白シャツ一枚だけで似合う人と似合わない人の違い

ファッションコラム

白シャツが似合う男性の特徴

少し前に見かけたファッションブログで、

「白シャツのようなシンプルなファッションは、誤魔化しが効かないだけに素の魅力で決まる」

といった感じの事が紹介されていました。

確かにその通りではあるのですが、これはどのファッションに当てはまる事であり、スタイルが良いイケメンであれば何を着てもカッコ良くなってしまうのですが、白シャツのようなシンプルなファッションでも、きちんと向き合う事でバランスが良くなる事もあります。

もちろんスーツやジャケットのように体型を隠す事は難しいので、ある程度のスタイルの良さは求められるのですが、白シャツ一枚で決めたい場合は、いくつか気をつけたいポイントがあります。

ワイシャツとカジュアルシャツの違い

スーツやジャケットの中に合わせる白シャツと、アウターとしてシャツを合わせられるカジュアルな白シャツには、微妙な違いがあります。

印象を大きく左右するのはシャツの裾の形状の違いです。

スーツなどに合わせる事を前提としてるワイシャツ(カッターシャツ)などは、下側の裾のように曲線を描いている事が多く、このようなタイプのシャツの裾をズボンの外に出してしまうとだらしのない印象になってしまいます。

カジュアルなシャツでも裾がストレートではないタイプもあるのですが、大抵は曲線も緩やかになっているので問題ありません。

なぜにこのような形状の違いがあるかというと、元々シャツは下着として進化してきたので、大昔のシャツはパンツも兼ねており、股間の下を通して覆っていた事の名残だと言われています。

一方でカジュアルなシャツは外に出した時のバランスも考えられているので、丈が若干短めに設定されています。

この手の丈が短いシャツをスーツに合わせてしまうと、ちょっとした動作で裾が飛び出てしまうので、ワイシャツは丈が長めに設定されています。

他にも予備のボタンが付いている位置も関係します。シャツによっては一番下のボタンのさらに下に、予備のボタンを縫い付けているケースもあります。

この手のシャツもズボンの外に出してしまうと残念な印象になってしまいます(これだけなら取れば良いのですが)。

白シャツ一枚といっても微妙な形状の違いがあるので、しっかりと分けて考える必要があります。

どんなに上質な生地を用いた白シャツでも、目的と合致していない形状だとスマートな印象にはなりません。

フィット感の違い

ビジネス用のワイシャツだと襟や袖のサイズが細かく分かれている事が多いので、多くの男性の体型に合わせる事ができるのですが、カジュアルなシャツのようにSMLといったサイズ展開だけだと少し難しくなります。

シャツに限った事ではないのですが、上着のバランスは肩幅のフィット感が凄く重要なポイントになるので、身体のフィット感だけで選んでしまうと、ちぐはぐな印象になってしまいます。

同じMサイズのシャツでもブランドによって微妙にサイズに違いがあるので、自分の体型に合うブランドを見つける事が大切です。

肩幅のサイズの違いは大きくても1~2cm程度の違いなのですが、それだけでも印象は結構違います。

最近はカジュアルなシャツでも、通常のシルエットとスリムフィットといった感じで分かれている事があるのですが、胴回りだけで選んでしまうと肩幅がズレてしまう事があるので気をつけてください。

本当に1~2cmの違いだけでも上腕の周りに皺が増えてしまったり、ボタンをはだけてしまったばかりに肩幅がズレてしまうような事もあります。

上にスーツやジャケットを合わせるのであれば気にしなくても良いポイントになるのですが、シャツ一枚だけで決めるスタイルだと、肩幅のフィット感は凄く大切なポイントになります。

白いワイシャツよりも、さらにシンプルなTシャツが似合う人というのも、まさに肩幅がピタリとフィットしているからです。肩幅がイマイチだと似合いようがありません。

襟が少し緩かったり袖の長さが合わない場合であれば、上のボタンを留めなかったり、袖をまくって誤魔化す事もできるのですが、肩幅のフィット感は購入前にしっかりと確かめる必要があります。

