スーツ不要論?制服としてのスーツのメリット、デメリット!
スーツは不要?
今回は最近の若者のスーツ離れについての事について考察していきます。
マイナビニュースによるアンケート調査(男女300人)によると、「仕事にスーツは必要?」という問いに対し、
スーツの肯定派が 28.7%、否定はが64.3%、その他が7.0%と発表されていました。
六割以上の人がスーツに否定的だったようです。
正直、これはチャンスですよ。
それだけ多くの人達がスーツの魅力、メリットに気づいていません。
きちんとスーツと向き合うだけで、周りの適当なスーツの着こなしをしているダサい男性を出し抜くことができるという事です。
スーツをきちんと着こなす事より、カジュアルな洋服を着こなす方がずっと難しいことを理解していません。
そこで今回は改めてスーツの魅力、メリット、デメリットについて紹介します。スーツなんてダサいと決めつけている男性と差をつけてやりましょう。
スーツの魅力
学生時代の制服で考えるとわかりやすいのですが、取りあえず制服さえ着ていれば、それなりに見えるようになるものです。
これ実は凄く重要なことです。私服の高校に通っていた人と話すと「毎日何を着ていけば良いのか分からなくて大変だった」と言います。
私服は一見自由なようですが、毎日同じ洋服を着るわけにもいかず、さらにファッションセンスも問われます。鞄や靴まで考えるとなると、予算的にも厳しい学生には、かなりハードルが高いわけです。
ファッションに興味がない人ほど、決められた制服による底上げ効果で助けられています。
サラリーマンのスーツにも同じような効果があります、取りあえずスーツさえ着ておけば誰でもそれなりにはなるわけです。
考えてみてください。カジュアルな格好の営業マン、かなり難しいと思いませんか?
私服の銀行マン、相当ハードルが高いと思いませんか?大切なお金を預けるに値する人物に見えますか?
センスがもろに出るカジュアルな格好で、お客さんや取引相手からの信用してもらえる清潔感を出すことは、かなり難しい事です。
もちろん出来ないことはないですが、相当レベルの高いファッションセンスが要求されることになります。
スーツや制服のような洋服に好みは出ませんが、自由度が高いカジュアルなファッションというのは、相手の好みによっては避けられる可能性があります。
ファッションセンスが求められる美容師だと、お店の雰囲気の事も加味しなければなりません。自分の好みのファッションだけで通用するものではありません。
スーツや制服の魅力というのは、ファッションに興味がないレベルの人を一定のレベルまで引き上げてくれるだけでなく、相手からも嫌われないというメリットがあります。
スーツのメリット
他にもスーツにはメリットがたくさんあります。
それはだらしない体型を隠してくれるということです。
当ブログの他の記事でも度々紹介していますが、スーツ姿というのは、いわゆる中年のおじさん体型を上手に隠してくれるように出来ています。
(ジャケットをだらしなく着ると隠せませんが)
適度に張りのある生地で堂々とした胸のふくらみを演出し、お腹のふくらみをおさえ、目の錯覚を利用してスマートにも見せてくれています。
カジュアルなファッションで目の錯覚を利用するとなると、細かな計算が必要になるのですが、スーツには織り込み済みなので多くの男性の体型をスマートに見せてくれるメリットがあります。
さらに一般的な紳士服の量販店で売られているスーツは、耐久性や耐摩耗性も考えられています。
長時間着用しても皺になりにくい素材が使われており、毛玉も出来にくくメンテナンスが容易な生地が使われています。洋服のメンテナンスの知識がなくても清潔感を保ちやすいように考えられています。
一方でカジュアルなファッションは、そこまで考えられていません。生地よっては皺や毛玉ができてしまいますし、汚れが目立ちやすいカラーという事も珍しくありません。清潔感や誠実さを表現するのは難易度が高くなります。
そしてスーツはカジュアルな洋服のようにサイズがSMLのような大雑把なものではなく、体型別に細かくサイズ展開されています。
モデルのような引き締まった体型であれば、カジュアルな洋服のLサイズがピタリと合うかも知れませんが、一般男性の身体に合うとは限りません。むしろ似合う人の方が少数派です。
細かくサイズが分かれているスーツやワイシャツというのは、ファッションに興味がない男性でもフィットしやすいのですが、カジュアルなファッションほど相性を見極める能力が求められます。
当ブログではジャケパンスタイルを勧める事が多いのですが、これはスーツのように細かくサイズを合わせられるからであり、カジュアルなファッションの中でも難易度が低いからでもあります。
本当にスーツはよく出来ています。
