「人を外見で判断しない」という考え方が危険な理由!

ファッションコラム

人を外見で判断してはいけない?

人の内面が大事なのは当たり前ですが、だからといって外見を疎かにしたり、外見で人を判断する基準を持ち合わせていないと、外見による影響力を正しく判断できなくなってしまいます

外見による影響力を理解している人というのは、その評価を差し引きして内面を推し量る事ができますが、そこに意識が向かない人ほど、実際には外見によって左右されてしまいます

外見で人を判断する事を嫌う人というのは、容姿やスタイルばかりを問題視している傾向があるのですが、外見というのはファッションや髪型といった選択できるものも含まれますし、姿勢や表情といった態度もコントロールする余地があります。

これらも含めて外見であり、そこにこそ様々な内面の情報(考え方)が溢れ出ています

美人やイケメンのような外見の良さが有利に働く事は間違いありませんが、そこだけではないという事も理解してください。

それらの情報を的確に察知できない人ほど、外見による影響を受けやすくなるので危険です。

子供は純粋

様々な人生経験を積んできた大人であれば、いかにも怪しげな人物を外見から見抜く事が出来ますが、経験が乏しい小さな子供ほど、そのような人物を外見から警戒する事ができません。

目つきや態度が怪しい不潔な男性が公園にいると、母親が警戒するのは当然の事です。

人生経験の乏しい子供に「人を外見で判断してはいけません!」と教えると危険なので、「知らない人についていったらダメよ!」と教えるのは間違っていません。

もちろん外見だけを取り繕った内面がダメな奴もいますが、それを見極めるレベルにも差があります。

スーツが似合っていなかったという理由で振り込め詐欺を見抜いたようなケースがあるように、

外見から伝わってくる情報を的確に察知できないと、危険を察知する事もできなくなってしまいます。

外見から判断する能力が乏しいと、髭を生やした風呂敷を背負っている泥棒ぐらいしか見抜けないかも知れませんが、知識があるとスーツの人がスニーカーを履いていると危険信号がともります。

お洒落の為のあえてのスニーカーというケースも考えられますが、それこそ全体のファッションのバランスを見れば直ぐに分かります。

お洒落な人がする外しのテクニックや抜け感というのは、大きくバランスが崩れないものですが、ただの手抜きで同じような事をすると、違和感満載になってしまいます。

お洒落な無精ひげはバランスが取れているように、無精者の伸びたひげとは全く違います。

これらのように外見から判断する能力が乏しいと、相手の内面を正しく見極める事が出来ません。

恋は盲目

はたから見ると、明らかに不幸になるであろう外見の男性に惚れてしまう女性がいるものですが、当人は恋に酔って盲目になっているので、外見から正しく判断できなくなってしまっています。

周りの人からの説得をよそに、

「本当は優しい人なのよ」

と聞く耳をもたなくなってしまうのですが、別れた途端に、

「なんであんな奴と付き合っていたんだろ・・・」

と冷静に判断できるようになります。

あんな奴と想像できる情報が外見に溢れ出ているのに、それを正しく判断できないと余計なリスクを背負う事になってしまいます。

強面な男性に少し優しくされると、それまでの不安だった感情からのギャップが大きいだけに、凄く優しい男性なのだと勘違いしてしまう女性もいるのですが、これこそが外見による影響力を正しく判断できなかった結果であり、それを巧みに利用する為に強面になりたがる男性も存在します。

生まれ持った容姿による強面と髪型やファッションで作られた強面は別なので、それらを分けて考えられないと本質を見誤ってしまいます。

わざわざ強面に寄せている人というのは、外見でマウントを取ろうとしているのであり、気弱な人にとっては良いのかも知れませんが、相対する立場からすると差し引いて考える必要があります。

広告やパッケージ

外見ではなく中身で判断するのであれば、商品のパッケージや広告に影響されないはずですが、実際には多くの人がそれらの影響を受けてしまっています。

大企業ほど商品開発費よりも広告宣伝費を投入するのは、それだけ外見やイメージで判断する人が多いからです。冷静にその物の機能、役割を期待して選んでいる人は決して多くありません。

