剣道の防具の着こなしで実力が伝わる!?人間の機能美

ファッションコラム

剣道が強い人の特徴

先日、テレビ番組で剣道の魅力について紹介していたのですが、中でも気になったのが「強い人は見た目でわかる」ということでした。

剣道の立ち合い

剣道が強い人は防具の着こなしがカッコいいのだそうです。

そのテレビ番組で色々な方の防具の着こなしを紹介してたのですが、確かに見た目で伝わってくる気迫といいますか、オーラが全く違うことに驚きました。

剣道は面で表情が見えないのにも関わらず、見た目から伝わってくる情報がとても多いことに驚かされました。

柔道着との違い

柔道の有段者は独特のオーラを身にまとっているものです、普段着では優しそうな方も、柔道着を着ると表情が引き締まって頼もしく見えます。

柔道を教えるおじいさん

おそらく強そうなオーラを感じる理由は表情や姿勢です、戦闘モードに入ると自然と戦いやすい姿勢になり、相手を威嚇するオーラを発するのだと思います、それが表情にあらわれるのだと思います。

そして強そうな柔道家の胴着の着こなしも様になっているものです、経験の浅い人の胴着の着こなしというのは、どこかしら頼りなさが伝わってきます、もちろん姿勢や表情からもうかがえます。

一方で剣道は表情から伝わる情報がありません、それにも関わらず、強さが伝わることに興味を引かれました。

私のように剣道を知らない素人の考えでは、姿勢がよくビシッと構えれば誰もがカッコよくなると思うのですが、試合中の姿勢や構え方だけではなく、試合の前から強さが伝わってくるのだそうです。

美は細部に宿る

一流の大工さんは粋な格好をしているものです、一流の料理人もカッコよく着こなしているものです、一流のプロ野球選手のユニフォーム姿もカッコイイものです。

どの世界でも真剣に仕事に向き合うと、その仕事の動作に適した格好に行き着くのだと思います、これに必ずしも正解があるのではなく、自分の得意な分野や動作に合わせた適切な格好や道具を身につけるようになります。

世界一の野球のバットなどありません、その選手にとって最高のバットがあるだけです、そのバットもその時々のバッティングフォームや筋肉量によって左右します。

大工さんの金づちや料理人の包丁も同様です、自分の手のサイズに合ったものが最高の道具です。

しかもそれらを使いこむことで、自分の身体に馴染ませていきます、バットのグリップにマツヤニを塗ってベストな握り具合に調節したり、包丁を研いだり、金槌の持ち手を削ったりして調節します。

もちろん道具だけではありません、それら道具を使用しやすい環境や格好も洗練されていきます、真剣に仕事に向き合うことで、それぞれのベストの状態に近づいていきます。

おそらく剣道も真剣に向き合っている方ほど、自分の動作に適した防具の大きさ、角度、位置になるのではないでしょうか、自分と向き合うことで洗練されていくのだと思います。

剣道の面をする男性

見た目だけをそっくりそのまま剣道の素人が真似をしても、体型も姿勢も筋肉量も構えも動作も違うのでしっくりきません、全く強そうには見えないのだと思います。

おそらく経験者であれば一瞬で見抜くのではないでしょうか、おそらく柔道家も素人が黒帯を巻いていても畳の上の姿を見れば一発でわかると思います。

人は見た目が9割と言いますが、外見から伝わる情報というのは本当に大きなものです。

外見と言っても容姿や洋服の着こなしだけではなく、髪型や表情や姿勢なども含めて外見です、面で表情がわからない剣道だからこそ、経験者は防具の細部の違いを感じ取ることが出来るのではないでしょうか。

身だしなみを整えないリスク

「人は見た目じゃない」

「中身が大事、外見は関係ない」

という意見も多いですが、このような事を本気で言っている方は、外見から中身を判断する基準を持ち合わせていないということでもあります。

剣道の素人が有段者の強さを見た目で判断出来ないように、柔道の素人が相手の実力を測れないように、新米大工が棟梁の凄さがわからないように、外見から伝わる情報を察知できない自分の未熟さを表している言葉でもあります。

プロ野球選手の凄さを知らない小学生は、平気で「プロ野球選手になりたい」と言えます、一方で自分の実力もプロの凄さもわかってきた多くの高校球児には言えません。

少年野球の男の子

「人は見た目じゃない」という方ほど、人の外見で左右されている可能性があります、外見からにじみ出ている内面の要素を感じ取れないので、むしろ上辺だけの外見に影響を受けてしまいます。

スポーツに限らず何かに真剣に向き合うと必ず上達します、上手く出来ない原因も見えてきます、改善を繰り返して成長していく過程で、その時々のベストを尽くします、それが外見にもあらわれてきます、にじみ出てきます。

真剣に主婦をしている奥様は美しいものです、旦那さんの健康の為に料理を工夫し、くつろげる空間の為に掃除をします、それらは奥様の健康の為にもなります、そして自然とエプロン姿も様になるものです。

外見が美しいというのは、容姿や髪型や洋服のことだけではありません、真剣に取り組んでいる姿勢が、生き生きとした表情になり、美しく感じさせてくれるものです。

逆に適当に家事をこなしている主婦に美は宿りません、お菓子を食べながらテレビを観て、同じような仲間と集まっては旦那の愚痴を言っています、どんどん体型も表情も悪くなる一方です。

