男のベルトの決まり事!NGな着こなしを避けてシンプルに!

ファッションコラム

ベルトをする意味

今回はメンズファッションにおけるベルトについての考察をしていきます。

先に結論から言ってしまうと、ベルトで得する事など滅多にないので、あまり気にする必要はありません。気にするべきポイントというのは、損してしまうかも知れないNGな着こなしを避ける事ぐらいです。

基本的にベルトをする意味というのは、ズボンがずり下がらないようにするものです。これは当然の事なので誰もがイメージできると思います。

一部のファッションではベルトに役割を持たせて、このような使い方をすることもありますが、ベルトは基本的にズボンがずり下がらなければOKというアイテムです。

そもそもフィットしているズボンだとベルトがなくてもずり下がらないものですが、だからといってベルトなしにしてしまうと、見た目のバランスが崩れてしまうケースが多くなります。

最近は男性向けのズボンでも細身のシルエットが増えてきており、ピタッとフィットさせるスキニータイプも一般的にはなってきましたが、男性があまり攻めた(ピチピチの)フィット感を狙ってしまうと、あまり良い結果になりません。

清潔感が漲っている若者であれば、かなり攻めた細身のズボンにベルトなしでも悪くはないのですが、だからといってお洒落な印象になるとかプラス評価になるものでもありません。ある程度の年齢の男性であれば尚更です。基本的にベルトは合わせるものだと理解しておいてください。

これはベルトのおかげでお洒落になるという事よりは、ベルトをしない事によるマイナス評価を避ける意味があります

メンズファッションにおけるベルトの着こなしというのは、このマイナス評価になってしまうかも知れない要素を避けると考えると、その方向性も見えてきます。

男性と女性の違い

女性はスキニータイプの細身のジーパンでベルトなし、というファッションもありなのですが、

フラフープをする女性

男性がここまでピチピチのシルエットのジーパンを履くと、ちょっとやり過ぎ感が出てしまうので、若者であってもあまりおすすめはしません。

このようなお尻のラインが出るファションは、女性だからこそ許されるものです。さらに厳しい事をいえば、美人でスタイルの良い女性だけにしか許されません。たまにそれほどスタイルが良くない女性でもピチピチのズボンを履いていますが、むしろスタイルの悪さを強調する結果となってしまいます。

男性であれば尚更です。ダボダボのズボンが良いわけではありませんが、余計な皺が出ない程度にゆとりがあった方がバランスよく決まります。

誰もがモデルのようなスラーっとした足をしているわけでもありませんし、ガニ股の男性も多いです。ピタッとフィットさせてしまうと粗が目立ってしまいます。

最近はストレッチ素材のズボンが増えてきましたが、それだけにスリムなタイプでも強引にでも履けてしまいます。ですが、ピッタリサイズとムチムチは違います。ムチムチだと生地が横に伸びて皺が多く出てしまい、「最近太ったんだろうな」と見えてしまいます。

またきちんとズボンの丈を合わせていないと、裾が詰まって皺だらけになってしまいます。あえてカジュアルに着崩し(腰パンなど)をしているのが伝わるファッションであれば悪くはないのかも知れませんが、それこそ他のファッションに隙があると残念な印象にしかなりません。

ベルトの着こなしというのも同じであり、こだわったところで狙い通りに周りに伝わる可能性が低く、むしろマイナス評価を受けてしまうので気をつける必要があります。

あくまでもこのマイナス評価になってしまう要素を避ける事こそが、メンズファッションにおけるベルトの着こなしという事になります。

NGなベルトの着こなしとは?

マイナス評価になってしまうかも知れないNGなベルトの着こなしの例をあげると、

  • ベルトなし
  • ループの通し忘れ
  • 穴の位置
  • 主張の強いベルト

この4つNGを避ける必要があります。ベルトなしのリスクはズボンがずり下がってしまうかも知れない事と、年齢やファッションによってはズボラな印象になってしまうかも知れないからです。