はっきり言うと、なで肩の男性だと難しいです。スーツやジャケットのように肩パッドで補う事ができないので、素のポテンシャルが求められる要素も確かにあります。

ただ肩幅は日頃の姿勢や身体の使い方によっても左右するので、それらを改める事も大切です。猫背というだけでもシンプルな白シャツは似合わなくなってしまいます。

メンテナンスの難しさ

白いワイシャツほど襟や袖に黄ばみや黒ずみが目立ってしまうように、白い洋服というのはメンテナンスの技術も求められます。

色移りしないように分けたり、襟や袖の黒ずみの部分洗いをしたり、漂白剤で着色して白さもキープしなければなりません。

デニムや麻(リネン)のように皺や退色も魅力の一つになる生地であれば、メンテナンスも楽なのですが、綿の白シャツだとアイロンも必要になります。

この辺の手間も誤魔化しが効かないファッションである理由なので、ズボラな男性ではスマートに着こなすのが難しい傾向があります。

白シャツはシンプルなファッションだけに、元々のポテンシャルの影響が大きくなる点があるのは否めないのですが、それだけに違いも分かりやすいので、学びが多いファッションでもあります

まとめ 白シャツは学びが大きいファッション

そもそも白い無地の生地というのは、品質の差も分かりやすい傾向があります。綿100%の生地でも安い物だと薄くて透けてしまったり、生地の織り方によっても随分と印象が変わります。

価格なりの差やスタイルの良さも求められるだけに、初心者にとっては難しいファッションになってしまうのですが、それだけに真剣に向き合う事で学びが多いファッションでもあります。

カラフルな生地や柄物だと汚れや皺は目立ちにくいですが、それだけにメンテナンスの意味や重要性も学べません。毛羽立ちのしやすい生地が分ったり、姿勢や行動による皺の変化など、白シャツは分かりやすいだけに改善するポイントも見つけやすくなります。

料理人や医療従事者が白い制服を着るのも、いち早く汚れに気づいて対処できるからであり、汚れの目立ちやすさというのも、視点を変えるとメリットになってくれます。

それほどスタイルが良くない男性であれば、ダイエットやストレッチと向き合うきっかけになるかも知れませんし、なで肩の男性なら肩の筋肉を鍛える筋トレに取り組むようになるかも知れません。

これらの努力は白シャツ以外の洋服の着こなしのレベルも引き上げてくれるので、あらゆるファッションのレベルも向上してくれます。

男性ファッションにとって姿勢は凄く重要なポイントです。試着室の前だけで姿勢を正しても、普段の姿勢が悪いと期待していたシルエットになってくれません。

人によっては靴紐をしっかりと結ぶだけでも、歩き方や姿勢が良くなる事がありますし、それが結果的にスタイルを良くする事にもつながるかも知れません。

白シャツのようなシンプルなファッションは、誤魔化しが効かないだけに問題点も見つけやすいので、真剣に向き合う事で学びがあるものですよ。

胸ポケットの有無やアームホールの大きさやボタンの違いなど、ブランドによって微妙に違う点がたくさんあるので、自分の体型と相性が良いデザインやシルエットのシャツがあるはずです。

逆にスーツのように洋服側を身体に合わせられる洋服だと、誤魔化せる要素が多いだけに、多くの男性の魅力を引き出してくれるのですが、そこからの成長という意味では、意外と学ぶ機会がないものです。

スーツは本当に良く考えられて作られているので、ファッションに全く興味がないお父さんでも、それなりに見せてくれる効果がありますが、お洒落になりたい男性であれば、誤魔化しが効かないシンプルなファッションと向き合ってみる事で、様々な気づきが得られると思うので、機会があれば挑戦してみてください。

本当に白シャツは難しいです。私の例で言うと、私は無駄に腕が長くて首が細いので、市販の洋服のサイズはまるで合いません。

ユニクロのシャツのサイズに照らし合わせてみると、首周りはS、肩幅はL、胴回りM、丈はL、袖の長さはLLになるので、どのシャツを選んでも身体にフィットしてくれません。

