ズボンの裾上げの重要性!足が長いからと軽視するのはNG!

ファッションコラム

ズボンの裾上げは必須!

少し前にお酒の席で知り合った身長の高い男性が、

「俺はズボンの裾上げをしたことがない!」

と自慢げに語っていました。

その場に居合わせた女性陣は「すごーい!カッコイイ!」と喜んでいましたが、彼が立ち上がった時にズボンの裾の長さをチェックすると、微妙にあっていませんでした。

足が長いからと裾上げをしなくても良いのは素晴らしい事ではありますが、本当にベストな裾の長さになっているかというと微妙なものです。

たかが数センチの裾上げでバランスがグッと良くなる事は珍しい事ではありません。

足の長さをアピールする為に「裾上げをしていない!」と自慢するのは、自ら無知をさらけ出しているだけです。裾上げの重要性をしっかりと理解する必要があります。

ズボンのシルエットの変化

ここ十年ぐらいで男性向けのズボンのシルエットは大きく変化しました。ざっくり言うとスリム化されました。

同じブランドのズボンを持っている人だとわかると思うのですが、たかが数年前のズボンでも微妙にシルエットが変化しているものです。

お腹周りのサイズが同じズボンでも、股上や太ももや脛のサイズは微妙に変化しています。

もちろん人間の体形も変化していきます。若い頃と同じ体重をキープしている人でも、筋肉が衰えてお尻や太ももがたるんでいるかもしれません。

当ブログでは洋服の購入時の試着の重要性について、形を変えながら何度も紹介しているのですが、

こちらの記事で紹介したように、私は同じユニクロのズボンでもサイズがバラバラなものを所有しています。

同じブランドのズボンだからと、ろくに試着もしないで選んでしまうとフィットしない可能性があります。

試着をしない人が裾上げなどするわけがないので、ピタリと合う確率などほとんどありません。

私も裾上げをする必要がなかったズボンをいくつか所有していますが、かなり昔に購入したものです。

スッキリとしたシルエットのズボンが主流の現在、きちんと試着をして選ぶとフィットするサイズも変わっていくので、当然裾の長さも変わっていきます。

冒頭で紹介した彼のように「裾上げをしない!」などと声高に自慢していると、ファッションレベルの高い人から笑われてしまいます。

苦い経験

実は昔の私も冒頭に紹介した彼と同じように、ズボンの裾上げをしないことを自慢するタイプでした。女性から容姿を褒められた経験はありませんが、足の長さ(と声と指)を褒められることは、しばしばありました。

そんな時は自慢げに「そういえば、ズボンの裾は上げたことないなぁ~」と言っていました。穴があったら入りたい気分です。

昔のズボンはブランドによるサイズの差が少なく、寸胴型のシルエットばかりだったので、目安となるサイズを選んでおけば良かったのですが、現在では同じブランドでも様々なシルエットのズボンを用意しており、お腹周りのサイズが同じだとしても、お尻や太もものフィット具合がまるで違うことがあります。

スリムなシルエットのズボンだと、サイズが一つどころか二つ上がることも珍しくありません。そのようなズボンだと当然裾も長くなるので合わなくなります。

しばしばスリムなズボンを履いて裾を弛ませてしまっている男性がいるのですが、せっかくスラーと見えるはずのズボンが台無しになってしまいます。

たかが1~2センチの違いなら気にする必要がないと考える男性も多いとは思いますが、そのようなわずかなスキが積み重なることで、全体的に残念なファッションになってしまします

美は細部に宿ると言いますが、ほんのわずかな違いで印象が変わるのは珍しいことではありません。

これは髪型で考えると分かりやすいのではないでしょうか。髪の分け目をちょっと変えただけで大きく印象が変わるのは珍しいことではありません。

明らかにダボついてるズボンでなければ、1~2センチの裾上げをしたところで大きく印象が変わるとは言いませんが、そこに姿勢の悪さやメンテナンスの怠りなどのマイナスポイントが加わると、一気に残念な印象になってしまうかも知れません。

店員さんがサイズを合わせてくれるスーツですら、ベルトを通して決めなかったせいか、裾がダブついてしまっている男性は珍しくありません。

たかがズボンの裾上げと考えずに、購入前の試着時にはしっかりとベルトを通し、試着室から一歩出て靴を履いた状態で最適な裾の長さを確かめる必要があります。

靴を脱いでいる試着室の中で裾上げの箇所を決めてしまうと、靴を履いた時に印象が変わってしまいます。

ベルトもしないで裾上げの位置を決めるのは論外ですが、靴とのバランスまで考えている人は少ないので、お洒落な男性を目指している人は意識してください。

きちんと裾上げをしたからといって、劇的にお洒落のレベルが上がるとは言いませんが、これは料理で言うところの灰汁取りのような事なので、軽視するべきではありません。

このような手抜きがいくつか重なってしまうと、一気に残念な印象になってしまうので気をつけたいポイントです。

まとめ 小さなミスの怖さ

同じような体型の男性のファッションでも、明らかに似合っている人とそうではない人がいるものですが、明確なミスが見当たらない場合、ズボンの裾上げのようなわずかなスキが積み重なってぼんやりとした印象になっている可能性が高いです。