ループの通し忘れというのは、ズボンのベルトを通す輪っか(ベルトループ)の通し忘れの事です。

ベルトのループの通し忘れ

このミス一つで残念印象になってしまうというよりは、このような些細なミスがいくつか重なってしまうと、一気にズボラな印象になってしまうので気をつける必要があります。

この輪っかの数はズボンのデザインによっても違うので気をつけてください。

穴の位置というのは、ベルトの長さを合わせるという意味なのですが、一般的なベルトには5つの穴が開いており、その真ん中に通すと見た目のバランスも良くなります。

ズボンのデザインによっては腰の位置も変わるので、両隣りの穴ぐらいであれば許容範囲と考えても良いのですが、端の穴に通すとバランスが悪くなってしまいます。

ベルトの穴の不正解

ベルトの穴の一つ目

長過ぎるベルトであればカットして対処できる事が多いのですが、ベルトによってはカットできないものもあるので、その場合は買い替える必要があります。

主張の強いベルトというのは、単純に悪目立ちするだけで何もメリットがないからです。

お笑い芸人のように個性やキャラクターが求められる人物が身につけるのであればメリットがあるかも知れませんが、多くの一般男性にとってはリスクにしかなりません。

ここで注意してもらいたいのは、いわゆる有名ブランドの高価なベルトでも悪目立ちしてしまうケースがある事です。

ホストのようなファッションであれば悪くはないと思うのですが、ビジネスの場で身につけてしまうと軽薄な印象になってしまいますし、カジュアルなファッションでも相性が良いかというと微妙です。

ベルトに限らず主張の強いファッションアイテムというのは、金持ちアピールをしたい成金のような下品さが漂ってしまうので、得する機会は滅多にありません

キャバクラでモテるような事はあるかも知れませんが、それは金づる対象としてチヤホヤされるだけなので、あまり良い結果とはなりません。

他にもフォーマルなスーツにカジュアルなベルトを合わせるような事もNGではありますが、そこは多くの人が意識できていると思います。

基本的にベルトの着こなしというのは、プラス評価を狙う物ではなく、マイナス評価を避ける事だけで十分なので、ファッション初心者の男性ほど今回紹介した4つのNGな着こなしを避けるように意識してください。

これだけだとちょっと物足りないかも知れないので、ここからは一つ上のベルトの着こなしについて紹介していきます。

上品なベルトの着こなし方

上品なベルトの着こなし方といっても、あくまでもマイナス評価にならない事が重要なのですが、さりげなく上品さを醸し出す為には、ベルトのメンテナンスとTPOを意識するのがポイントです。

多くのベルトは革で出来ているので、他の革製品と同様にメンテナンスをする事で良い状態を保ちやすくなります。たまに擦り切れた革のベルトを身につけている人がいますが、古着のような砕けたファッションに合わせるのでなければ、清潔感を失うだけです。

といってもベルトは革靴ほど汚れるものではないので、メンてナンスといってもあまり難しく考える必要はありません。基本的には手で撫でるだけでOKです。

これは革の財布で考えると分かりやすいのですが、革財布はこれといったメンテナンスをしていなくても良い状態を保てるものですが、この理由も手で触れる機会が多いからです。

スマホを綺麗にした後でも指が触れると直ぐに指紋が付いてしまうように、人間の皮膚には油分や水分が含まれています。頻繁に触れる革製品というのは、自らの油分や水分が勝手に補給されていくので、これといったメンテナンスをしなくても良い状態を保てる傾向があります。

革靴だとベタベタと全体に触れる事は多くありませんし、砂ぼこりの影響も大きいので適切にメンテナンスをする必要がありますが、ベルトは食べこぼしでもない限り汚れるものではないので、財布のように頻繁に手で触れてあげるだけで油分や水分を補って乾燥を防ぐ事ができます。

明らかに汚れているような場合は適当な布で拭き上げても良いのですが、普段のメンテナンスとしては着用後と着用前に手でベルト全体を撫でてあげるだけでOKです。

これを意識できるかどうかで革ベルトの寿命は全然変わってきます。ベルトの先端やバックルの近くは誰でも触れるものですが、ちょうどベルトの真ん中あたりだと自然に触れる機会が少なく、座った時やしゃがんだ時によじれてしまうので、そこからひび割れや擦り切れが生じてしまいます。

明らかに乾燥している場合は革用の油を足しても良いのですが、きちんと拭き上げないとズボンを汚してしまうかも知れないので気をつけてください。

縁取りの縫製があるベルトだと隙間に油分が残ってしまったり、時間が経つと余計な油分が浮き上がってくるので、何度か時間を空けて徹底的に拭き上げる必要があります。

バックルに目立つ汚れがある場合も拭き上げてほしいのですが、それほど目立つ汚れがつくものでもないのでスルーしても構いません。上質な金属のバックルであれば黒ずみを落として輝きを取り戻す事ができるかも知れませんが、メッキだと剥げてしまうかも知れないので、あまり余計な事はしない方が良いかと思います。それこそ手で撫でるだけでも表面の汚れなら落ちてくれます。

