自分を大切にする人はオシャレ!?自分を観察する能力

ファッションコラム

お坊さんのファッション

先日、とあるバーでお坊さんと話す機会がありました。

オシャレなバー

もちろんプライベートな席なので、袈裟ではなく洋服に身を包み、ハンチング帽で坊主頭を隠していました。

初めはお坊さんということも知らずに話していたのですが、凄くオシャレに決めていたので、ファッションについて触れてみると、まるでファッションに関する知識がなく、逆に驚かされました。

私が驚いていると、実は「○○寺の住職をしています」と言われ、私は腑に落ちました。

オシャレに関する知識がないのにも関わらず、オシャレな人には特徴があります。

それは「自分を観察する能力が高い」という特徴です。

日頃から自分の様々な行動を意識に上げて観察している人は、自然とオシャレになっていきます。

一方で自分を観察することもなく、他人の指摘や悪口が多い人は、自然とオシャレから遠ざかります。

自分を大切にする人」は、自然と外見が整うという特徴があります。

自分を大切にするということ

「自分を大切にする」ということは、自分をしっかりと見つめるということです。

自分の現状から目をそらさないことです。

自分を見つめる蛙

不満な現状の原因を、自分の中から見つけ出せる人のことです。

職場環境が悪いのも、給料が上がらないのも、家族関係が悪化しているのも、全て自分に原因があると考えられる人は、自分の過ちに気がつくことができます。

  • 挨拶が悪かったのか
  • 体調が悪かったのか
  • 姿勢や表情が悪かったのか
  • 言葉遣いが悪かったのか

何かしら自分を改善させていくことが出来ます。

例え仮説が間違っていたとしても、次から次へと仮設を組み立てていくので、どんどん向上していきます。

一方で「職場環境が悪いのはあいつのせいだ」「家庭環境が悪いのは嫁のせいだ」と決めつけていると、自らは何も行動しません。

現状維持を徹底します、相手が変わることを望みます

「自分を大切にする」ということは、自分と向き合うことです、自分の中に原因を求めることです。

職場環境が悪いのであれば、笑顔であいさつをするようになったり、清潔感のある髪型や洋服を選んだり、良い人間関係を構築するように心がけたり、仕事に役立つ資格や勉強をしたり、何かしら問題は見つかるものです。

お坊さんは自分と向き合えている方が多いです、詳しい修行の内容は知りませんが、修行の本質は肉体を痛めつけることではなく、自分と向き合うことです。

お坊さんの行列

自分と向き合うことなく、作業として「床の雑巾がけ」を行っても苦痛にしかなりませんが、「お寺に訪れてくる檀家さんに気持ちよく過ごしてもらう為なんだ」という気づきがあると、イキイキと雑巾がけができるものです。

すると雑巾がけの質も効率も上がります、きちんと向き合うことで何か工夫できることはないかと、脳がクリエイティブに働きます、そこに学びがあります。

脳を働かせることに喜びを感じられるようになる能力を学ぶ為に、様々な修行があるのだと思います。

だからこそ、行動そのものに意味のない苦しみや痛みを伴う修行があるのだと思います、その苦しみや痛みが重要なのではなく、考え方を学ぶ為に修行をするのだと思います。

これはお皿洗いのアルバイトでも同様です、お金の為だけのアルバイトだと時計の針ばかり気になりますが、「立派な料理人になるための修行だ」と思えれば、お皿に残ったソースの味を盗むようになります、盛り付け方を学びます、周りの人の動きも目に入ります、また効率の良いお皿の洗い方や重ね方など、どんどん工夫がうまれていきます。

レストランのキッチン

同じ作業でも意識次第で学ぶ量には大きな違いがあります。

自分を大切にしている人というのは、日常の様々なことから学ぶことができるということです。

一方で他人が変わることしか望まない人は、自分を改善させる気が全くないので、身体の衰えと比例するように脳も衰えていきます、現状維持では何も学びはありません。

オシャレになる理由

オシャレの定義にもよるのですが、ファッションに関する知識がなくてもオシャレな人は、自分を大切にしている人です。

雑誌のモデルが着用している流行のファッションがオシャレだと定義している人は、常に流行を追いかける必要があります。

「今年の春は○○色がオシャレ」と雑誌に書いてあれば、何の疑いもなくその色を購入します。

オレンジ色の洋服を着て犬の散歩をするおじさん

自分の肌に合う色なのかどうかは関係ありません。

「クールビズには、ドゥエボットーニがオシャレ」と雑誌で特集されれば、何の疑いもなくドゥエボットーニのシャツを購入します。

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首の短さが強調されて残念な印象になっている「おじさん」がたくさんいました、きちんと試着をすれば似合わないことが一発でわかったはずです。

