洋服が似合わなくなる理由を理解しよう!バランス調節が鍵
洋服は似合う方が珍しいという現実
ここから「ファッション基礎講座の本編、第一章の洋服は合わないのが普通」について解説していきます。
そもそも洋服が似合う人は多くありません。この現実を理解する事が大切です。
これは靴のサイズで考えてみると分かりやすいのですが、靴は5mm刻みでサイズ展開があり、さらに足幅(EE)などの横幅のサイズがあります。
それでもメーカーによってはシルエット(靴の場合は木型)が違うのでフィット感に差が生まれてしまいます。
さらに足のサイズは左右で違う事も珍しくないので、紐がないスリッポンタイプの靴だとフィットしたものを選ぶのが簡単ではありません。
一方で洋服となるとSMLといった大雑把なサイズ展開しかありません。
ユニクロのMサイズの寸法表をチェックしてみると、
身長 | 165~175 |
チェスト | 88~96 |
ウエスト | 76~84 |
とかなり幅広い体型に対応しています。これはこのサイズの間に当てはまる体型の人にフィットするという意味ではありません。あくまでも目安です。
全ての要素で上限に近い体型の人ほどフィットする可能性が高いのですが、骨格や筋肉の付き具合は人それぞれ違うので、丈が短くなってしまったり、肩幅が合わないというケースもあります。
世の中にはファッションに無頓着でもお洒落に着こなせてしまうラッキーな男性がいるのですが、まさに一般的な洋服の寸法と相性が良いからです。
いわゆるモデル体型というのは、一般的なLサイズの寸法とフィットしている体型の持ち主であり、身長が180cmぐらいでガッチリとした体型をしています。
私も含めて誰もがモデル体型ではないので、市販の洋服のサイズとフィットする確率は限りなく低いという現実を、まずは理解しておいてください。
そもそも洋服が似合うとは?
辞書で「似合う」という言葉の意味を調べてみると、「調和する」「ほどよく釣り合う」「適合する」「フィットする」とありました。
要するにバランスが取れている状態が「似合う」という事です。
逆に考えると似合っていない状態というのは、このバランスが取れていないという事になります。
このバランスにも様々な要素があり、サイズの事だけではありません。洋服のデザインやカラーが年代に合っていない男性もいますし、流行遅れの洋服で時代に合っていない事もあります。
職業上の立場に合っていない事もありますし、その場(TPO)に相応しくない恰好もありますし、汚れていて合わなくなる事もあります。
これらのバランスが全て取れていても、姿勢が悪いだけでも洋服は似合わなくなってしまいます。
洋服はサイズを合わせるだけでも一苦労なのですが、様々な要素が絡み合ってバランスが崩れてしまうので、何か特定のアイテムさえ選んでおけば間違いないというものではありません。
バランスを見極める方法
洋服をお洒落に着こなす上で最も大事なポイントは、このバランスを見極める能力を磨く事です。
それは「鏡の前に立つ事」です。
おそらくファッション初心者の男性の多くが、鏡の前に立って身だしなみを整える事をしていないのではないでしょうか。
鏡の前で自分を見るなんてナルシストみたいで嫌悪感があるかも知れませんが、男性よりも圧倒的にファッションレベルが高い女性というのは、小さな頃から鏡と向き合ってきた時間が圧倒的に男性よりも長いからです。
「ファッション基礎講座」では、いきなり特定のファッションアイテムを勧めるような事はしないのですが、この全身が写る鏡だけは手に入れてください。
安い物ならホームセンターなどで数千円で売られているのですが、出来れば安物の鏡のように細いものではなく、横幅が50cmぐらいある姿見(大きな鏡)を手に入れてください。高さは少し離れれば問題ないのですが、せめて150cmぐらいはほしいところです。中には幅があっても高さが120cmぐらいの短い鏡もあるので慎重に選んでください。
鏡はそうそう買い替えるものではないので、ここは奮発してほしいと思います。
私なりにネットで調べてみたのですが、幅や高さも十分な物だと送料込みで一万円ぐらいは必要なようでした。
もちろんホームセンターや家具屋や東急ハンズやドン・キホーテなどでも良いのですが、大きさだけは妥協しないで選んでみてください。
この鏡と向き合う行為は料理で言うところの食べるという行為そのものであり、鏡を見る事でしかバランスを判断できません。ファッションレベルの高い女性は当たり前の事のように行っている事なのですが、過去の私も含めて身だしなみに気を使えない男性ほど行っていません。