もちろん人の中身も大切ですが、人は外見も大切です、外見から伝わってくる情報は膨大です。

外見の情報量

外見から伝わってくる情報というのは、過去の経験を元に振り分ける印象のことです、過去に苦手意識を持った方に近い外見をしていると、苦手な人だと振り分けます。

この経験は人によって違います、自分が太っている方は、初めて会った方が太っていても気にしませんが、努力して痩せた体型を手に入れた方は、太っている方に対して厳しい印象をもつことがあります。

暑くてうちわを仰ぐデブ

これは禁煙に成功した人にも多いです、やたらと喫煙者に厳しいのは、昔からタバコを吸っていなかった人ではありません、大抵は元喫煙者です。

人は誰もが外見で人を判断しています、美人やブ男ということだけを言っているのではありません、姿勢や表情、清潔感や格好などを含めて、過去の経験(匂いや声色も)を元に印象を振り分けます。

相手に好かれるかどうかは、相手の経験を元に判断されるので、100%正解などありませんが、少なくとも多くの方に嫌悪感を持たれる不潔な格好をしていては、一瞬で弾かれることを理解してください。

中身を正しく判断してもらう為にも、ある程度の外見を整えておく必要があります。

おそらく剣道でも素人丸出しの防具の身につけ方だと相手に舐められます、自信満々に攻められることになります、弱みを見せて油断させるなど現実的ではありません、相手が実力を判断出来ない未熟者にしか通用しません。

高級な防具や竹刀が偉いという意味ではありません、しっかりと自分の力と向き合って真剣に選んだ道具は、思い通りに操ることができるので美しく見えるものです。

小柄な主婦にベストな包丁と大柄な男性にベストな包丁が同じわけがありません、どんなに高級な包丁でも合わないものはあいません、洋服のブランドロゴや包丁の刻印に美が宿るのではありません、真剣に向き合った方の動作、所作、しぐさに美は宿ります。

まとめ 機能美

機能美という言葉があります、機能美とは、

建築・工業製品などで、余分な装飾を排してむだのない形態・構造を追求した結果、自然にあらわれる美しさ。

これは人間にも当てはまるのではないでしょうか、何かに真剣に向き合っている方は美しく見えるものです。

何かに真剣に向き合っていると表情が生き生きとします、少しでも良くしたい、質を向上させたい、成長したい、という想いが必ず外見にもにじみ出てきます。

サラリーマンのスーツ姿でも同様です、真剣に仕事に向き合っているサラリーマンのスーツがダサいわけがありません、これは高級なスーツという意味ではなく、営業で走り回っても皺になりにくい生地の選択や、季節に合わせた生地を真剣に選ぶということです。

革靴を適当に選んでいては靴擦れを起こしてしまいます、適当に鞄を選ぶと大事な書類がしわくちゃになります。

大事な契約書にサインをしてもらう時に、安物のボールペンを出すこともなくなります、相手への敬意が細部に宿るものです、身だしなみを整えるということは、自分の為だけではなく相手の為でもあります。

高級ボールペンでサインする男性

そして何かに真剣に向き合っていると、自分とは関係のないジャンルの方でも、外見から伝わってくる情報をキャッチできるようになります。

詳しく内容がわからなくても、人の外見から何となく本気度は伝わってきます、自信満々の姿勢から、楽しそうな表情から、良い仕事なんだと伝わってきます。

逆もしかりです、何となく怪しさや自信のなさも伝わってきます、相手に舐められたら正統な取引などできません、勝負事でも同様です。

真剣勝負をする為にも、正々堂々と中身(質)で勝負する為にも、身だしなみを整える必要があります。

これは詐欺師を見抜くことにも通じます、詐欺師の多くはパッと見の外見はいいのですが、必ず細部にスキがあります、真剣ではないので機能美がありません。

詳しくわからなくても、何となく伝わるものです、強そうな柔道家を見ると姿勢や表情から何となく伝わってきます、相手に「かなわない」と思わせたら、その時点で勝負はついています。

外見ばかりで中身が伴わないと詐欺師のような怪しさが出てしまいますが、真剣に向き合っていれば外見に相応しい中身が身に付くものです。

楽しいときに笑うように、笑っていると楽しくなります。

内面を磨いていると外見も磨かれます、そして外見を磨くことでも内面が磨かれます。

剣道の有段者の道具の手入れが適当なわけがありません、おそらく剣道の初心者も道具の手入れをすることで様々な学びがあります、道具のキズや特徴を知ることでしか学べないこともあると思います。

剣道の面と竹刀

そこで学んだことが道具の扱い方に活かれます、そして次の道具の購入時に活かされます、結果的に外見に影響を与えていきます、このように人間の外見にも機能美が宿るのだと思います。

表情が伝わりにくい剣道だからこそ、細部の違いを見極めるセンサーが発達していのだと感じました。

剣道の防具の身につけ方に詳しくないと、細か違いを分析することはできませんが、何となく伝わるものはあるものです、おそらく多くの方があらゆる人に対して感じとっていることです。

コンビニの店員、役所の受付、道路工事の警備員、真剣に向き合っている人とそうではない人は一瞬で見極められるものです。

何かに真剣に向き合っている方というのは、あらゆることに対して感じ取ることができます、部屋が汚れていると仕事に健康にも影響がでます、真剣に向き合っていることに影響がでることをおろそかにすることはありません。

食生活も身だしなみも洗練されていきます、真剣に向き合う対象に悪影響を及ぼす可能性があるものを排除します。

何かに真剣に向き合っている方は美しいものです、剣道の有段者のように機能美が宿ります、これはあらゆる分野でも同じです、改めてあなたが真剣に取り組んでいる事を見直してみてください、真剣になればなるほど、生活すべてのあらゆることが洗練されて美しくなると思います。