布製のベルトで目立つ汚れがある場合は、薄めた洗濯洗剤に浸して歯ブラシで擦ったりして汚れを落とす事ができるのですが、基本的に布製のベルトはそれだけで子供っぽい印象になってしまうので、そもそもメンズファッションと相性が良いものではありません。

汚れや擦り切れが目立つやすいので、傷んでしまっているものは買い替えるしかありません。

もう一つベルトのメンテナンスで意識してほしいポイントは保管方法です。ベルトが売られている時のように吊るして保管しましょう。

たまに毎日着るスーツのズボンに付けっぱなしにしてハンガーにかけてしまう人がいるのですが、ベルトの革に余計なクセが付いてしまうだけでなく、ズボンの皺の原因となってしまう事もあるので、きちんと外して保管する事が重要です。

革のベルトは使用しているうちに自然と曲がってしまうものなのですが、吊るして保管する事で多少は元に戻る事につながりますし、テンションが掛かっている箇所の革を休める事にもなるので、良好な状態を保ちやすくなります。

適当なフックにかけて保管しても良いですし、ベルトハンガーと呼ばれる専用品も売られているので、一つ用意しておくと良いかと思います。

TPOを意識したベルトの着こなしというのは、要するにファッションに合わせて使い分けるという意味です。

といっても主張の強いカジュアルなベルトは使いどころが難しいので、そのようなベルトを避けておけばNGにはならないのですが、一つ上のベルトの着こなしという意味では、よりバランスが取れる余地があります。それはベルトの色の使い分けです。

革靴が黒ならベルトも黒、革靴がブラウンならベルトもブラウンといった感じで使い分けられると、バランスが良くなります。ただブラウンといっても濃淡があるので、明るい薄茶色と濃い目の焦げ茶色ぐらいの使い分けは意識してみてください。

理想を言えば革のタイプも統一した方が良いのですが、そこまでこだわったからといって得するかというと微妙なので、あまり気にする必要はないと思います。ある程度近い色であればOKです。

さらに細かな事をいうと、財布や鞄といった他の革製品の色とも合わせた方がバランスが良くなるのですが、この辺は好みの革のタイプや色を決めておくと、自然と近い色で統一されていくと思います。

もう一つベルトのTPOで意識してほしいポイントはベルトの太さです。基本的に細くて薄いものほどフォーマル度が高くなり、太くて厚みがあるほどカジュアルよりなベルトになります。

カジュアルなファッションに合わせるベルトであれば、太くて厚みのあるごついタイプでも悪くないのですが、

スーツや綺麗めのファッションにごついベルトを合わせてしまうと浮いてしまうので気をつけてください。

このベルトは全く同じショップで購入した黒とブラウンのベルトなのですが、若干ブラウンの方が太くなっているのが分かるでしょうか。

バックルも黒いベルトの方が小ぶりで薄くなっています。

これぐらいの微差は気にする必要はないのですが、フォーマル度が求められる場でカジュアルよりなベルトをしてしまうと、バランスが崩れるので気をつけてください。

あくまでもメンズファッションにおけるベルトの着こなしは、NG(アンバランス)を避けてマイナス評価にならない事が重要なので、ここさえ間違えなければ問題ありません。

上級者のベルトの着こなし

ベルトの着こなしは基本的にNGさえ避ければ問題ないのですが、それでもこだわりたい人やお金に余裕があるのであれば、上級者向けの着こなし方もあるので紹介します。

それは控えめなデザインの上質なベルトを身につける事です。

ハイブランドの高価なベルトに用いられている革やバックルというのは、やはり上質な素材のものが多いので、「分かる人だけには分かる」といった感じでマイナス評価を受ける事なく、さりげなく上品にアピールする事ができます。

先ほども紹介したブランド丸出しの主張の強いデザインのベルトではなく、

同じブランドでもシンプルなデザインの上質なベルトが用意されているものです。

このベルトは全く同じブランドのものですが、パッと見て気がつく人は多くありません。ただよくよく見ると、ブランド独自の柄がベルトの革にさりげなく刻印されています。

多くの男性はこのような事に気がつかないので、上司に疎まれる事も取引先に軽薄な印象を与える事もありません。

ただファッションセンスの高い女性であれば、もしかしたら気がついてくれるかも知れないわけです。バックルも上質な金属なので飲み屋の怪しげな照明の下で上着を脱ぐと、キラリと上品な輝きを放ってくれます。

基本的にベルトで目立つ必要はなく、むしろ目立たせても良い事などないのですが、薄暗い飲み屋やバーといった空間の中に限っていえば、上質な素材のおかげでさりげなくリッチ度をアピールできるわけです。

