「オシャレは足元から」に隠れている本当の意味

ファッション基礎講座

オシャレは足元からの意味

一般的な「オシャレは足元から」の意味というのは、見た目を取り繕っている人でも手を抜いてしまいやすいポイントなので、まずは足元から改善しましょうといった感じでしょうか。

他にも「足元を見る」という言葉もあり、こちらは足元は手を抜いてしまいやすいポイントなだけに、その人の内面がよく現れているので、判断材料になるという事です。

ホテルマンなどは客の足元を見て懐具合を察知したり、昔の日本だと籠を担ぐ人が客の草履の傷み具合から疲れ具合を推測し、価格を変えていたという話が残っています。

どちらも間違いではありませんし、実際に私もファッションに興味をもつようになってから靴のメンテナンスとも向き合うようになり、扱い方によって傷み具合が随分と変わる事が分かるようになったので、初対面の人の足元を見て様々な事を推測する事ができるのですが、

ここまでしっかりとファッション基礎講座を読んで本質を理解してくれた人であれば、「オシャレは足元から」に隠されているもう一つの意味もイメージできるのではないでしょうか。

そうです。ファッションにとって重要な姿勢に凄く関係しています。

足元は人間の土台

汚れやすい靴を綺麗な状態に保つ事が、オシャレにとって重要なポイントだという考え方が間違いではないのですが、より本質的な事は人間の身体を支えている足元がしっかりとしていないと、全身の姿勢が崩れてオシャレな印象にならないという事です。

フィット感のないスリッパやサンダルではまともに歩けないように、土台からぐらついていると全身がブレブレになってしまいます。

普通に靴を履いていたとしても、きちんとフィットしていないと、少なからず全身に影響が出てしまいます。

普段は靴紐を緩めて適当に履いている人でも、会社や子供の運動会にでも参加する事になって走る事になれば、しっかりと靴紐を結び直すはずです。

誰もが靴をきちんと履かないと、思うがままに身体をコントロールできない事を理解しているのですが、実際に普段からそのような状態で靴を履いている人は多くありません。

だからこそ歩き方や姿勢が崩れてしまう事になり、洋服もシワが増えて似合わなくなってしまいます。

「オシャレは足元から」の意味というのは、単純に見落としがちになる足元を綺麗にする事だけではなく、スマートに洋服を着こなす為に重要な全身の姿勢に影響が出るという事です。

足元の重要性

私は若い頃は車好きだったこともあり、当時は車関連の書籍を読み漁り、それなりに詳しかったのですが、車業界でも「オシャレは足元から」という言葉がよく用いられていました。

大きなホイールや薄いタイヤを組み合わせる事だったり、タイヤに専用のワックスをかけて輝かせたり、レース車両のように車高を落とす事が車の足元のオシャレという事だったのすが、車にとっての足元の重要性というのはタイヤの性能の事であり、タイヤがすり減ってしまうとあらゆる性能まで落ちてしまいます。

どんなに強力なパワーがあるエンジンでもタイヤが滑ってしまうとパワーを活かす事ができませんし、ブレーキの性能も落ちてしまいます。サーキットでコーナーを曲がる時もタイヤの性能をいかに引き出すかがポイントであり、タイヤの性能以上の事はできません。

人間が歩く時も身体が地面と接するのは足元だけであり、その良しあしが全身の身体の使い方に影響が出ます。

これは車のホイールバランスで考えると分かりやすいのですが、ホイールバランスが取れていない状態で高速道路を走ると、ハンドルにガタガタとした振動が伝わってきてしまいます。

60キロ未満の一般道だとそうでもないのですが、ある程度の速度(だいたい80キロ以上)になると大きな振動になってしまいます。

一般道しか走らない車であれば必要ないという人もいるのですが、ハンドルに伝わるほどの振動がないにしても、サスペンションの接続箇所などにダメージが蓄積していってしまいます。酷いケースだとネジが緩んでしまったり、接続箇所のゴムが避けてしまうような事もあります。

これは人間の身体も同じで、フィットしていない靴のせいで歩き方や姿勢が崩れてしまい、様々な箇所にダメージが蓄積されていってしまいます。

身体が若い内は問題なくてもある程度の年齢になると強烈な傷みになってしまったり、手術が必要になるほど状態が悪化してしまう事があります。

日本人の7割以上が偏平足の傾向があると言われており、この原因こそが靴を適当に履いている事だと言われています。

どうしても日本は靴を脱ぐ機会が多いだけに、脱ぎ履きしやすい緩めの靴を選んでしまう人が多いのですが、そのせいで姿勢や歩き方が崩れてしまい、足や膝や背中や腰の痛みが発生してしまいます。

足の太ももだけが太くなってしまう人や中年太りといったものも、結構な確率で大き過ぎる靴が原因と言われており、スリッパを履いて歩く時のように足の指を反らせてしまい、浮指になって姿勢が崩れてスタイルまで崩れてしまう人は珍しくありません。

極度な偏平足や浮指の男性は、しっかりと治療をしてほしいのですが、軽度なものであればきちんと靴を履いて歩き方や姿勢を改める事で徐々に改善していきます。

YouTubeなどでも偏平足や浮指対策のトレーニングが見つかるので、参考にしてみてください。

人間の身体を支える土台である足元が上手く設置できないと、どんなにお洒落な靴や洋服でも良さを引き出す事ができないので、新しい洋服に買い替える前にしっかりと向き合ってください。

