握力が低い人は血圧が高い?年齢に関係なく相関関係が!

自分磨き

中年男性と血圧

多くの中年男性は血圧の上昇に悩まされているのではないでしょうか。

血圧を測られている男

年齢的なもの、食生活、生活習慣など血圧が高い理由は人それぞれですし、それらを改善させることは簡単ではありません。

そこで今回は意外なことで簡単に血圧を下げる方法を紹介します。

握力と血圧の相関関係?

それは「握力を鍛える」という方法です。

アメリカのフロリダ大学の研究によると、健康的な成人の男女1500人を調査した結果、握力が低い人ほど高血圧の確率が高かったのだそうです(糖尿病も)。しかも年齢は関係なくです

さらにカナダのマクマスター大学の血圧予防の権威の人が、効率的に血圧を下げる為の握力の鍛え方を調べており、握力計の最大数値の30%程度の力(要するに軽く握る)で「二分握って一分休む」を左右二回ずつ交互に行うと、平均して10%もの血圧を下げることが出来るのだそうです。

しかもこの10%という数字は、よくある食生活の改善や有酸素運動などで血圧を下げる方法の2倍以上の数字なんだそうです。

健康的な和食

生活習慣を見直すような事も大事ですが、血圧を下げる為に取り入れる運動としては、握力を鍛える事がかなり効率が良いという事が分かってきました。

握力を刺激するこで血圧が下がるメカニズムは、筋肉に長時間(2分)力を入れていると、そこの筋肉が盛り上がって血管が圧迫されて血液の流れが滞る事になり、すると血管を広げようとする一酸化窒素という物質が血液中に出てくる事になるからだと考えられています。

おそらく2分ぐらい力を入れ続けられるトレーニングとして、握力のようなコントロールしやすい筋肉と相性が良いのだと思います。空気椅子を2分もキープするのは大変ですし、意外と選択肢がないのかも知れません。

もちろん握力を刺激する動作を繰り返すことによって、血管そのものへ刺激が加わるので、血管の柔軟性がアップし、高血圧予防へとつながるのだそうです。

この理屈を考えると手の握力を鍛えることに限らず、全ての運動も血圧を下げる事に効果的ではあるのですが、中でも相性が良かったというわけです。

30%の握力?

ただし問題なのは多くの人が握力形を持っていないことです。スポーツジムに通っている人でもない限り、30%の握力をイメージするのは難しいと思います。

そこでタオルで代用する方法を紹介します。

まずはタオルを数回折り曲げて厚みをつくります、手で握った時に親指と人差し指が無理なく触れられるぐらいに調整します。

握力を下げるタオルの握り方

このタオルの厚みを軽く握りしめていると、タオルの弾力で自然と戻ろうとするので、その弾力を押さえつけておく握力が30%ぐらいなんだそうです。

「2分握って1分休む」を何度か繰り返すと、血圧を下げるのに効果的です。これなら誰でも自宅で手軽にできると思います。

この大体30%ぐらいの力加減がわかれば、ゴムボールや軟式のテニスボールなどでも代用できると思います。

ボールを握る手

ただし、この血圧を下げるトレーニング方法は、多少なりとも血管に負担をかけることになるので、既にかなりの高血圧の人は無理をしないでください。それなりの時間の負荷が掛かる事になります。

ちょっと血圧が高めぐらいの人であれば、無理なく取り入れられると思うので、ぜひ試してみてください。もちろん本格的に握力を鍛える事も良いとは思うのですが、これも100%の力を込めるというよりは、軽い負荷を長い時間おこなう方が相性が良いと思います。