スリムフィットのLサイズのシャツであれば、上のボタンを留めないで袖をまくる事で何とか誤魔化せるのですが、腕まくりは季節や状況によっては不自然になってしまうので、万能なシャツではありません。

一方でビジネス用のワイシャツであれば、その辺の街の紳士服店でも細かくサイズが分かれているので、それなりに合わせる事ができるのですが、裾の形状や丈の長さがカジュアル向きではないので、普段使いには向いていません。

そんな事もあり、シャツはネットのオーダーメードばかりになってしまいました。オーダーであれば1cm刻みで細かく指定できるので、理想的なサイズや好みのデザインのシャツを手にする事ができます。

といっても、そもそも理想的なサイズ感が分かっていない人にとっては、オーダーしたところで上手くいくものではないので、まずは鏡の前で手持ちのシャツを着て、微妙な違いと向き合ってみてください。

どことなく似合うシャツと、そうではないシャツがあるはずです。袖や丈の長さがブランドによって結構違う事が分かったり、生地の違いによる着心地や伸縮性の差を感じられるはずです。

カジュアルなシャツでもあえて第一ボタンまで留めてみる事で、襟を立てた時にバランスが良いサイズが分かるようになるかも知れませんし、袖の長さにも影響が出る事が分かるかも知れません。

スーツやジャケットでもやたらボタンを外す人が増えていますが、そのせいで袖が長くなってバランスが崩れてしまっている男性は珍しくありません。

袖が短い場合にあえて取り入れるのであれば良いのかも知れませんが、何となく着崩してしまったばっかりに他にしわ寄せが出てしまう事もあるので、鏡の前で客観的に自分のファッションを観察してみてください。

メンテナンスが難しい白シャツと向き合っていると、その他のシャツでも同じような汚れが染み付いている事が想像できるようになるので、たまにはカラフルなシャツでも襟や袖をケアしたり、洗濯による擦れや毛羽立ちといった問題にも向き合えるようになっていきます。

クリーニングに丸投げしている人であれば気にしなくても良いのかも知れませんが、そういう人ほど汚れてしまう原因にも気が付かないので、なかなか本質に気が付けません。

自宅の中で横になってくつろいでいる時の方が、洋服の生地にとっては厳しい環境だと分かると、帰宅したらパッと部屋着に着替えるようになったり、お気に入りの洋服の使い所も上手くなっていくはずです。

革靴を自分で磨くようになると、傷の位置や靴底のすり減り方から、自分の行動(脱ぎ方や歩き方など)を見直すきっかけになるように、

洋服のメンテナンスと向き合う事で学べる事は多いので、本質的にお洒落になりたい男性は、メンテナンスが難しい白シャツと向き合う価値があると思います。

もちろん手っ取り早くお洒落な恰好になりたい場合は、素のポテンシャルの影響が大きいシンプルなファッション(白シャツやTシャツ)は避けた方が良いと思いますが、誤魔化しが効かないからこそ改善点も見つけやすいので、真剣に向き合ってみてください。

男性は女性と比べて鏡の前で自分と向き合う時間が圧倒的に不足しています。自分のファッションを客観視できないからこそ、微妙な違いに気が付けずに平気で粗をさらけ出してしまうので、まずは自宅の鏡の前で手持ちのシャツを片っ端から着て観察してみてください。

どことなく似合うシャツとそうではないシャツが分かるようになると、どんどん洋服選びが上手くなっていくので、誤魔化しが効かない白シャツでも最適な物が選べるようになっていきますよ。

スタイルの良いイケメンでなくても、白シャツ一枚だけで似合ってしまう人がいるのは、たまたま運よく市販のサイズとフィットしたラッキーな体型の持ち主か、真剣に向き合ってきたかの違いなので、モデル体型ではない多くの一般男性でも、努力次第では似合う可能性が残っています。

「どうせあいつはイケメンだから・・・」

と諦めていると成長がないので、真剣に鏡の前で自分と向き合ってみてください。この経験こそが、本質的にお洒落になる方法ですよ。

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