スーツやジャケットのように張りのある生地の洋服で背中が丸まると、生地が引きつって疲れやすくなってしまいますし、肋骨もロックされて呼吸の質も悪化してしまいます。

洋服が似合わない体型になるだけでなく、健康面での魅力も失われてしまうので、肌の血色が悪くなったり、薄毛になってしまったり、体重が増えてもいないのにお腹が出るような事になってしまいます。

これらのように足元を疎かにしていると、その影響は全身に出てしまうという事を改めて理解してほしいと思います。

「オシャレは足元から」というのは、単純に見落としがちな足元のオシャレにも意識を向けましょうという意味だけではないという事を覚えておいてください。

まとめ やっぱり基本が大切

どんなにお洒落な洋服を着ていても、靴が汚れているだけで清潔感があるようには見えませんし、定期的に靴磨きをしていても雑に脱ぎ履きをしていると直ぐにヨレヨレになってしまいます。

一般的な「オシャレは足元から」の意味のように、見落としがちな足元のお洒落と向き合う事で、結果的に扱い方や接し方も改善されていく可能性があるので、それらが巡り巡って姿勢や歩き方の改善にも役立つ事があるのですが、本質は姿勢や歩き方を改善する事だという事を覚えておいてください。

いつでも全力で走り出せるぐらいのフィット感がある靴を履く事が大切です。革靴でもフィットしているものだと不安なく走れますし、サンダルのようなものだってクロックスのようにフィット感が良いものだと、格段に歩きやすくなるものです。

手持ちの靴でもしっかりと靴紐を結ぶようにしたり、中敷きでフィット感を調節する事もできるので、新しい靴を購入する前にしっかりと向き合ってください。中敷きは100円ショップでも様々な厚みのものが売られているので、それほどお金を掛けずとも調節できるものですよ。

お洒落な要素だけで靴選びをしてしまうと、サイズ選びが適当になってしまったり、自分の足の形と相性が悪い物を選んでしまう事になってしまいます。

自分の足にフィットしている靴が大前提であり、そこからお洒落な要素を選ぶのであれば良いのですが、この順番が間違っていると位置まで経っても本質的な改善にはつながりません。

少し前にテレビの企画でスニーカーが大好きな芸能人が、自慢のスニーカーを持ち寄ってこだわりポイントを紹介していたのですが、スニーカーを履き替える時に靴紐を緩める事もなく、手を使わずに左右のスニーカーを擦り合わせて脱いでいて驚いてしまいました。

履く時も靴べらを使って履くような人は皆無で、強引に押し込んで履いてつま先をトントンとする人までおり、本当にスニーカーが好きなのかと疑問をもってしまいました。

こだわりがあるポイントもデザインだったり、プレミアのような希少性に価値を置いている人が多く、中にはサイズがまるで合わない物を選んでいる人もいました。

貴重なスニーカーのゴムが加水分解してボロボロになってしまわぬように、わざわざ専用のパックに入れて保管するような人もいたのですが、そこまで大切にしているスニーカーなのに、雑な脱ぎ方や履き方で傷つけてしまっている様子に違和感を覚えてました。

彼らにとっては「オシャレは足元から」の定義に当てはまっていると感じているのかも知れませんが、私からすると本質から随分と逸れてしまっているように感じます。

もしかしたらテレビの撮影用にパパっと履き替えていただけなのかも知れませんが、デザインや希少性だけのお洒落では、本質的なお洒落になる事はありません。実際に姿勢が悪い人も多かったですし、洋服も含めてお洒落な印象に見える人も多くありませんでした。

自分の好きな靴でお洒落を楽しむのが悪いとは言いませんが、あくまでもフィットしている事が前提であり、それを正しく履かない事にはお洒落になどならないので、ファッション初心者の人ほど間違わないでください。

車のホイールバランスのように、全速力で走るような事でもしない限り、フィットしていない靴による歩き方や姿勢の崩れを実感する機会は多くないかも知れませんが、少なからず影響が出てしまうので気をつけてほしいと思います。

背中が丸まった自信なさげな姿勢のままだと、どんなにお洒落な洋服や靴を履いても良さは引き出されません。背中を丸めて浅い呼吸しかできない身体だと生物としての魅力も失われていくので、どんどん印象が悪くなってしまいます。

お洒落に洋服を着こなす為にも姿勢というのは無視できない基本的な事であり、凄く大切なポイントでもあるので、改めて姿勢の重要性を理解してほしいと思います。

ファッション基礎講座の第Ⅱ章は以上です。洋服をカッコ良く着こなす意味や似合わなくなる意味やイケメンに近づく理由や足元のオシャレの本当の意味など、しっかりと理解してほしいと思います。

これらを理解しない事には、せっかく新しい洋服や靴を購入しても本質から逸れてしまうので、期待していたほどの効果や評価をしてもらう事が出来ません。

ファッションレベルが高い女性の中にも、まるでフィットしない靴のせいでグダグダになってしまう人がいるほどなので、レベルの低いファッション初心者の男性こそ、何度も読み返して基本的な事の理解を深めてほしいと思います。

次の第Ⅲ章からは、いよいよファッションアイテムを購入する際の見極め方について紹介していきます。といってもファッションの方向性や好みや相応しい恰好というのは人それぞれ違うので、一概に正解があるわけではないのですが、ファッション初心者の男性にって合わせやすい情報を紹介していきます。

次は:Ⅲ-1 メンズファッションの購入時に意識するべきポイント