お土産物の食品などが分かりやすいのですが、地元の人はまず購入しないものばかりです。余計な装飾や情報に価値を感じないので、同程度の物なら地元のスーパーで安く購入しています。

冷静に中身の質を判断できれば、外見による影響力を差し引いて判断する事ができますが、誰もが地元の人のように知識があるわけではないので、外見によって影響を受けてしまいます。

またお土産物を貰った側も外見による影響力に左右されます。ハワイに行った人から地元に愛されている簡素なパッケージのチョコレートを貰うより、やはりハワイっぽい雰囲気のパッケージのマカデミアナッツの方が嬉しくなります。

チョコレートが大好きな人であれば、冷静に味で判断できるのかも知れませんが、多く人は味よりもハワイっぽさに魅力を感じます。

中古のiPhoneは箱の有無で価格が変わりますし、虎屋の羊羹は箱の質で価格が大きく変わります。

これらのように外見による影響力は決して少なくありません。知識がない分野ほど影響力が高まってしまいます

食品であれば試食のように中身を確かめる機会もありますが、流石に人間を試食するわけにはいきません。

試食をする前に外見でしっかりと判断できないと、危険人物を引き入れる事になってしまいます。

その為のスキルとして有効なのが、人を外見から判断する能力です。

外見からその人の内面を完璧に判断できるわけではないのですが、外見から人を判断する基準を持ち合わせている人ほど、多くの情報を得て参考にする事ができます。

逆にそのような知識を持ち合わせていない人ほど、外見によってかさましされた情報をそのまま受け取ってしまう危険性があります。

成功者ほど身なりを気にする理由

成功者と呼ばれる人やお金持ちの人ほど身なりを気につかうものですが、これは単純に人を見極める経験が豊富だったからです。

有象無象の人物を判断してきたので、外見から察知できる情報量が研ぎ澄まされています。

容姿が良いだけで中身がまるでダメな奴もいますし、面接で小奇麗な恰好をしていても、靴が汚れていたり、仕草が雑だと取り繕ってきただけだと見抜いてしまいます。

よく足元を見るなどと言いますが、靴は扱い方によって直ぐに汚れてしまうので、その人の内面を良く表しているものです。

そのような外見から判断できる経験があるだけに、自分も相手から外見で判断される事を理解しているので、外見を疎かにするような事がありません。

逆に言えば、「人は外見じゃない!」という人ほど、その能力がないと自己申告しているようなものです。

外見を正しく判断できないからこそ、高価なブランド服や容姿といった分かりやすい違いしか気づけません。

お金持ちや経営者ほど身なりに気をつかうのは、自分も含めて外見による影響力を理解しているからです。

日本の法律では社員を簡単にクビには出来ません。ダメだった奴をやりがいのない部署に移動させたり、窓際に追い込んで自ら辞めさせるように促す事が多いのですが、それだけクビにする事が難しいわけです。

そのような苦い経験があるからこそ、事前に危険な人物を招き入れない為に、外見から内面を推し量る能力が研ぎ澄まされていきます。

どんなに容姿が良くても接客業の面接で目を合わせられないような奴は向いていませんし、清潔感のない恰好の奴は論外です。

面接の時ですら身なりを取り繕う事が出来ない奴が、仕事中に出来るようになる可能性は低いです。

新入社員であれば指導によって改善する余地がありますが、ある程度の年齢になって身なりに気を使えないような奴を、初対面で招き入れる人は滅多にいません。

事前にその人の内面を知るような機会があれば、また別の判断基準を用いる事ができますが、履歴書だけでは分からない内面の情報を察知するには、外見は大きな判断材料になります。

内面が表れている外見

人を外見だけで判断するのを嫌う人は、ここを勘違いしている事が多いのですが、外見というのは容姿やスタイルだけでなく、選択やコントロールできる余地と、どう向き合ってきた人物なのかを見極めているのであり、そこにこそ、その人の内面の情報が溢れ出ています。