オシャレな洋服、流行の洋服を着ている人がオシャレなのではありません、ここを間違えないでください、オシャレな人は洋服が似合っている人です

「自分を大切にしている人」は、しっかりと自分の特徴を理解しているので、似合わない洋服を取り入れることはありません。

自分の髪型や肌の色と合わない色を理解しています、自分の体型や姿勢を理解しています。

ファッションに関する特別な知識がなくても、しっかりと自分の身体に合ったものを選ぶことができます。

これは洋服に限ったことではありません、自分を大切にしている人は、あらゆることを意識して観察することが出来るので、必要以上の機能を求めることもなく、本質を大切にすることができます。

洋服を選ぶ時も本質を大切にします、その場の雰囲気を壊さない洋服、相手の失礼にならない洋服、動きを妨げない適したサイズ合わせ、長く着られるような生地や縫製、そのような本質を意識するようになります。

比較的価格の安いTシャツは首がダラーンとなってしまうものですが、そのようなTシャツを購入した経験から学び、次からは生地や縫製を意識して選べるようになるわけです。

本質を理解していない人は上辺の情報だけに左右されます、「やっぱり安物はダメだ、Tシャツは5000円以上」と判断するようになります。

安物のTシャツ全てが悪いわけではありません、元々5000円のTシャツがセールで1000円になることも珍しくありません。

しっかりと本質を見極めて選べる人というのは、価格だけに左右されません、自分に似合う色や柄、サイズ、生地、縫製などの本質をチェックします。

これが「自分を大切にしている人」がオシャレな理由です。

日頃から自分の内面を観察している人は、様々な気づきや学びがあります、本質を見極める能力が磨かれています。

もちろん洋服に限った話ではありません、話し方や表情、髪型に姿勢、そして歩き方や食べ方など、様々な要素を意識に上げているので、それらの動作が洗練されていきます。

意識に上げて向上させたからこそ、体調や調子が悪いときに相手に失礼だったと気がつくことができます、自分に原因を見いだすことができます。

意識していないと、「何だあいつは!急に態度をおかしくしやがって」と相手に原因を押し付けてしまいます、直前にあったイヤなことを引きずっていた(表情に出ていた)自分に気がつくことはありません。

怒りが表情に出ている男性

自分と向き合うことで得られる知識、気づきは膨大です、上辺だけ着飾っても粗が出てしまいます。

流行の高級ブランドの洋服を着ても、髪型や肌の色と合っていなければ似合うわけがありません、体型や顔の大きさに合っていなければ似合うわけがありません、プロにコーディネートしてもらっても、姿勢が悪ければ似合うわけがありません、姿勢が良くても話し言葉が乱暴では嫌われます、食べ方が汚いと食事の後に帰られてしまいます。

一方で量販店の安いスーツでも、その人に似合っていれば魅力的にうつります、姿勢よく笑顔で優しく話しかけられると、相手は心地よく感じるものです。

魅力的な外見、オシャレなファッションというのは、流行や特定のブランドのことだけをさすわけではありません、きちんと自分と向き合い、自分の特徴を理解し、改善していくことで、魅力的な外見に近づいていきます。

ファッションにかけた金額だけが重要なのではありません、きちんと自分と向き合うことの方が大切です。

日頃から自分と向き合っているお坊さんがオシャレなのは必然です、坊主頭で場の空気を悪くしないように、自然と帽子をかぶるという選択をするようになります。

自分へのご褒美のリスク

「自分へのご褒美」という言葉があります。頑張った自分へ、自らご褒美を与えることですが、これは少し危険な発想です。

そもそも頑張ったと感じるということは、イヤイヤ行っている作業ということです。やりたくもない作業を乗り越えたから頑張ったと判断しています。

「努力」や「頑張る」という言葉は、心から楽しんでいないということの裏返しでもあります。

徹夜でマージャンをしてしまうサラリーマンは、努力をしているのでしょうか?必死に頑張っているのでしょうか?

