腕時計の位置がずれる原因は相性!?ベルト調節で対策しよう

ファッションコラム

腕時計の位置がズレる原因

先日、知り合いが有名なスイスの腕時計を購入したとのことで、自慢げにスペックやら金額やらを語っていたのですが、残念なことにその腕時計の位置がズレてフィットしていませんでした。

本人は満足気に話しているので、あえて指摘するのは避けたのですが、彼の話を聴いている内に腕時計の位置がズレている原因がわかってきました。

その高級腕時計はネットで探して最安値で購入したらしく、しかもメタルブレス(金属のバンド)の調節を自分でおこなったそうです。

メタルブレスの調節をするには専用の工具が必要なので、多くの人は腕時計を購入したお店で調節してもらうのですが、道具を持っている人は自分で調節することも出来なくはありません。

おそらくですが腕時計の位置がズレている原因は、この調節が失敗しているからです。

よく腕時計のバンドの調整として、指一本分の隙間をもたせるのが理想と言われていますが、指一本と言っても人差し指と小指では違いますし、指の縦と横でも随分と違うものです。

また腕時計本体の重量や形状やバンドのタイプによってもフィット感に差があるものです。基本的に手首が細い人ほど、指一本分は余裕があり過ぎてズレやすくなってしまいます。

そもそも身体の大きさや手首に太さに合っていない大きさの腕時計だと、位置がズレていなくても似合わないものですが、

極端に大きさのバランスが悪くない腕時計でも位置がズレてしまうという人は、ベルトを調節を見直すことで解決する場合があります。

メタルブレスの調節

メタルブレスの幅を調節する時は、時計の針でいうところの12時側と6時側の左右のバンドの幅で調節するのですが、これが適当だと重量バランスや手首の形に合わなくてズレやすくなります。

単純に長さだけの問題ではありません。同じ長さでも12時側と6時側のどちらを調節するかで、幅の広いバチッと留めるバックルの位置が変わります。腕時計の本体と相対する手首の内側のバックルの位置が変わるということです。

メタルブレスの高級腕時計

左右対称に全く同じ幅が理想ではあるのですが、その状態で少し緩い場合、どちら側だけを短くする必要があります。

この時に相性があります。バンドの12時側と6時側のどちらかを短く(長く)した方が相性が良いかを見極めてください(6時側が多い)。

お店で調節してもらう場合はバランスをとってもらえると思います。自分で調節できる人は、どちらも試して相性の良いバランスを見つけてください。このバランス調整でバックルの位置が落ち着き、腕時計本体のズレも解決する事があります。

革のベルトの調節

革のベルトの調節はそれほど難しくありません。少しきつめの穴に通せばズレることはありませんし、徐々に革が伸びて馴染んできます。

革ベルトの腕時計

革は圧力が加わると徐々に伸びていきますが、刺激が少なくなるとその状態をキープするようになります。フニャフニャに柔らかければいいわけではなく、頻繁に刺激がある箇所だけが柔らかくなり、そうではない箇所は張りを保ってくれます。

これが革が馴染むということです。硬い革ほど体型に合わせてフィットしてくれます。張りを失った革や布のベルトでは、このようなフィット感はありません。

革のベルトでも締め付けられるのがイヤで緩めにするケースがありますが、それだとズレた位置に合わせて革が馴染んでしまい、ズレた位置をキープしやすい状態になる可能性があるので、特に使い始めは緩すぎにならないように気をつけてください。

これは革靴をイメージするとわかりやすいと思います。靴紐も結ばずに緩めに履いていると、どんどん履き口が広がって型崩れてしてしまうような事です。

また革のベルトの腕時計がフィットしない場合は、交換するのも一つの選択肢です。

基本的に腕時計のベルトがズレやすい人は手首が細いです。細い人ほど少し短めの革ベルトに交換するとバランスがとりやすくなります。

革のベルトも穴を通す位置、バックルの位置が手首の内側の中心に来るのが理想です。

腕時計のベルトのバックルの位置

今現在使用している革ベルトのバックルの位置を確かめ、その革ベルトの長さを測ってください。

特にバックル側(12時側)のベルトの長さが重要です。バックルの中心が手首の内側の中心を超えていれば短めのベルトを探してください。

革ベルトの長さは短い、長いと言っても5mm程度の違いなのですが、この5mmでもバックルの位置が逆に働いてしまうとズレやすくなってしまいます。

腕時計の革のベルト交換というと、ベルトの幅だけで決めてしまう人が多いのですが、長さも意識することでフィットさせることが可能です。

またベルトが長すぎると見た目のバランスもよくありません、たまにベルトの先が文字盤の近くまで巻き込んでしまっている人がいますが、あまりスマートではありません。

極端なことを言えばレディース用の腕時計のベルトでも構いません。自分の手首と相性の良いベストな長さの革ベルトに変える事で、腕時計本体ののズレも大抵は解消します。

ウレタンバンドは難しい・・・

Gショックのようなウレタンのバンドの場合は調節する事が難しいです。替えバンドが売られているケースもあるのですが、あくまでも専用品なので元のバンドとサイズを変えられるわけではありません。

そもそもウレタンバンドの腕時計は円状に形作られているので、ズレること自体が少ないのですが、たまに細身の男性が大きなGショックを身につけていてアンバランスになっている事があるものです。

どんなに好きなGショックでも似合わないものは似合わないので、自分の体型に合わせた大きさのものを選ぶ事で、大抵はズレるような事にならないので、始めて購入する人はきちんとお店で装着してみて相性を確かめる事が大切です。