外見から内面を推察できない人ほど、「人を外見で判断するな!」と声高に叫ぶ傾向があるのですが、それは単純に知識や経験が乏しいからです。

私自身もファッションに興味をもつ前は、外見から判断する材料を持ち合わせていなかったので、分かりやすい表情や態度や身なり(怖そうな恰好や不潔)でしか判断できませんでしたが、それなりに経験を積んだ現在であれば、かなりの事が推察できるようになりました。

真新しいTシャツなのに襟がヨレていると雑に脱いでいる事が分かりますし、白いシャツが薄汚れていると適当な洗濯をしているのが分かりますし、高級ブランドの洋服でも所作が雑だと見た目だけの軽い奴だと分かります。

パッと見だけ取り繕い、肝心の中身をおざなりにする人物なのだと、外見から簡単に推測できます。

逆に少し毛羽立っている古い洋服でも丁寧に扱っている事が分かったり、安い革靴で細かな皺が目立っていても綺麗に磨かれていると好感をもちますし、靴を脱ぐ時に雑に擦り合わせた傷がないと、見えない箇所にも手を抜かない信用のおける人物だと判断する事ができます。

ファッションの知識がある人は、身なりからその人の部屋の散らかり具合を容易に想像する事ができます。

芸能人などのお宅訪問などでも大抵はイメージと一致します。普段はスタイリストが用意している小奇麗な洋服を着ていても、洋服の扱い方や着こなし方が雑だと簡単に見抜く事ができるものです。

もちろんこれはファッションに関する知識だけでなく、過去の経験も含めて頭の中にデーターベースが出来上がっているからでもあるのですが、その精度は経験を重ねる毎に研ぎ澄まされていきます。

髪に関する知識が豊富な美容師であれば、髪の状態でシャンプーの質やドライヤーの習慣など、生活スタイルまで推察できるかも知れません。

和食の料理人なら盛り付けだけでなく、食材の状態(煮崩れなど)からでも丁寧な仕事が伝わってきたり、手を抜いた事も丸わかりなのかも知れません。

私の高校時代の野球部の監督は、私のグローブの形のクセからキャッチミスしやすい原因を見抜いてしまいました。そのクセが出ない握り方を教わると、見事にエラーが減って感動したものです。

車に詳しい人なら車種だけでなく、車高を落としたりホイールを替えている事から様々な事を推察できるものです。

いかにも怖い人が乗っていそうな黒塗りのベンツであれば、多くの人が近寄らないような判断をする事ができますが、車に詳しい人であれば、軽自動車のダッシュボードの上に缶詰の芳香剤が並んでいるだけで、「ヤンキーだな」と判断できるものです。

誰もが詳しい分野の事であれば、外見から受け取れる情報量が増えるのはイメージできるのではないでしょうか。

人の外見から判断できる情報量といったものも、人によって得られる情報量が全然違います。この違いを理解していない人ほど、外見で判断するなと主張してしまうのですが、それは要するに自分の判断基準が未熟である事をさらけ出している事になるので気をつけてほしいと思います。

まとめ 人を外見で判断しないのは危険!

外見を整える事というのは、魅力を引き上げるという事よりも、損しない事の方が重要です。相手の基準に弾かれてしまうと、正しく内面を判断してもらえません。

「その相手の基準が間違っているんだ!」

と考える人もいるのかも知れませんが、相手は相手で過去の経験を元に判断基準が構築されているので、そこを指摘しても仕方がありません。本当に相手に受け入れてもらいたいのであれば、相手に合わせる方が得策です。

好きな女性に気に入られたいのであれば、自分の個性を押し出すよりも、相手の好みに合わせた方が得策なように、自分を押し通す事で上手くいくのは、よほどのイケメンや天才やお金持ちのように、何かしらの強い武器を持ち合わせている人だけです。

私も含めて多くの一般男性はそのような強力な武器を持ち合わせていないだけに、外見で損するような事はするべきではありません。

ファッションや髪型やメイクの選択といったものにも内面がよくあらわれていますし、態度や表情や姿勢といった要素からでも様々な事が分かります。

「俺はファッションに興味がないから・・・」

といった男性の外見からでも、きちんと清潔感は心掛けているとか、TPOに合わせる感性は持ち合わせているとか、積極的に流行は追わないが周りに合わせる事は出来ているとか、様々な違いを外見から感じ取る事ができます。

