ジャケパンスタイルの魅力は経験値が得られる事

ファッション基礎講座

ジャケパンスタイルの魅力

男性ファッションのスタイルとして、ジャケパンはきれいめファッションと称される事が多く、敷居の高いファッションとして認識している人がいるのですが、決してそんな事はありません。

むしろカジュアルなファッションよりも体型に合わせやすいだけに、似合う可能性が高いファッションでもあります。

あくまでもジャケパンスタイルだからお洒落になるのではなく、サイズが合わせやすい洋服だからこそ、結果的にお洒落な印象(ダサくない)になりやすいという特徴があります。

スーツは万能

お洒落に無頓着な男性でもスーツを着るとそれなりに様になるのは、お店の人がしっかりとサイズを合わせてくれるからです。

スーツでも古着屋で適当に選んでしまうとフィットしませんが、紳士服の量販店で選んでいるのであれば、様々な体型に適応できるので似合いやすくなります。

ジャケパンスタイルが似合いやすいのも同じです。スーツほど細かくサイズ展開があるわけではないのですが、一般的な洋服のようなSMLといったサイズ展開だけではない事が多いので、多くの男性の体型に合わせる事ができます。

スーツは男性の魅力を引き出す為に進化してきた洋服であり、様々な補正効果がふんだんに盛り込まれているのですが、

ジャケパンスタイルでも同じような効果が期待できるので、多くの男性の魅力を引き出してくれます。

モデル体型の男性であれば、カジュアルなファッションでも上手く着こなす事ができるのですが、私も含めてそうではない多くの男性にとっては、サイズ展開が豊富なジャケパンスタイルの方が、男性らしい魅力を引き出せる洋服になってくれます。

ジャケットの選び方

自分の体型にフィットしたジャケットを選ぶポイントは、サイズ展開が多いお店を選ぶ事です。

ユニクロのようなところでもジャケットだとSMLといったサイズ展開だけでなく、レギュラーフィットとスリムフィットぐらいは分かれているのですが、スーツを取り扱っている紳士服の量販店のジャケットだと、A体やAB体やY体といったシルエット別で選べるので、より選択肢が広がります。

さらに1~2cmぐらいであれば袖や胴回りを詰める事もできます。そして何といってもプロの店員がアドバイスをしてくれるので、初心者にとってはフィットしたジャケットを選びやすい傾向があります。

この違いはかなり大きいです。

日頃から鏡の前で洋服のフィット感と向き合っている人であれば、自分だけで判断する事ができますが、その見極める技術が乏しい初心者だと、そもそもフィットしているのか判断ができません。

スーツのサイズ合わせに慣れている紳士服の量販店の店員さんであれば、A体やAB体やY体といったシルエットの違いも分かっているので、的確にアドバイスをしてくれます。

有名ブランドのジャケットだと、モデル体型の人にしか似合わないシルエットで作られている事もあるので、誰にでも似合うとは限りません。

自分の体型に合うブランドを選べれば良いのですが、初心者にとってはそれも分からないかと思います。

むしろ全国どこにでもある紳士服の量販店のジャケットの方が、様々な体型に対応できるサイズ展開になっているので相性が良いです。

ジャケットは選ぶ際には、襟付きの長袖シャツ(ワイシャツがベスト)を着ていってください。

襟付きのシャツでないと首周りのフィット感を見極める事ができません。他にも袖の長さを見極めるのにも長袖シャツは重要です。

ジャケットの袖からシャツの袖が1㎝ぐらい飛び出るのが理想なので、ごつい腕時計で邪魔されないように気をつけてください。

Tシャツだと皮脂汚れをジャケットに移してしまう事にもなるので、マナーという意味でも長袖シャツを着ていってください。

ジャケットを着たらしっかりとボタンを留め、軽く身体をひねったりしてフィット感を確かめましょう。

見極めるポイントは襟や袖だけでなく、肩幅や裾の長さといった事も大切なのですが、この辺は場数が物を言う世界なので、様々なジャケットを試着していくうちに、何となく収まりが良いシルエットが理解できるようになります。

この経験が凄く大切なのですが、いくつかのジャケットを試していくうちに自分なりに基準が構築されていくので、バランス良くフィットした状態が分かるようになっていきます。

店員さんもアドバイスしてくれるので、僅かなシルエットの違いやデザインの違いといった要素が、どんどん理解できるようになっていきます。

この経験こそが、お洒落なファッションへの道のりです。

カジュアルなファッションだとサイズよりもデザインの違いばかりが目に付いてしまうのですが、同じようなデザインのジャケットを試着し続けると、微妙な違いにも気がつけるようになります。

例えて言うならワインの試飲会のような事です。居酒屋でワインやビールや焼酎を注文すると、大雑把な違いしか分かりませんが、ワインだけを飲み比べてみると、自分なりに好みの味が分かるような事です。

カジュアルなファッションはバリエーションが豊富なだけに、微差よりもデザインといった分かりやすいポイントが選択基準になってしまうのですが、ジャケットのように同じようなデザインの洋服を試着していく事で、微差が分かるようになっていきます。