参考道具なしで握力を鍛える方法

足もおすすめ

血液というのは全身をめぐるので、血管を柔らかくしてくれる一酸化窒素も全身を巡ってくれます。

血管への軽い負荷を与える為に、軽く手を2分間握りしめる方法を紹介したのですが、手と同じように足の握力に負荷を与えることでも同様の効果が期待できます。

足の指の力は握力計ではかることは出来ませんが、軽く足の指に力を入れた状態をキープする事でも同様の効果が期待できます。

30%で十分ということなので、あまり無理はせず、軽く足の指を握りしめるだけでOKです。それこそ足の指でタオルを落とさないように掴んでおくぐらいで良いと思います。

足の握力へ刺激は冷え性で悩んでいる人にも効果的な方法です。足の握力が弱ってくると歩き姿にも悪影響なので、こちらも合わせて取り入れてみてください。

参考足の握力不足で足が疲れる!?

現代人の多くが浮指で姿勢や歩き方が崩れていると言われており、それが原因で運動量が落ちている(偏った歩き方)ケースも多いので、足の握力を鍛える事は全身の健康の為にもおすすめですよ。

2分キープがポイント

血圧を下げる為のポイントとして、「軽い力で2分をキープをする」と紹介しましたが、通常の運動というのは筋肉が常に動いているので、瞬間的に血管が圧迫される事があっても、その状態がキープできるわけではありません。

テニスのサーブを打つ女性

それが悪いわけではありませんし、それを繰り返すことでも血管に柔軟性を持たせることに繋がるのですが、あえて一か所に集中して弱い力を入れ続ける方法が、血圧を下げる為に一酸化窒素を出すのに効果的なので、この事をしっかりと理解した上で取り入れてみてください。

この考え方は、スロートレーニングに似ていると思います。

スロートレーニングを簡単に説明すると、通常の筋トレをゆっくりと行うことにより、筋肉を休ませないでトレーニングさせる方法です。

例えばスクワットの場合だと3秒かけてゆっくりとしゃがみ、また3秒かけてゆっくりと立ち上がります。さらにしゃがみきると力が抜けて楽になるので少し手前で折り返します。立ち上がる時も膝を伸びきらせないで少し手前で折り返します。

口でいうのは簡単ですが、休憩がないので相当きついトレーニングになります。

休憩を挟まないで常に筋肉に刺激を与えることになり、実際には軽い負荷のトレーニングでも筋肉を深く追い込むことになり、成長ホルモンの分泌を促す事になり、効率が良くなると言われています。

「握力30%で2分キープ」と「スロートレーニング」はすごく似ています。結果的にどちらのメリット(血圧低下、成長ホルモン)もあるのかも知れないので、日頃からスクワットのようなトレーニングをしている人は、スロートレーニングも意識してみてください。

筋肉を太く大きく鍛えたいのであれば、バーベルを背負って限界近くまで追い込むのが理想なのですが、その分ケガのリスクも増えてしまいます。

血圧を下げる目的や健康維持の為であれば軽い負荷を少し長い時間かける方が、安全で効果的なものになります。

血圧が高い原因は人それぞれなので、握力を刺激することが必ずしも全ての人に当てはまるとは言いませんが、若い頃に比べて握力が弱っていると感じている人は、是非チャレンジしてみてください。

もちろん適度な運動を取り入れるのも大切です。血液の流れは全身に左右するので、日ごろの食生活や姿勢なども意識してほしいと思います。そういう意味でも足の握力を鍛えるのもおすすめですよ。

ストレッチをする男性

どんなにカッコいい洋服を着こなしていても、良い姿勢で健康でなければ魅力は半減しますし、行動にもつなげられません。

全身の血液の流れが良くなれば、顔色や肌質や髪質にも好影響があるはずです。結果的に総合的な魅力も増すことになります。

血圧を下げる為に一時的に薬に頼るのは仕方がないとは思いますが、それだけで生活習慣を見直すことがなければ改善することもありません。

食生活や運動習慣の改善も大事ですが、握力は数値として表れるだけに衰えも自覚しやすいので、血圧が上がって握力が落ちている人は、挑戦してみる価値があるのではないでしょうか。

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