的な靴磨きの手順よりも、フクピカのように簡単な方法の方が、結果的に靴磨きが長続きして綺麗な状態を保ちやすい傾向があります

ちなみに靴墨も100均の物で十分です。この辺も車のワックスに似ているのですが、高価なワックスだからといって綺麗な状態を長く保てるかというと、そうでもありません。

ホームセンターなどで数百円で売られているワックスでも、定期的に塗り込んでいれば良い状態を保てるように、靴墨も安物だからといって悪いかというと、そうでもありません。

もちろん高価な物と同等の品質があるとは言いませんが、よほどこだわりが強い人でもなければ、大した違いは感じられないと思います。

あくまでも革を保護する事が目的なので、専用品であれば安物でもそれなりの機能があります。

初心者におすすめなのは液体タイプです。固形ワックスを塗り込むには布が必要になるのですが、リキッドタイプの靴墨だと簡単に塗り込む事ができます。

靴墨を塗り込んだ後は少し放置して乾燥させ、ウェットシートで全体を馴らしてください。ただこの時にウェットシートが湿っていると、かなり靴墨の成分を吸い取ってしまうので、シートも先に出して少し乾燥させてからの方が良いかと思います。

光沢や保護という意味では、湿らせた布で固形タイプを丁寧に塗り込んだ方が良いのですが、小まめにウェットシートで拭き取るのであれば、むしろ液体の方が伸びが良くて保護膜の再構築もしやすいので初心者にとって楽なはずです。

この辺も車のワックスと似ています。液体ワックスの方が初心者にとっては簡単なような事です。

靴墨を塗り込む頻度は靴の着用頻度にもよるのですが、何足かの革靴をローテーションさせて履いているのであれば、月に一度ぐらいで十分です。

毎日同じ革靴を履いているのであれば、2~3週間に一度ぐらいは塗り込んだ方が良いかと思います。

まとめ 手抜きも悪くない

靴磨きは車のワックスがけほど大変な作業ではありませんが、靴磨きのプロによっては40分ぐらいかける事もあるぐらいなので、初心者がいきなりそのレベルを求めてしまうと継続できなくなってしまいます。

YouTubeなどに本格的な靴磨きの手順を紹介している動画がたくさんあるので、初心者でも道具を揃えて時間をかければ行えなくもないのですが、それが継続できるかというと別の問題です。

靴磨きにどれぐらいのレベルを求めるかにもよりますが、初心者にとっては100均アイテムぐらいから取り組み始めた方が、煩わしさもなくて結果的に長続きしてくれるのではないでしょうか。

ウェットシートで汚れを拭き取るだけなら1分も掛かりませんし、たまに靴墨を塗り込む程度であれば、わざわざリムーバーを使って落とす必要もありません。

磨き傷一つない完璧な靴磨きを目指す人にとっては向いていませんが、初心者にとっては取り組みやすい方法なので悪くありません。

流石にプロの靴磨き職人に、このような簡易的な方法だけで済まされると腹立たしいですが、日頃の革靴のメンテナンスとしては100均アイテムでも悪くありません。

特に使い捨てシートは本当に便利なので、靴磨き初心者にとってはかなりおすすめのアイテムです。

ちなみに100均にはスポンジタイプの靴磨きグッズもあるのですが、あれは汚れが残ってしまうので、個人的にはおすすめしません。

油分が含まれているので使い勝手は悪くないのですが、流石に靴墨のように色を足す効果は期待できません。

たまには革靴と同色の靴墨を塗り込んだ方が良い状態を保てるので、個人的には小まめにウェットシートで汚れを拭き取るのと、塗りやすい液体タイプの靴墨の組み合わせが、初心者には簡単でおすすめです。

今回紹介した100均のダイソーのアイテムで靴磨きをする方法というのは、あくまでも手抜き方法なので、本格的な靴磨きのレベルを求めている人にとってはおすすめしませんが、今まで何も手入れをしていなかった人にとっては、かなり効果的で簡単だと思うので参考にしてみてください。

追記 具体的なやり方

この記事がわりと評判が良かったので、100均アイテムを使った具体的な靴磨きの手順を、写真入りで解説した記事をアップしました。