ベルトが曲がってしまう理由!対処法はなくはないが・・・

ファッションコラム

ベルトが曲がる理由とは?

昔はベルトが曲がることなんてなかったはずなに、何故だか最近のベルトはよく曲がってしまう・・・なんて思ったことがありませんか?

曲がった革ベルト

別にこれはあなたが悪いわけではないありません。当然ベルトが悪くなったわけでもありません。

ベルトが曲がりやすくなった理由というのは、ズボンのシルエットの変化したからです

ここ10年ぐらいでメンズファッションのズボンの形が、少しずつ変化していきました。スーツのズボンだけではなく、カジュアルなジーパンやチノパンのシルエットも大きく変化しています。

ズボンの進化

ズボンのシルエットがどう変わったのかというと、特に股上が浅くなりました。

股上が浅くなると視覚的に足が長く見えるようになります。ベルトの位置が下がって胴が長く見えるので、足が短く見えそうなものですが、実際に見比べてみると違いは歴然です。

WS000002 引用元:http://jcrewshopping.jugem.jp/?search=

特に女性のズボンのシルエットの変化が著しいです。股上を浅くすると足がセクシーに見えるようになる半面、しゃがんだ時に後ろから下着が見えるようになってしまうようなケースもあるほどです。

WS000001 引用元:http://www.gmo-toku.jp/index.html

一流ブランドのきちんとデザインされたジーパンであれば、立体的に裁断、縫製されているので股上を浅くしながらも後ろ側を上げているので、股上が浅いデザインのズボンでも、しゃがんだ時に後ろから下着が見えることは少ないのですが、パッと見の形だけを真似たメーカーのものだと、しゃがんだときに下着をさらけ出してしまうことになってしまいます。

正直、男性から見てもあれはセクシーではないですよね。

一方で男性のズボンの場合は女性ほどせめたデザインは少ないですが、足を長く見えるように少しずつシルエットが見直されてきました。

下の商品は同時期に売られているユニクロのズボンです。

WS000004 WS000003 引用元:http://www.uniqlo.com/jp/store/feature/uq/jeans/men/

股上の深さが全然違うのがわかると思います。ユニクロの中でも若者がターゲットのズボンと年配の人向けのズボンでは、デザインやシルエットが大きく違うものです。

このようなズボンのシルエットの変化が、少しずつスーツのような紳士服にも取り入れられていったので、ベルトを締める位置が下がり(股上が浅くなり)、相対的にお尻側が上がったので、ベルトに皺寄せがいくことになりました。

これが昔に比べてベルトが曲がりやすくなった理由です。

他にもデスクワークが増えていることも関係しているのですが、基本的には避けることが出来ない問題です。

一部のメーカーではズボンの後ろ側にプリーツを設けてベルトが曲がらないフィット感を実現しているものもあるのですが、

これはどちらかと言えば作業着としての機能なので、お洒落として着るタイプの洋服ではありません。

最近のスマートなシルエットのズボンでも、きちんと立体的に生地が裁断されていたり、縫製の技術があるメーカーのものだと、ベルトの曲がりも少ない傾向があるのですが、だからといって全く曲がらないわけでもありません。

新しい真っ直ぐのベルトを身につけると、どうしても後ろ側のベルトループに引っ張られて曲がってしまうのは、ある程度は仕方がない事です。

ベルトを曲げない対処法

このベルトが曲がることを嫌がって、ベルトを曲げない方法というものがあります。それは「逆向きにベルトをする」という方法です。左から通していたベルトを右から通すということです。

単純にベルトが逆側にも曲がるので、「プラスマイナス0」ということらしいです。

ですが、実際にやってみると綺麗にプラスマイナス0になるわけでもなく、ベルトがクネクネになってしまうことが多いです。頑固な曲がり癖がついてしまった場合は、この方法で真っ直ぐに戻すことは難しいです。

他にもベルトを曲げない為に、あえてズボンの後ろ側のベルトループに通さないといった対処法もあるのですが、これも見た目のバランスが悪くなってしまうのでおすすめしません。

ズボンによってベルトループの数や位置が違うので、たまに通し忘れている人を見かける事がありますが、そのようなちょっとしたスキがいくつか重なってしまうと、一気にズボラな印象に映ってしまいます。

お洒落なファッションというのは、何か特別なアイテムを身につけていたり、個性的な目立つ要素があるからではなく、むしろ違和感がないからこそバランスが良くなって好印象になるものです。