これが上級者のベルトの着こなし方です。分かる人にだけ分かり、分からない人にとってもマイナス評価を受ける事がありません

これは他のファッションアイテムにも当てはまる事ですが、これ見よがしなデザインの目立つアイテムというのは、相手によってはマイナス評価を与えてしまいます。

いかにも高級そうな腕時計は使いどころを誤ると印象を悪くするだけですが、それほど主張が強くない高級腕時計がシャツの袖に隠れていれば、さりげなく分かる人にだけアピールする事ができます。

腕時計好きの人ほどこれ見よがしな身につけ方をしているものですが、

相手によっては嫌味として受け取られてしまうので、期待しているほどのメリットが得られるとは限りませんし、むしろ避けられる要因となってしまう事もあります。

ベルトの上品な着こなし方というのも同じで、分かる人だけ分かれば良いぐらいの心の余裕をもって楽しむのが上級者です。

まとめ シンプルイズベスト

誰からも一目置かれるベルトの着こなしを期待してきた人には、物足りない情報だったかも知れませんが、基本的にメンズファッションは目立つ必要はありません。

中途半端にこだわって悪目立ちしてしまうと、むしろ評価を下げる結果となってしまうので気をつけてほしいと思います。

黒のベルトの白い糸で縁取りされているものだと、カジュアルよりになってスーツだと相性が悪くなってしまいます。

そもそもカジュアルファッションで黒い革靴を合わせる事が少ないので、このような中途半端な主張の強いベルトというのは、意外と使いどころがないものです。

ジーパンに黒のブーツを合わせていれば相性は悪くないとは思いますが、カジュアルファッションでスニーカーを履いていると浮いてしまうので、だったらシンプルなブラウンのベルトを合わせた方がバランスを保てます。

もちろん主張の強いデザイン性の高いベルトでも、ファッションの方向性とマッチしていれば悪くないのですが、

だからといって得するかというと微妙ですし、使いどころを誤るとリスクにしかならないので、ファッション初心者の男性は安易に取り入れない方が良いかと思います。

このような中途半端なこだわりのファッションのせいで、大きく損してしまっている男性は珍しくないので気をつけてほしいと思います。

ベルトの着こなしというのはNGを避けるだけで十分です。極端な事を言えば100均で売られているようなベルトでも、今回紹介したNGポイントを避けて丁寧に着こなしていれば評価を下げる事はありません。

ダイソーの革ベルト

このベルトはダイソーで売られていた500円の本革ベルトです。購入してから5年ぐらい経っていますが、今でもカジュアルなファッションの時に活躍してくれています。

流石に100円のベルトだと合成皮革で安っぽい光沢があったり、直ぐに傷んでしまったり、長さが調節できなかったり、バックルの加工処理も甘いのでお勧めしないのですが、その辺の洋服屋で売られている1000円ぐらいのベルトでもバランスを保つ分には十分なので、日頃から手で撫でてメンてナンスをしながら、TPOに合わせて丁寧に着こなしてほしいと思います。

あえてアドバイスを付け加えるのであれば、シンプルなベルトでもバックルが大きなタイプはお勧めしません。

バックルの質は価格なりの差が出やすいので、1000円ぐらいのものだと安っぽさが際立ってしまいます。だからといって高価なベルトの上品な輝きがあるバックルでも悪目立ちしてしまうので、あまり良い結果になりません。

この辺のバランスが高級腕時計の上品な身につけ方に似ているのですが、

主張の強い腕時計ほどシャツの袖の中に収めておかないと下品な印象になってしまうように、主張の強いバックルのベルトも使いどころが難しくなります。

スリーピースのスーツを着てベルトのバックルがベストに隠れていたり、カジュアルなファッションで上着で隠れてしまうのであれば、たまにチラっと見えるぐらいでこれ見よがしな印象にならないのですが、

わざわざ見せつけるような事をしてしまうと下品な印象になってしまうので、上質な光沢を放つ高級ブランドのベルトだとしても、バックルが大きなものは避けた方が良いかと思います。

女性ファッションであれば、ベルトのデザイン一つとっても様々な選択肢があり、上手く組み合わせる事でお洒落のレベルと引き上げる事ができるのですが、誠実さが求められる男性ファッションに限っていうと、ベルトは得する事よりも損するリスクが高いので、あまり余計な事をしないシンプルイズベストだと覚えておいてほしいと思います。

といってもベルトをしていなかったり、TPOに合わせなかったり、長さが適当だったり、メンテナンスを怠ると清潔感が失われてしまうので、今回紹介したNG要素を避けてスマートに着こなしてほしいと思います。

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