麻雀の牌

違いますよね、楽しいから、楽しすぎるから徹夜までしています、強力な欲求である睡眠欲や食欲にすら打ち勝ってしまいます。

ゲームに熱中している子供も同様です、何時間も努力して座りっぱなしなのではありません、目を酷使しているわけではありません、心の底から楽しんでいるので、苦痛を感じないほどゲームに熱中することが出来ます。

あくまでもイメージですが、イチローがヒットを三本打って猛打賞だった日に、「今日は自分へのご褒美にビールで乾杯しよう」とはならないのではないでしょうか、おそらくイチローは次の日の試合に備えて、しっかりと準備すると思います。

その作業や仕事に対して真摯に向き合っている人は、そもそも苦痛を感じません、我慢とも努力とも思っていないので、自分へのご褒美という発想にはならないはずです。

自分を大切にしている人、自分の中に原因を見つけられる人は、常に問題を見つけては改善させていきます、イヤな作業や苦手な仕事をそのままにはしておきません、苦手な仕事の勉強をするなり、イヤな作業の効率化をはかったり、何かしらの対策をするので、同じストレス状態が継続することがありません

なので「自分へのご褒美」という発想にはなりません、苦痛を改善させたことに大きな喜びを感じて満足します。

派手な休日や遊びを自慢する人がいますが、裏を返せば仕事で満足をしていないということです、大好きな仕事をして充足感が得られている人は、大好きな仕事の為に休日は身体を休めます

「自分を大切にすること」と「自分へのご褒美」を混同しないでください、苦手な事、イヤな作業を改善させることが、一番の自分(脳)が喜ぶはずです。

まとめ 自分を観察する能力

お坊さんのように日頃から自分を観察する能力を身につけると、あらゆる分野の問題が見つけられるようになり、日々改善していくようになります。

しっかりと自分を見つめることで、相手の気持ちを慮ることもできるようになります。

相手を不快にさせない洋服選び、TPOに合わせた洋服選び、そして自分の体型や特徴に合わせた洋服選び、これらが自然と出来るようになります、オシャレになるのは当然です。

「人は見た目じゃない」と言う言葉を勘違いしないでください、正確には「人は容姿の良しあしだけではない」です。

それほど容姿が良くなくても、清潔感のあるファッションで姿勢良く笑顔でいる人は魅力的なものです、姿勢や表情や洋服も含めて外見です。

魅力的な笑顔のおじいさん

外見をおろそかにしている人というのは、自分には原因が全くないと思っています、それは全て周りが悪いと言っているようなものです。

自分を見つめなおすこともなく、原因を全て周りのせいにして、何も改善しようとしない人が、魅力的な内面をもっているものでしょうか。

そんなことはないと思います。

だからといって、お坊さんのように修行をしなければならないわけではありません、お坊さんと同じように自分を観察する習慣を身につけるだけで、様々な気づきが得られます。

今まで全く洋服に無頓着だった人が鏡を見るようになれば、様々な気づきが得られます。

寝癖に気づいたり、眉毛の左右差に気づいたり、鼻毛に気づいたり、歯の色に気づいたりするものです。

歯磨きをする外人男性

本当に僅かな気づきでも人は大きく変わります、歯茎の色が気になっただけで、歯ブラシの銘柄を意識します、歯の磨き方を意識します、口呼吸になっていなか意識します、食べ物の温度や噛み方まで意識します。

参考口呼吸を改善させる方法

意識に上げることで様々な自分の問題に気づき、それを改善していくことに気持ちよさを感じるようになれば、人はどんどん成長していくことができます。

ショーウインドーにうつった自分を見て、歩き方や姿勢を意識するようになるかも知れません。

参考男性の歩き方についての考察

衰えていた体型を見て、健康的な食生活や運動を取り入れるようになるかも知れません。

生活習慣が見直されれば、身体が健康になって肌の血色も良くなります、全身に力が漲り、活力のある目力になります。

参考目力を取り戻す方法

それで仕事やプライベートに影響がないわけがありません、全く同じ仕事内容でも相手から印象が良くなれば評価されるようになります、当然異性にもモテるようになります。

日頃から自分の行動を観察することも立派な修行の一つです、オシャレに気をつかうことも修行の一つです。

修行というと努力や頑張りが伴うように感じますが、その行動に意味があると理解できれば楽しくなるものです。

新入りの坊主は雑巾がけより掃除機の方がいいと思ってしまうものですが、本質が理解できるようになれば、雑巾がけを楽しんで行えるようになるものです。

お坊さんの修行のように、内面から外見にあらわれるようになるのは、それなりの修行期間が必要かもしれませんが、オシャレや身だしなみを整えると外見から内面に働きかけるので、周りの反応という意味では即効性があると思います。