全ての女性にモテるお洒落なベルトがあるわけでもなく、むしろ主張の強い個性的な要素というのは、相手の好みによってはマイナス評価になってしまいます。

一方でこれといった主張のないシンプルなベルトでも違和感なく収まっていると、誰らかも嫌われる事がありません。

ただし極端に汚れていたり、それこそ目立つほど曲がってしまっていたり、深い皺が刻まれて革が剥がれてしまっているような要素があると、清潔感が失われて違和感が出てしまいます。

ベルトを反対向きに通したり、ズボンの後ろのベルトループに通さないような事も、この違和感につながる可能性があるので、お洒落という意味ではお勧めできません。

重要なのは誰にも違和感を与えないスマートな着こなしなのであり、これが理解できると曲がってしまったベルトの対処法の方向性も見えてくるのではないでしょうか。

根本的なベルト対策

ベルトが曲がってしまう対処法として私がおすすめするのは、きちんとメンテナンスをする事です。

一般的な男性向けのベルトの多くは革で出来ているので、革靴と同様に毎日酷使していると皺がよって形が崩れてしまいます。

革靴に出来てしまう皺を放置していると、どんどん皺が深くなって表面の革が剥がれてしまうのですが、着用後にシューキーパー(靴用のハンガー)に入れて靴磨きといったメンテナスをしていると、皺が深くならずに剥げてしまう事もなくなります。

革のベルトの曲がりや皺も同じであり、深い皺が出来てしまっている状態で放置してしまうと、一線を超えたタイミングで剥げてしまいます。

といってもベルトは革靴ほど傷むわけでもないので、あまり難しく考えなくて良いのですが、着用後はベルトが売られている時のように吊るして保管するようにしてください。

ベルト売り場

ベルト自身の重みでクセを多少は戻すことが出来ます。またベルトの多くは革なので、革靴と同じようにたまに油分を足してお手入れしてあげる事で、革を良い状態に保ちやすくなります。

また革靴と同様に毎日同じベルトを着用しないでローテーションさせる事も、ベルトの寿命を延ばす事につながります。

仕事用のスーツに合わせる黒いベルトであれば、同じような物を2本用意して日替わりで使う事で、少しは曲がり具合が抑えられますし、寿命も飛躍的に伸びてくれます。

ベルトをメンテナンスしたところで、ベルトが曲がってしまう原因を完璧に避けられるわけではないのですが、自分の体型に合わせて曲がってフィットしやすくなったベルトを長く愛用する事になるので、結果的に違和感の少ないスマートな着こなしになってくれます。

まとめ メンテナンスが一番の対処法

ベルトが曲がってしまう理由というのは、ズボンのシルエットの変化なので私自身はそれほど気にしていません。

むしろ新しいベルトをつけると硬さが気になってしまうので、自宅の中で座りながら着用して積極的に曲げてしまいます。

良質なベルトほど硬い革が使用されているので、馴染むのに時間が掛かるのですが、それだけにそこから寿命は長いので、フィットしたベルトでスマートな着こなしになってくれるものです。

最近は予めカーブをつけたベルトも売られているので、どうしても突っ張りが気になるという人は検討してみる価値があると思います。

ただし、一般的なベルトと比べてかなり高価なので、誰にでもお勧めできるものではありません。

一般的なベルトでも徐々に自分の身体やズボンに適した曲がりがついていくので、適切なメンテナンスをしながら育てていくぐらいに考えてほしいと思います。

私は自分の体型に合わせて曲がってくれたベルトが愛おしいので、ベルトの曲がりを受け入れています。

真ん中のベルトはあるブランドのベルトで1万円以上したのですが、初めはかなり硬い革だったので使い心地が悪かったのですが、しばらく使い続けていくうちに硬さが取れていき、購入してから8年ぐらい経った現在では、最もフィットするベルトに成長してくれました。

ただし、メンテナンスを怠ると曲がり過ぎて皺が深くなってしまったり、コバ(ベルトのサイド、縁)の処理が剥げてしまったり、縁取りの縫製がほつれてしまう事もあるので、適切にメンテナンスしてあげる必要があります。