ちなみに洋服を購入する前に試着をするのは味見のような事であり、これも凄く大切なポイントなのですが、これだけだと他の洋服とのバランスを見極める事ができません。
誰でも髪型を確認するぐらいの鏡は所有していると思いますが、大きな鏡がない事には周りの人からどのように見られているかを実感する機会が得られないので、これだけは頑張って手に入れてください。
鏡と向き合うという行為こそが、お洒落の最も大切な基本であり、全てといっても過言ではありません。これと向き合わない事にはどんなにハイブランドの高価な洋服を購入してもバランスを調節する事ができないので活かす事が出来ません。
全身が写る大きな鏡と向き合う習慣ができると、手持ちの洋服の中からでも様々な事を学べるようになります。自分の肌の色と相性が良いカラーだったり、体型と相性が良いシルエットの違いだったり、着心地が良い洋服のフィット感のバランスだったりと、姿勢によるシワの変化など、様々な知識が入ってくるようになります。
試着室の前だけ姿勢を正してフィット感を確かめても、普段の姿勢が悪いとシワだらけになってしまいます。このような事実と向き合わない事には洋服が似合う事の本質であるバランスを調節する事ができません。
自分の体型と相性が良いサイズ感や生地やブランドを学ぶためにも、全身が写る大きな鏡は必須アイテムです。
実家に住んでいる学生であれば、玄関や洗面所に大きな鏡があるかも知れないので、その場合は3000円ぐらいで売られている細い姿見でも構いません。全体のバランスはその姿見で確認し、上半身のバランスは大きな鏡で確認してください。
お洒落に洋服を着こなすようになる為には避けて通れない道です。
お洒落が好きな人にとっては当たり前過ぎる事もあり、意外と多くのファッション本でも指摘されていないポイントです。
ネクタイの結び目の大きさを変えたり、結び方を変えるだけでグッとバランスが良くなる事があるように、料理の仕上げにちょっとスパイスを加えるだけで味が引き締まって美味しくなるように、些細な微調節をする能力がないとバランスを取る事ができません。
洋服が似合わない人というのは、このような微調節が物理的に出来ない(鏡がない)か、その必要性を理解していないからです。
他人のファッションの良しあしは意外と分かる
お洒落に興味がなかった男性でも、異性のファッションの事となると、似合っている、似合っていないの区別がつくのではないでしょうか。
知識がないだけにどこがどう似合っているかは分からなくとも、どことなく良しあしを判断できるのであれば大丈夫です。自分のファッションを鏡の前でチェックする習慣を身につけるだけで、自分なりの基準が構築されていきます。
手持ちの洋服の中でも何となく似合っているポイントが分かるようになり、それがサイズ感なのか生地なのかデザインなのか理解できるようになると、その後の洋服選びの基準が変わっていきます。
これといった基準がない人だと、この画像のTシャツ姿を見ても何とも思わないかも知れませんが、袖の付け根の縫い目が肩から落ちて袖が長くなり過ぎであり、メンテナンスも適当で首元が伸びてしまっているので、どことなくだらしない印象を与えてしまいます。
オーバーサイズの着こなしにしては中途半端ですし、もうワンサイズ下げるなり、スリムなタイプを選んだ方がフィットする可能性があります。
手持ちの洋服でも鏡の前で向き合うようになると、このような些細な点に気がつくようになり、袖や裾の長さとの相性や生地の違い(素材だけでなく織り方も)による伸縮性なども考えられるようになります。
ファッションセンスがない人というのは単純に場数の問題です。そもそも味を確認する機会(鏡にを見る機会)がなかっただけであり、味音痴(ダサい)だったというわけではありません。
自分の身体や容姿が嫌いだとなかなか鏡の前に立つ気が起こらないかも知れませんが、幼少の頃から容姿の差別を受けてくる多くの女性は、しっかりと自分の身体や容姿と向き合いながらコンプレックスを克服してきました。
自分の顔の骨格に合う髪型を見つけたり、体型を上手く隠せる洋服を見つけたり、肌の色に合うカラーといった基準が構築されています。大学生や社会人になる頃にはメイクも覚えていくので、成人式で再会するとビックリするぐらい綺麗になっている女性がいるものです。
一方で男性の見た目はほとんど変化しません。稼ぐようになって身につける物が高価になっている事はあっても、似合っているかといえば微妙な男性ばかりです。