ベルトのループの通し忘れだったり、靴が汚れていたり、肩にフケが乗っていたり、寝ぐせが付いていたりといった、ちょっとしたミスもいくつか重なると、一気に残念な印象になってしまいます。

ベルトのループの通し忘れ

お洒落な印象にうつる人というのは、奇抜な目立つファッションをしているわけではなく、普通のファッションを隙なく丁寧に着こなしているものです。

最近はズボンの裾が短めのファッションも受け入れられるようになりましたが、実はファッション雑誌で言うほど簡単なファッションではありません。微妙なさじ加減をあやまるとどっちつかずの残念な印象になってしまいます。

全体的にスリムで軽快な印象のファッションだからこそ引き立つテクニックなので、中年のおじさんが安易に取り入れてしまうとおかしなバランスになってしまいます。

アンクル丈のズボンが似合うのは清潔感が漲っているスタイルの良い若者だけであり、それを真似たところで誰もがお洒落になるものではありません。

太っている人にも似合いませんし、姿勢や立ち姿が悪いとガニ股になって裾の位置も上がってしまいますし、皺が残りやすい生地だと膝や足の付け根の生地が詰まって裾が短くなってしまいます。

モデルのように綺麗な立ち姿で皺のないズボンを履くのであれば、理想的なアンクル丈の位置をキープできるのかも知れませんが、一般の人にとってはかなり難易度が高いです。

裾を折り返して短くする場合であれば、その都度バランスをチェックすることができますが、そうではない場合は裾上げを軽視するべきではありません。

足の長さに自信がある男性でも、なるべくならお店の人と相談しながら適切な裾の長さに調節してください。

裾上げテープなどで自分で裾上げをする事も出来ますが、無駄な生地をカットして仕上げないと、高い位置に皺が出てしまう事があります。

成長期の学生服であれば余裕をもっておく必要もあるかも知れませんが、成人した男性であれば意味がありません。

ダブルの裾のように重みがあると、ズボンのシルエットが綺麗になる事もあるのですが、何重にも折り重ねてからテープで固定すると、アイロンをかける度に浮き出てしまうので、やはり適切な長さにカットする必要があります。

やはりお店の人に縫い付けてもらった方が、ずっと綺麗に仕上がるので意識してみてください。

プロはお客さんが着ている上着や靴などから、ファッションの方向性を見出してくれます。そのようなファッションに相応しい裾のバランスを選んでくれるので、ツータックのゆったりとしたズボンをアンクル丈にするような事はしません。

裾上げをしてもらう時は必ずベルトを通してください。そして目安となる裾の長さを決めてもらったら、試着室から一歩外に出て靴を履いた上でバランスを再確認してください

面倒だと思われるかもしれませんが、どんなに有名ブランドの洋服でも、このような調整を怠ると残念な結果になってしまいます。

逆にノーブランドの洋服でも、しっかりとフィットしたものであれば確実に魅力を引き上げてくれます。

ズボンの裾上げに限った話ではないですが、ちょっとした事でバランスがグッと良くなる事があるので、お洒落を意識している男性ほど、しっかりと向き合ってみてください。

ある女性ファッションアドバイザーの本に書かれていた事なのですが、ハイブランドの10万円の洋服より、3万円の洋服を2万円かけて仕立て直しをしたほうが「絶対に似合う」と断言していました。

女性は胸の大きさの個人差が大きいだけに、そこがフィットする可能性が限りなく低いので、バストのアンダーの位置に合わせて少し絞ると、誰でもスタイルが良く見えるようになるのだそうです。

男性は女性ほど体型に個人差は少ないかも知れませんが、ろくに試着もしないで適当に選んでいるようでは、なかなか似合う洋服には出会えないで気をつけてください。

男性のジャケットも袖や胴回りを1~2cmなら詰められるところがありますし、裾上げならどこのお店でも対応してくれるので軽視しないでください。

ズボンのデザインやシルエットはどんどん変化しているので、最適な裾の長さに調節してもらいましょう。

清潔感のある若者であれば、スリムなジーンズの裾を巻くっても良いとは思いますが、スリムなジーンズが似合わない中年男性が裾を巻くっていると、ただただ残念な印象になってしまうので気をつけてください。

たかが裾上げ、されど裾上げです。足の長さを自慢したいが為に裾上げを怠ってしまうと、裾が詰まってせっかくの足の長さもアピールできませんよ。

【関連記事】
洋服の個体差による違いを意識しよう

試着室の男女比におけるレベルの違い

新品の洋服の洗濯は必要!?