ただしファッション雑誌の上辺だけの情報を取り入れてしまうと、残念な結果になるので気をつけてください、少しずつ外見を整えながら、自分と向き合ってほしいと思います。

参考ファッション雑誌でオシャレにならない理由

直ぐに新しい洋服を購入するのではなく、手持ちの洋服を観察してください、なぜその洋服を選んだのか考えてください、またお気に入りの洋服の理由も考えてみてください。

柄が好きなのか、色が合っているのか、生地の肌触りが好きなのか、フィット感が良いのか、しっかりと理解してください。

洋服を選ぶ女性

その気づきなしに新しい洋服を購入しても成長はありません、経験を元に成長していってください。

自分を大切にすることで、オシャレになっていく理由がわかっていただけたでしょうか、オシャレな人とは自分を観察する能力がある人のことです。

追記

ある本に修行について興味深い内容があったので紹介しておきます。

それは「歩行禅」と「食禅」です。

「歩行禅」とは足の裏に意識を向ける修行です、ゆっくりと歩きながら「踵がついた、指の付け根がついた、指先で地面を蹴った」と意識に上げながら歩く修行です。

これを実際に試してみると物凄く頭を使います、私は足の指先を意識したことがなかったので、頭がこんがらがってしまうほどでした。

きちんと足の指さきが触れていなかったり、重心が外側や内側に傾いていたり、など様々な気づきが得られます。

裸足で直立している人

また「食禅」とは、しっかりと料理と向き合う修行です。お坊さんが音を食べずに食べることは有名ですが、それだけではなく、その料理を作ってくれた人を想像し、食材を運んできてくれた人、育ててくれた人にまで思いを馳せ、感謝しながら頂く修行です。

どちらも正しさや正確な情報が重要なのではなく、普段無意識に行っている日常の行動を意識に上げる為の修行です。実際に様々なことを想像すると、ありがたさが増してきます、自然とよく噛んで食べるようになり、味の奥行きも感じられるようになります。

テレビを見ながら食べた食事は思い出すこともできませんが、しっかりと向き合って食べた食事は忘れません。

いただきますと合掌する男性

きちんと食事と向き合っている人は「いただきます」と感謝します、内面は形を変えて外見にあらわれるものです。

オシャレと向き合うことは、これらの修行と共通する学びがあると思います。

冠婚葬祭のような大切な席では、誰もがその場にふさわしい洋服を選択することができますが、何気ない日常生活も意識に上げることで、より相応しい洋服選びが出来るようになるのではないでしょうか。

職場の雰囲気に合わせながらも、自分の個性や特徴を表現することも可能です、同じようなスーツでも、しっかりと自分と向き合っている人はオシャレになるものです。

「容姿の良しあし」だけで決めつけてしまう人が多いのですが、決して容姿だけではありません。

しっかりと自分の顔の大きさに合わせて、ジャケットのラペルの角度や幅を選び、そのラペルの幅に合わせたシャツの襟の形を選び、その襟の形に合わせたネクタイの結び目を選ぶことで、オシャレな印象になるものです。

ネクタイを締める男性

どこか一つでもバランスが悪いと、残念な印象になってしまいます、テレビ局の中堅男性アナウンサーをチェックしてみてください、残念な若作りがよく見られます。

参考若々しいと若作りの決定的な違い!

これは自分と向き合うことでしかわからないことです、お店のマネキンや雑誌のモデルの洋服をそのまま揃えても似合うとは限りません。

日頃からオシャレを意識にあげてください、自分を観察してください、オシャレな人がオシャレな理由を観察してください。

これも立派な修行であり、「自分(周囲も)を大切にすること」だと思います。

大変長い記事になりました、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。