生地によっても着心地が違いますし、裏地の有無で袖の通りが違ったり、皺の出やすさも変わる事が理解できるようになります。

どのジャケットが正解という物ではなく、自分の身体に相性の良い洋服の基準が構築されていくので、その後にカジュアルなファッションを購入する時の目安にもなってくれます。

ジャケットの生地や柄やカラーはお好みで選んでもらっていいのですが、初めて購入する際は紺色のジャケットが無難で良いかと思います。紺はコーディネートを合わせやすく、どこのお店でも売られています。

同じようなデザインのジャケットと向き合う事で、僅かなサイズの違いやシルエットの違いが理解できるようになるので、経験値が積みあがっていきます。

ズボン選びのポイント

某有名ファッションブロガーは、上着よりもズボンから選ぶ事を勧めているのですが、私は上着からシルエットを決めた方が簡単だと思っています。

ズボンはユニクロのようなところでも3cm刻みぐらいでサイズ展開があり、シルエットも豊富で裾上げもできるので、上着よりも身体に合わせやすい傾向があります

ズボンは足の形にピタリと合わせる事ができやすいだけに、上着のフィット感がイマイチだとバランスが悪くなってしまいます。

上着を合わせる方が難しいだけに、先に上着を決め手から相性の良いズボンを選んだ方が、全体のバランスを取りやすくなります。

スタイルの良い若者であれば、ピチピチのズボンにオーバーサイズの上着を合わせるようなファッションでも良いのかも知れませんが、誰にでも似合うファッションではありません。

洋服のフィット感の良しあしは肩で決まるといっても過言ではないので、先にフィットした上着を見つけ、それに合うズボンのシルエットを見つけた方がバランスを取りやすくなります。

ズボンのフィット感を見極めるポイントは、しっかりとベルトをして上着とのバランスを確かめる事です。

ある程度の候補を絞るまでは、必ずしもベルトをしなくても良いのですが、最終確認の前にはしっかりとベルトを通して正しい腰の位置で確認してください

裾上げもベルトなしで決めるとズレてしまうので要注意です。

また裾上げの位置を決める時は靴も履いてください。試着室の上だけで決めるのではなく、ベルトをして靴を履いた状態でバランスを見極めてください。

意外と多くの人がこれを出来ていません。きちんとサイズを合わせて購入するスーツですら、多くの人のズボンの裾がダブついてしまっています。

裾の長さが1~2cm違うだけで、脛辺りの皺の出方が全然違うので気をつけましょう。

ズボンはサイズを合わせやすいだけに、ピチピチにしてしまう男性もいるのですが、あくまでも上着とのバランスと取る事が重要なので間違えないでほしいと思います。

まとめ ジャケパンスタイルこそ初心者向け

ジャケパンスタイルはカジュアルなファッションよりもサイズを合わせやすく、同じようなデザインと向き合う事になるので、微差に気がつけるようになります。

同じお店のセーターを何着も試着してもサイズは大きく変わらないので、デザインの違いばかりに注目してしまうのですが、同じようなデザインのジャケットと向き合う事で、僅かなシルエットの違いやフィット感の違いに気がつけるようになります。

カジュアルなファッションでも様々なブランドの洋服を取り扱っているセレクトショップや古着屋であれば、ブランドの違いによるシルエットの差もあるのですが、やはりデザインの差も大きくなります。

紳士服の量販店のジャケットは同じシリーズでもサイズ展開が豊富なだけに、微差とだけ向き合える貴重な機会になります

この経験こそが、自分の身体に似合う洋服を見極める上で凄く重要な経験となってくれるので、ファッション初心者の男性にとって向いていると感じています。

紳士服の量販店であれば店員さんのアドバイスも受けられますし、価格もそれほど高くないのでおすすめです。

僅かなシルエットの違いが分かるようになれば、カジュアルなファッションを選ぶ時にも参考になるので、初心者ほど真剣に向き合ってみてください。

ジャケパンスタイルはTPOという意味でも万能ですし、合わせるシャツやズボンのタイプで調節する事も可能なので、その後もずっと役に立ってくれますよ。

あえてデメリットをあげるとすれば、自宅で洗濯が難しい事ぐらいでしょうか。最近は生地によっては洗濯できるものもあるのですが、定期的に洋服ブラシをかけてあげる事で良い風合いを保つ事ができます。

着用後の洋服にブラシを掛ける習慣が身につくと、生地の擦れなどから身体のクセを改めるきっかけになったり、姿勢を改めるきっかけにもなってくれるので、総合的な魅力も引き出せるようになります。

靴磨きをするようになると、脱ぐ時に靴同士を擦り合わせて脱いだ時につく傷が気になったり、靴底のすり減り方の偏りに気づいたりするので、自然と歩き方や靴の扱い方も丁寧になっていくのですが、洋服ブラシも同じように様々な気づきが得られるので、ぜひジャケットと合わせて用意してみてください。

ジャケパンスタイルと向き合う事で得られる学びは本当に多いので、ファッション初心者の男性こそ、しっかりと向き合ってほしいと思います。

ファッション基礎講座の第Ⅲ章、洋服を購入する際のポイントは以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

必ずしもジャケパンスタイルに挑戦しなければならない訳ではないのですが、洋服のサイズをしっかりと合わせる事の意味を理解しやすいので、ぜひ機会をつくって挑戦してみてください。

 

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