まとめ モノより調節

腕時計がズレる原因はベルト調節だけとは限りません。高級な腕時計ほど重い金属(金やプラチナ)や宝石が使用されているので、同じような大きさの腕時計でも重たいものほど重力が働いてズレやすくなってしまいます。

金ピカの下品な腕時計

また腕時計本体の大きさ(フレームの形状)も影響します。稀に大きな腕時計をしている人がいますが、単純に手首の太さよりも大きな腕時計はそもそもフィットする位置がありません。

外径の大きさが同じ腕時計でも、フレームのデザインや太さによって大きさの印象が変わるので、しっかりと自分の手首の太さに合う腕時計を選ぶ事も大切な事です。

必ずしもベルトの調節だけでズレが治るとは限りませんが、現在ズレが気になっても身につけているということは大切な腕時計だと思うので、改めてきちんとベルトを調節してみてください。

メタルブレスの調節ならお店の人にやってもらった方が、最適なバランスを見つけてくれる可能性が高いので、自己流で適当に済ませてしまった人は再調節してください。

また革のベルトは必ずしも純正品がフィットするとは限らないので、自分の手首の太さや形と相性の良い長さや太さのベルトを探してみてください。

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安物の合成皮革のベルトでも、ベルトの位置によって強度を変えてフィット感を上げているものもあります。通常の革のように馴染まないだけに工夫をしているものです。また革ベルトなのにメタルブレスのようにバチッと留めるバックル(Dバックル)もあります。

どんなに高級な腕時計でも手首にフィットしていなければ魅力は半減してしまいます。借りてきた腕時計に見えてしまうかも知れません。

これは高級な洋服でも同様です。サイズがあっていないと余計な皺が目立ってしまいます。手入れを怠ると皺やほつれの原因になります。姿勢が悪いだけでデザインが崩れてしまいます。

高級な生地ほど光沢があるので、皺や汚れが目立ちやすいものです。

高級な革靴でも同様です。サイズがあっていない革靴ではまともに歩けません。立ち姿もぎこちなくなってしまい、良い姿勢をキープすることなど出来ません。

きちんと靴紐を結ぶだけで歩きやすくなったり、姿勢が良くなるような事も珍しくありませんし、中敷きの調節によってフィットするようになる事もあります。

腕時計のバランスというのも同じで、ちょっとした微調節によってグッとバランスが良くなる事があるので、ズレてしまうという人は真剣に向き合ってみてください。

多く人が適当に大き過ぎるスーツやジャケットを着てしまっています。せっかくの自慢の腕時計も長過ぎるジャケットの袖に全て隠れてしまいます。

スーツの袖が手首にかかっている例

だからといって大きな腕時計が常にジャケットの外にあるのが良いわけでもありません。たまにこれ見よがしに大きな腕時計をしている男性がいますが、立ち姿でも腕時計が袖に全く隠れないと下品な印象に映ってしまいます。

腕時計がズレやすい人ほどベルトにゆとりがあり過ぎるので、結果的に袖に引っかかってしまう事もあるので、気をつけてほしいと思います。

男性ファッションというのは、このようなちょっとしたバランスの上に成り立っています。目立つ高価な腕時計ほどスマートに身につけないと、成金丸出しの下品なファッションに成り下がってしまいます。

高級なファッションアイテムを活かす為にも、大好きなファッションアイテムを活かす為にも、そのアイテム以外の要素を見落とさないでください。試着もしないでピタリとあう洋服を選ぶことなど至難のわざです。

腕時計のベルトの調節もその一つです。きちんと向き合うことで、あなたの魅力をより引き出してくれるようになるはずです。

モノだけが高級でもカッコいいとは限りません。そもそもスーツには大きなブランドロゴがついているわけではありません。それでもカッコよくスーツを着こなしている人とそうではない人がいます。

だらしのないファッションで姿勢や表情まで悪いと、高級な腕時計も偽物にすら見えてしまうかも知れません。一方できちんと身体にフィットした洋服を着て姿勢や表情が良いと、ノーブランドの安価な腕時計でも似合うものです。

腕時計のフィット感といった要素でも、きちんと意識にあげて向き合う事で改善する可能性があるので、しっかりと調節してみてください。

ちなみに私が現在愛用している腕時計のブランドの展示会にいった時に、同じような見た目の腕時計の最高峰(六百万!)の腕時計を身につけさせてもらう機会があったのですが、見た目はほとんど変わらないのですが、ムーブメントが複雑機構のせいでフレームが分厚くなっており、全体的に一回り大きくなってかなりの重量もあったので、全くフィットしてくれませんでした。

私の愛用している腕時計の価格は100分の1程度ですが、私の腕の太さには合っていると感じました。おかげ益々愛着がわいたものです。

このように腕時計本体の大きさや重さが影響することもあります。おそらく私の腕には、ベルトを調節してズレなくなっても、大きくて分厚い腕時計は似合いません。

腕時計本体の大きさとの相性を見極めるのも大切です。腕時計は同一のシリーズでサイズが分かれていることは稀なので、特定のブランドの腕時計にこだわるのではなく、自分の体型(腕の太さ)と相性の良いサイズを知ることも大切です。

あくまでも自分に似合う腕時計を選ぶようにしてください。腕時計がズレやすい人は、まずはベルト調整を見直し、それでもズレるのであれば、本体の大きさも意識して選び直してほしいと思います。

もし過去に身につけていた腕時計の中に、相性の良いサイズのものがあれば参考になるかと思います。

憧れのブランドの腕時計を身につける事が悪いとは言いませんが、手首のサイズと相性が悪ければ似合いようがないので、似たようなデザインの腕時計の中からフィットするサイズを選んだ方が、結果的に似合ってズレも無くなり、スマートな印象になってくれるものですよ。

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