全くファッションに興味がない男性でも、まるでサイズが合っていない適当な服だったり、ろくなメンテナンスをしていなかったり、バランスが酷いコーディネートだったりと、かなりのレベルの差があります。

外見から人を判断する事ができないと、これらの違いを見抜く事ができないので、後々問題になる可能性も高まってしまいます。

外見というのは容姿やスタイルの事だけでなく、選択やコントロールできる箇所からその人の内面がよくあらわれているので、それらを軽視していると、いつまで経っても外見で判断されて本当の内面を見てもらえません。

人は中身が大切なんて当たり前です。

ただ本当に中身が優れている人というのは、相手を不快にさせるような外見はしません。経済的な理由で難しいとしても、自分なりに選択できる箇所はきちんとコントロールしています。

相手の事を無視して自分よがりな恰好をしておきながら、「外見で人を判断するな!」というのは、少し自分勝手なのではないでしょうか。

もちろん生まれ持った容姿やスタイルの問題もあるので、何から何まで理想的な外見に改善できるわけではありませんが、改善しようと努力している事は相手に伝わるものです。

知り合いにいつも笑顔でいる素敵な男性がいるのですが、ある時に

「○○さんっていつも笑顔ですよね!」

と言うと、

「オレの顔、気を抜くと怖いんだよ」

と真顔になると本当に凄みのある怖い表情になってしまい、反応に困ってしまったのですが、

「な?だから笑ってんだよ」

と再び最高の笑顔になってくれました。

この人のように外見をコントロールする余地があるのに、ぶっきらぼうな表情のまま、受け入れない周りのせいにするのは違うのではないでしょうか。

髪型やファッションで強面に寄せていく男性もいますが、それで周りの人から避けられると文句のいうのはお門違いです。

もちろん生まれ持った容姿やスタイルだけで判断されるのは悔しいものですが、これだって職種によっては仕方がない事です。

ファッションモデルやアイドルになるのに外見で判断するなとは言えませんし、葬儀屋の人が満面の笑みを浮かべていても向いていません。向き不向きがあるのは仕方がない事です。

外見で人を判断するというのは、この向き不向きとは別にコントロールできる余地のところでもあるので、そこは分けて考える必要があります。

ファッションや髪型の方向性で印象は大きく変わりますし、髭剃りや爪切りや鼻毛処理といった事を心掛ける事でも外見の印象は大きく変わります。

ろくにそれらと向き合う事なく周りのせいにしていると、いつまで経っても外見で判断され続けてしまうので気をつけてください。

大切な中身を正しく判断してもらう為にも、多くの人から外見で弾かれてしまう要素は排除するべきです。

スーパーで売られているトマトを選ぶにしても、誰もが形や色つやが良いものを自然と選ぶように、外見の影響力を軽視するべきではありません。

実際には甘くて美味しいトマトだとしても、土で薄汚れているものは避けられてしまいます。生まれ持った要素(トマトなら品種)を変える事はできませんが、綺麗に拭いたり傷をつけないように運搬する余地はあるはずです。

ちなみに人を外見で判断する能力を磨くのに一番良い方法は、鏡の前で自分の外見と向き合う方法です。

自分を客観視できるようになると、コントロールする余地が見えてくるので、どんどん細かな違いが分かるようになりますよ。

自分の声を録音した音声や映像を見ると、想像していたのと違う事があるように、多くの人が自分を客観視して判断できていないので、まだまだ改善の余地があります。

日々自分の外見と向き合う事こそが、他人の外見から内面を判断する基準を構築する事になるので、まずは鏡の前で自分と向き合ってみてください。

表情だけでも大きく印象が変わりますし、姿勢の良しあしによって洋服のフィット感が変わったり、フケが目立つ生地の色などにも気づけるようになるので、どんどん洗練されていきますよ。

本当に素晴らしい内面の持ち主をいち早く気づいてあげる為にも、普段から自分の外見と向き合って経験を積み重ねてください。

人を外見で判断しないなんて、凄くもったいないですよ!

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