「白衣の暗示」を理解するとオシャレの方向性も見えてくる

ファッションコラム

白衣の暗示とは?

たまたまあるお店の待合室で手に取った催眠術の本の中に、興味深い内容がありました。

それは「白衣の暗示」と呼ばれるもので、いわゆるお医者さんが白衣を着ている効果について解説されていました。

そもそも白衣は病院やお医者さんの清潔感を表すものであり、真っ白な白衣は掃除が行き届いている証でもあるのですが、それ以上に患者側は意味を受けっているようでした。

いわゆるお医者さんの権威的な象徴として、「白衣」を認識しています。

その認識が患者側の安心感につながり、実際に治療効果を引き上げるそうです。

まったく同じ治療をするにしても、皺だかけで汚い白衣のお医者さんより、ビシッとノリの効いた白衣を着たお医者さんの方が良いわけです。

これはプラセボ効果ともいわれるものなのですが、それを積極的に引き出すためにも「白衣の暗示」を大切にするべきだと解説されていました。

似たようなことだと、議員バッヂや弁護士バッヂになるでしょうか。たったそれだけで相対する人への影響力が増すということです。

プラセボ効果とは

プラセボ効果を簡単に説明すると、ある病気の患者に特効薬だと嘘をついて偽薬(砂糖を固めた錠剤など)を飲ませることで、実際に治療効果が出てしまう現象のことです。

これは本人の思い込みにより、身体の免疫力が高まって自己治療を促す効果があります。

「どうせプラセボ効果だろ」

と軽視する方も多いのですが、このプラセボ効果を積極的に引き出すことが重要だと、著者である催眠術の先生がお医者さんに指導しているのだそうです。

大学病院で様々な検査をした後に、研修医を引き連れた権威のありそうなお医者さんが、

「もう大丈夫ですよ」

と言うようなことです。患者側の安心感が一気に跳ね上がり(周囲の家族の安心感も含めて)、プラセボ効果をより引き出しやすくなります。

全く薬を街のお医者さんが投与しても効果に差が出るのは、このような圧倒的な権威による安心感があるからです。

逆に街のお医者さんが患者さんと親近感を持たせるために私服で診療してしまうケースがありますが、信頼関係を築けていない初対面の患者だと、安心感が得られなくて効果が薄まることもあります。

一方でいかにも怪しくて偽物だと思われてしまうと、科学的に効果が認められている薬ですら効果が出ないことがあるそうです。これをノーシーボ効果と言います。

このプラセボ効果は偽薬だけに働くものではありません。レストランでおいしい食事をしている最中に、不潔なコックさんが目に入ってしまうと、その瞬間に料理の味が落ちてしまいます。

正確には料理の味は変わらないのですが、食べている人の認識が変わるので美味しさが失われてしまいます。

逆に清潔感のある爽やかなイケメンのコックさんに、笑顔で挨拶されて料理の説明などを受けると、美味しさがアップするわけです。

お医者さんは治療という目安があるので、このような効果の結果がわかりやすいですが、実はこれらは一般の人のファッションにも当てはまります。

制服の効果

白衣に限らず、あらゆる制服にも同じような効果が期待できます。

職種によって制服の形は違いますが、基本的には仕事に適した服が制服になるので、その制服を身にまとうことで見る側に「白衣の暗示」のようなプラセボ効果を引き出しやすくなります。

大工さんのねじり鉢巻きや、威勢のいいラーメン屋さんが頭に巻くタオルもそうです。見る側に本物っぽいという認識が生まれるので、期待を膨らませてくれる効果があります。

参考大工、とび職の恰好に宿る機能美!

このように見る側にある認識(イメージ)によって、洋服やファッションアイテムが仕事の内容に大きな影響を与えます。

もう一度いいます。大きな影響を与えます。

「見た目は関係ない!中身で勝負だ!」という方もいますが、その自信満々な中身で勝負する前に、見た目でマイナス評価を受けてしまうと難しくなってしまいます。

「なんか匂う」

「なんとなく信用ならない」

といった印象を外見からもたれてしまうと、肝心の中身を正しく判断してもらえなくなってしまいます。

卵の殻も不自然に着色されると、不味そうに見えてしまうものです。

どんなに素晴らしい料理をつくることができても、店構えが汚いとお客さんは入ってきません。

この辺の線引きは難しいのですが、自分の基準ではなく、相手(客層や仲間や恋人)の基準に合わせることが上手なオシャレということになります。

あなたという素材を活かすためにも、まずはマイナス評価になる要素を排除してください。

マイナス評価も時代や文化によって左右されるので、必ずしも正解があるわけではありませんが、流行遅れだったり、不潔だったり、まるでサイズが合っていなかったりすると、これらのようなマイナス評価を受けてしまいます。

それらを排除したうえで、環境に合わせた「白衣の暗示」のようにプラス評価になるファッションを取り入れることが、上手なオシャレということです。

自分の好きなファッションをすることがオシャレなのではありません。自分という人間を的確にアピールできるファッションこそ、本当のオシャレです。

まとめ オシャレをする意味

オシャレをする意味というのは人によって違いますが、多くの男性は異性にモテたいからだと思います。

自分の好きな格好をすることが悪いとは言いませんが、個人的な趣向に偏ったオシャレは、多くの女性からマイナス評価を受けてしまいます。

これはドクロマークがわかりやすいと思います。一部の女性には好感をもたれるかもしれませんが、多くの女性にはマイナス評価を受けてしまいます。

自宅の部屋着であれば何を着てもかまいませんが、職場や仲間や恋人と会うときは上手に使い分けることが大切です。

逆にプラス評価を受けるオシャレを定義するのは難しいものです。

あえて定義するのであれば、あなたの好みの女性のタイプが好きそうな男性ファッションといったところでしょうか。

あなたの好みの女性がギャル系なら、あなたがオシャレでプラス評価を受けるのはギャル男のようなことです。

ギャル男っぽいファッションアイテムや髪型が、「白衣の暗示」の役割を果たします。

と言っても、ギャル男っぽいファッションで仕事が成り立つのは難しいわけです。ギャル男専門の洋服屋の店員であれば問題ありませんが、多くの仕事ではギャル男の要素がマイナス評価になってしまいます。

制服や髪型のセットであれば、仕事とプライベートで分けられますが、髪の色や日焼けした肌やタトゥーなどは、使い分けができません。

上手なオシャレというのは、この使い分けができるかどうかでもあります。

あなたにとっての白衣の暗示を意識して使い分けられるようになってほしいと思います。

職場はもちろん、プライベートでも意識してこれらを使い分けられると、あなたの素晴らしい中身を正しく評価してもらえる機会が増えると思います。

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