流行のファッションを積極的に取り入れている女性というのは、実はそれほど多くありません。容姿やスタイルが良い美人でもない限り、わざわざ自分の魅力を下げるような要素は取り入れません。
本音ではお姫様のような洋服が着たくても、多くの女性は理想と現実の違いをしっかりと理解しているので、自分の体型や年代やタイプに合う洋服を選んでいます。
女性向けファッション誌のバリエーションが豊富なのは、それだけ多くの女性が自分に合うファッションと向き合っているからであり、どんどん細分化されていきました。
一方で男性のファッションや髪型は女性ほどバリエーションがあるわけでもなく、流行にも左右されにくいので探す手間も少ないです。胸の大きさのような個人差も少ないのでありふれた洋服の中からでも相性が良いものを見つけやすく、バランスを取る事は女性のファッションよりもずっと簡単です。
簡単なのにも関わらず全く向き合ってこなかった男性が多いだけに、多くの女性が男性のファッションに大して不満を覚えてしまうのですが、女性が求める要求というのは決して高いものではなく、基本的な事を抑えた清潔感のある普通のファッションなので安心してください。
ファッション雑誌で紹介されているようなハイブランドのお洒落な洋服だから似合うものではなく、あくまでもバランスを取る事で洋服が似合うようになるので、意外とお金が掛からない要素の方が大事だったりするものですよ。
ただし、鏡だけは頑張って奮発して用意してください。こればっかりは最低限必要な事なので忘れないでほしいと思います。
まとめ 似合わない要素の排除
女性が著者の男性ファッションの本を読むと分かりやすいのですが、特定のブランドやアイテムを勧める事は多くありません。あくまでも清潔感やフィット感やTPOといったバランスが重要なのであり、その為のテクニックが解説されています。
一方でお洒落好きな男性が著者のファッション本だと、「紳士たるもの○○ぐらいは持っていなければならない」のような感じで、特定のブランドやアイテムを勧めてくる事が多いのですが、そんな事は女性は求めていません。
男性ファッション誌もそんな感じで特定のアイテムばかりを勧めてくるのですが、あれは単純に新発売のファッションを売りたいだけであり、さもそれさえ身につければ解決できるよにアピールされていますが、バランスが崩れる要因になると元も子もありません。
ファッションに限った事ではありませんが、どうしても知識がないジャンルの事となると、ついつい分かりやすい特徴に惹かれてしまうものですが、目立つところばかりで基本を疎かにしていると、なかなか肝心な事に気が付けなくなってしまします。
激辛ラーメンが流行っているからと同じような物を作ったとしても、不味いラーメンのままではお客さんは喜んでくれません。
一部の激辛好きには喜ばれるかも知れませんが、スープを煮込む時の灰汁取りを怠っていたり、麺の茹で汁の交換といった事を怠っていると、不味いラーメンは一向に改善されません。
激辛のような一部の層から好かれる要素が必ずしも悪いとは言いませんが、それ以外の層から嫌われる事になってしまうと、総合的な評価が下がってしまいます。
イケメンのように女性の方から群がってくる男性であれば、ドクロマークのような個性を取り入れても群がってきた女性の中の一部が対象になるかも知れませんが、私も含めて多く男性はそんな事がないと思うので、ただでさえ多くない対象をすぼめてしまう結果になってしまいます。
一方で不味いラーメンの原因と向き合って丁寧に下越しらえをするようになると、誰からも評価を下げられる事なく総合的な評価を引き上げる事になります。
男性ファッションも同じで基本と向き合って似合わなくなる理由を理解して排除していく事で、誰からも嫌われる事なく総合的な評価を引き上げる事が可能です。これは単純に女性受けが良くなるだけでなく、友人や職場の人間や親戚からの評価にも影響します。
特定の誰かから劇的に好かれる方法ではありませんが、今まで恋愛対象とまでは評価されていなかった周りの女性から、恋愛対象に昇格してもらえるかも知れませし、少なくともリスクがありません。
特定の目立つファッションというのは諸刃の剣であり、この嫌われるリスクが伴ってしまいます。髭やピアスのような分かりやすいものだと、ワイルドな男性がタイプの女性からは好かれる事になるかも知れませんが、その他多くの女性や職場からの評価は下がってしまいます。
ターゲットとする女性が明確なのであれば、その人の好みに合わせる事で確率が上がるかも知れませんが、そうではない場合は総合的な魅力を引き上げた方が確立が高くなります。