ファッションに興味がないダサい男性ほど、実はスーツの恩恵を授かっているのに、全くメリットに気がついていないので、平気でスーツを否定するような事を言ってしまうものです。
もしスーツが不要になると、ファッションセンスの良い人と悪い人の差がますます広がることになります。
家ではダサいお父さんもスーツ姿はカッコいいということは珍しくありません。というか中年のおじさんの多くはそうだと思います。
スーツ不要と考えている若い世代は、よほど私服のファッションに自信があるのか、スーツの魅力に全く気づいていないのかに分かれるのだと思います。
スーツのデメリット
冒頭で紹介したアンケートで、スーツが不要と答えていた方の意見を紹介すると、
- 疲れる
- 窮屈
- 伸縮性が悪い
- 肩がこる
- 暑苦しい
- 通気性が悪い
などがありました。これらの意見が間違っているとは言いません。確かにそのようなケースがあると思います。
スーツはサイズ合わせを適当に済ませてしまうと、伸縮性がない生地なだけに窮屈になってしまう事があります。
洋服に無頓着な人ほど試着を適当に済ませてしまうので尚更です、大きすぎるスーツは身体にまとわりつく生地が増えて抵抗が増します。
さらに姿勢が悪い人にとってもスーツは相性が良くありません。試着室の前だけ良い姿勢でいても、普段の姿勢が悪いと生地が引きつって疲れてしまいます。
カジュアルなファッションだとサイズにゆとりがあるだけに、これらのデメリットが出にくい傾向があるのですが、きちんとスーツと向き合っている人にとってはデメリットになりません。
適当にスーツを選んで着ている人ほど、デメリットが引き立つことになります。
ですが、きちんとサイズ合わせをすることで着心地はかなり改善されます。ピチピチなサイズが良いわけではありませんが、スマートなスーツは皺も減って見た目の印象が良くなるだけではなく、着心地も良くなります。
実はスーツのような張りのある生地というのは、姿勢の乱れを気づかせてくれるので、自然と胸を張った男らしい姿勢を保ちやすいメリットがあります。
この必要性を感じない猫背の人にとってはデメリットになってしまいますが、仕事ができそうな誠実そうな人物像を演出する為には最高のアイテムです。
最近は伸縮性のある生地や通気性の良い生地のスーツも開発されているので、これらのデメリットも昔よりは少なくなってきているのですが、きちんとサイズを合わせたスーツをスマートに着こなす事で、大抵のデメリットは回避できるものです。
女性から見たスーツ
そしてスーツ肯定派の意見の中で気になったのが、女性の意見でした。
女性から見てスーツ姿の男性は「カッコいい」「男らしい」「頼もしい」「仕事が出来そう」など、スーツに対して概ね好印象の意見が多い傾向があります。
男性はスーツの機能性に対しての意見が多かったのですが、女性からはスーツの見た目に対する意見が多い傾向がありました。
女性は小さな頃から鏡と向き合ってきた経験が男性とは桁外れなので、ファッションセンスも比べものにならないぐらい差があります。
女性は洋服の見た目のバランス、ファッションセンスを見極めるレベルが、男性とはまるで違います。だからこそスーツを着ているだけで、ファッションに厳しい目を持っている女性に対して対応しやすくなります。
そして世の中の消費者の中心は、間違いなく女性です。
男性は商品の質やコストパフォーマンスを重視しますが、女性は雰囲気やバランス、見た目といった印象を重視します。
これは外食で考えると分かりやすいと思います。大雑把に女性が喜ぶポイントをあげると、お店の雰囲気や料理の見た目、盛り付けを重視する傾向があります。
一方で男性は店が多少汚くても、安くて旨いをありがたがる傾向があります。
男性はスーツのデメリットばかりに目がいきがちですが、女性は男性のスーツ姿のメリットを感じ取っています。
要するに男性のスーツは女性に嫌われにくいということです。
ファッションセンスが良い男性であれば、カジュアルな格好でも清潔感や誠実さを演出することが出来ますが、これはファッションの方向性や好みも含まれるので簡単ではありません。
たまに開き直って「俺は動きやすいジャージでいいんだ」という男性もいますが、仮に仕事が出来ても女性からは嫌われてしまいます。
誰も真似できないほどの圧倒的な仕事ができるのであれば、ホリエモンや本田圭佑のように突飛なことをしても周りが合わせてくれますが、一般の男性が同じような行動をとっても誰もついてきません。
スーツを着るということは「疲れやすい」というデメリットを差し引ても、あまりあるメリットがあります。何よりも女性に嫌われにくいという凄いメリットがあります。
その疲れやすいというデメリットも、きちんとスーツと向かって選ぶことで軽減させることができます。
私服は自由!?