その為には吊るして保管する事が大切なので、適当なフックにベルトのバックルを吊るするか、ベルト専用のハンガーを用意しましょう。

ベルトハンガーはそれほど高い物ではないですし、そうそう買い替える物でもないので一つあると便利だと思います。ネットなら格安でいくらでも見つかります。

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現物を確認したい人は東急ハンズがお勧めです。結構な種類が売られていました。ドン・キホーテやホームセンターのようなところにも売られているのかも知れませんが、どこのコーナーに属するものなのか分かりにくいので、意外と見つけるのが難しいアイテムです。

ベルトの革のメンテナンスは、たまに汚れを拭き取って革用の油を塗り込む事が理想ではあるのですが、面倒な人は手で軽くベルト全体を撫でるだけでもOKです。

過酷な環境に晒される革靴だと、丁寧にブラシで汚れを落としてからメンテナンスをする必要があるのですが、同じ革製品でも財布は長持ちするものです。

この理由は財布は手で触れる機会が多いので、自然と油分が補われるからです。

これは私が革の財布を購入したブランドの店員さんに教えてもらった事なのですが、人間の肌から出ている僅かな油分でも革製品を保つには十分なんだそうです。

「そんなワケがあるか!」と思う人は、スマホの画面をよく見てください。手の脂だらけになっているはずです。ティッシュで綺麗に拭いても、使うそばから脂ぎっていくのがわかると思います。

革靴は頻繁に手で全体を触れるような事はありませんし、汚れや傷もつきやすいので靴墨で保護する必ようがあるのですが、財布のような革小物だと普通に使っているだけで良い状態が保てるように、革のベルトも着用後や着用前に全体を手で撫でつけてあげるだけで油分を補う事ができます。

目立った汚れがある場合は適当な布で拭き取ったり、革用のウェットティッシュなどで拭き取ってほしいのですが、ベルトはそうそう汚れるものでもないので、必ずしも必要な工程ではありません。

ダイソーの靴クリーナー

ベルトのバックルの隅が汚れている事もあるので、年に一度ぐらいは拭いてあげてほしいのですが、普段のメンテナンスとしては手で触れて吊るして保管するだけで十分です。

もちろん本格的な革製品のメンテナンスのように、革用の油分を足すのでも良いのですが、その場合はきちんと拭き取ってください。少しでも残っているとズボンを汚す事になってしまうので、丁寧に拭き上げる必要があります。

塗った後に丁寧に拭き取っても、時間が経つと余分な油分が浮き出てくるような事もあるので、時間を空けながら何度か拭き取る必要があります。

特に縁が縫い付けられているベルトは要注意です。細かな溝に油分が残りやすいので、かなり丁寧に拭き上げなければなりません。

むしろ手の脂を移すぐらいの方が多くの人にとって煩わしくないと思うので、ベルトを使う前や使った後に軽くベルト全体を手で触れる習慣を身につけてほしいと思います。私自身もこの方法とベルトハンガーだけで良好な状態を保つ事が出来ています。

手が乾燥している人は皮脂の多いおでこや鼻にでも触れて、手のひら全体に馴染ませてからベルトに触れてください。特に曲がってしまっている箇所や皺が多い箇所は丁寧に触れ、周辺まで含めて馴染ませましょう。

ちなみにこの自分の皮脂を使うテクニックは、自分の肌の乾燥にも使えますよ。手の指の間の水かき部分が白く乾燥している人は今すぐ試してみてください。たちまち潤って良い状態になるはずです。

自分の油分なので全く副作用もありません。膝や肘の乾燥にも使えますし、爪も綺麗になってくれます。余計な保存料や着色料や香料が入っている保湿クリームより、ずっと安全で効果的ですよ。

ちょっとベルトから話が逸れてしまいましたが、ベルトを曲げない為の対処法というのは、股上の深い昔っぽいシルエットのズボンを選ぶか、きちんと立体的に作られている良質なズボンを選ぶぐらいしかありません。

どうしても許せない人は予め曲がっているベルトを購入するか、サスペンダーにするか、ズボンの後ろ側が伸びる物を選ぶのも良いとは思いますが、個人的には自分の体型に合わせて曲がってくれたベルトを大切にしてあげる事の方が、お洒落にとっても有効だと思うので、よかったら今回紹介したベルトのメンテナンス方法を取り入れてみてください。

乾燥している革はどんどん傷んでしまいますが、小まめに油分や水分が補給されている革というのは良い状態を保ってくれるので、少しずつ曲がりながら身体にフィットしてくれたベルトを大切に扱う事で、最高のパートナーに成長してくれますよ!

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