男性の髭やピアスの組み合わせはゲイ同士にとってはサインのようなものなので、女性受けを気にしないゲイの人にとっては悪い選択ではないのですが、そのような出会いを求めていない男性にとっては、何もメリットがありません。
ファッション初心者の男性がお洒落な男性を目指す上で、このリスクのなさというのは凄く重要なポイントです。個性的な要素で誰かから嫌われてしまうと考えがブレて迷ってしまうのですが、基本的な事と向き合って丁寧に着こなしていく分には、劇的な効果がないにしても、全くリスクがないので着実に成長につながります。
私自身も初めの頃はファッション雑誌を参考に様々なアイテムを購入していたのですが、これ見よがしに自慢しては避難を浴び、気になる女性からも陰口を叩かれてしまいました。
一方でリスクのない減点対象を減らしていく方法だと、周りの同レベルの男性のファッションはそのままなので、1点、2点と積み重ねていく事で、気がついたら誰が見ても一目瞭然の10点もの差につながるかも知れません。
TPOに合わせた清潔感のあるフィットした洋服を良い姿勢でスマートに着こなしていると、全く同じような洋服を着ている同僚が横にいても同じような印象には移りません。
自分と同じような容姿やスタイルのレベルの男性が同じようなスーツを着ていても、寝ぐせ頭で肩にフケを乗せて背中を丸めてシワだらけになっていると、引き立て役にすらなってくれます。
お洒落になる方法というと、流行のアイテムや新しい洋服を購入する事だと考えてしまう初心者が多いのですが、まずは鏡を見ながら手持ちのアイテムと向き合い、自分なりにバランスが良い状態を知る事が大切なので、なんとか頑張って全身が写る大きな鏡を手に入れてください。
誰もが何となくても他人の装いの良しあしが分かるように、経験を積めば自分の装いの良しあしも分かるようになります。
録音された自分の声を聞いたり録画された映像を見ると、「え!?オレってこんな感じなの?」という違和感を覚えた経験がある人も多いと思いますが、これは自分を観察する機会がなかったからであり、自分が想定していた自分の像と他人から見える自分像がズレてしまっているからです。
ただこれも場数を踏むと徐々にズレが一致していくように、日頃から鏡と向き合う経験を積む事で自分が想定している通りの装いのイメージを周りの人へ伝えやすくなります。
これ見よがしな残念なファッションをしている男性というのは、自分の頭の中ではカッコ良く想像されているので、なかなか現実に気がつく事ができないのですが、これも鏡を見る機会を増やす事で徐々に自分勝手な想像が消えていきます。
市販の洋服のサイズは合わない方が自然な事なので、多くの男性のファッションには違和感が残っているのですが、それらと向き合いながら少しずつ相性が良い物を見極めていく事で、違和感が排除されてバランスが整っていき、結果的にお洒落な印象に近づいていくという事を理解していただけたでしょうか。
特定のブランドやアイテムにこだわってしまうとバランスを取る事が難しくなるので気をつけてください。あくまでも自分の体型やライフスタイルにフィットしている洋服が似合うのであり、誰にでも似合う洋服など存在しません。
あえて言うならサイズ展開やデザインが豊富な洋服という事になるのですが、それも見極める眼力がないと上手く選べません。
自分の容姿や身長や体型や体重や肌の色やキャラクターや年代まで一致しているようなモデルがいれば、その人が似合っている洋服を真似るだけでもカッコ良くなれるかも知れませんが、そんな事は現実的ではないので、しっかりと自分で判断できるようになる必要があります。
もちろん洋服のコーディネートという意味では雑誌やモデルの着こなしは参考になるので、そこを否定しているわけではありません。ただそれも必ずしも自分の身体や肌の色に合うとは限らないので、しっかりとバランスを確認する必要があります。
洋服が似合わなくなる理由を理解し、自分なり向き合いながら排除していきましょう。これがお洒落な男性への道のりであり、この道を避けてお洒落になる方法など、プロのスタイリストに全身コーディネートしてもらうぐらいしかありません。
次は男性ファッションにおける姿勢の重要性について紹介します。これも多くのファッション本では深く掘り下げられていない事なのですが、姿勢を改善するだけで抜群に洋服が似合うようになる可能性もあるので、しっかりと理解してほしいと思います。
次は:Ⅰ-2 男性ファッションにおける姿勢の重要性を理解しよう
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