自由という言葉の響きはいいですが、制限があるからこそ自由には選択肢が生まれます。
スーツ姿という制限があるからこそ、丁寧なサイズ合わせやネクタイやシャツなどの小物との組み合わせなどによって、センスの良さや個性を嫌味なく演出することが出来ます。
学生も学生服という制限があるからこそ、女子高生は必死に着こなしを考えて可愛らしさを発展させていきました。
スカートを短くしたり、靴下を変えたり、リボンの結び目をかえたり、あえて大き目のセーターやカーディガンを組み合わせたり、制服という制限があるからこそ考え出されたファッションです。
全く同じ制服というアイテムでも、着る人の技術やセンスによって印象は大きく変わりますし、これはスーツでも同じです。
ちなみに私の家の近くの高校は、数年前から終業式や卒業式以外は私服がOKになりました。初めの頃は私服姿の学生であふれて地元でも話題になったのですが、数カ月も経つとほとんどの生徒が制服に戻ってしまいました。
どちらでもいいのに制服を選んでいる生徒がほとんどです。男子生徒に限っていえば、ほぼ制服です。
自由というのは自己責任が伴うだけに、実力がない人にとっては無残な結果になってしまいます。
スーツや制服というのは実力がない人でもある程度のレベルに引き上げてくれるメリットがあり、その中からでも意識が高い人は違いを生み出せるので、わりと簡単に魅力を引き上げる事ができます。
ファッションセンスがない男性にとっては、いちからコーディネートを全て考えてレベルを引き上げるより、ずっと簡単に魅力を引き出しやすい洋服です。
自由というのは言葉の響きは良いものですが、想像以上に残酷で難しいものです。
まとめ、スーツの凄さ
スーツや学生服のように、制服というシステムは本当によく出来ています。
当ブログでは以前に様々な職種の制服について解説されている本を紹介した事があるのですが、
それぞれの仕事に合わせて最適な形に進化しており、汚れやすさやメンテナンスのしやすさなども考えられており、さらに初対面の人に対しても名刺代わりになってくれます。
ファッションセンスが高い男性であれば、自分なりに好きなファッションでも周りの人に上手くアピールできるかも知れませんが、制服さえ着ていれば誰もが一定のレベルにはなってくれるので、経営者側にとってもありがたい機能です。
スーツは長い服飾の歴史の中で男性を魅力的に見せるように進化してきたのであり、スーツほど多くの男性に魅力を引き上げられる洋服はありません。
動きやすいラフな恰好が悪いとは言いませんが、急な来客が来た時に失礼にあたるかも知れませんし、謝罪をするような場で軽薄な印象に映ってしまうかも知れません。
スーツはデスクワークの時は上着を脱いでネクタイを緩めることも出来ますし、手が汚れそうな時は腕まくりをする事もできますし、ネクタイ選びや腕時計といった小物で個性をアピールする事も出来ます。
もちろん女性受けも悪くないので、ファッションセンスがないという理由で嫌われる可能性も下げられますし、とりあえずスーツさえ着ていればそれなりに見えてしまうメリットもあります。
スーツは本当によく考えられているので想像以上に万能な洋服です。職場環境に合わせたよく出来た制服です。
スーツにも全くデメリットがないとは言いませんが、メリットに目を向けるとスーツの素晴らしさも見えてくるのではないでしょうか。
スーツほど身体のサイズに合わせやすい洋服はありません。モデル体型ではない多くの一般男性にとって最も似合う確率が高い洋服です。
スーツが嫌いな男性が増えていくほど、きちんとスーツを着用している男性の株が上がることになるので、個人的にはこの流れが止まらなくても良いのですが、オシャレになりたい男性は、しっかりとスーツと向き合ってみてください。
楽なファッションばかりを選んでいると、背中が丸まって皺だらけになっても気が付けないので、オシャレをしているつもでも似合っていないものです。
スーツと向き合う事で姿勢の重要性やフィットしている洋服の基準も構築されていくので、カジュアルなファッションを選ぶ時でもレベルが上がっていくものですよ。
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