女性が男性ファッションに求める清潔感を理解しよう

ファッション基礎講座

女性が求める男性ファッション

過去の私も含めて多くの男性は、

「男のファッションなんて清潔感があれば十分だろ」

といった認識をしているのですが、これは決して間違いでもないのですが、正解でもありません。

女性が男性ファッションに求める清潔感というのは、新しい洋服や洗濯をしている綺麗な洋服という意味だけではありません。

極端な事をいうと、実際に清潔である事よりも清潔「感」がある方が大事なポイントになります。これを理解していない男性が多いので、女性からすると清潔感がない男性ばかりだと思われてしまいます。

清潔さと清潔感の違い

実際に清潔である事も大事なのですが、どこかに清潔ではない事が想像できてしまう要素があると、実際には清潔でもそのように認識してもらえなくなってしまいます。

これは飲食店で考えると分かりやすいのですが、綺麗に盛り付けられた料理が運ばれてきても、お皿の柄が剥げていたり、ちょっと欠けていたりひび割れがあると、どことなく残念な印象になってしまいます。

お皿の機能としては全く問題がないとしても、僅かな違和感が料理の印象を下げてしまう事は珍しくありません。

これはファッションの印象も同じできちんと洗濯をして綺麗な状態でも、襟が伸びていたり、垢が残っていたり、色移りがあったり、擦れや毛玉があると清潔感が失われてしまいます。

洋服は問題なくても靴が汚いだけで清潔感が失われてしまいますし、さらに細かな事をいえば食べ方や話し方が汚いだけでも清潔感が失われてしまいますし、姿勢が悪くてシワが多くてもだらしなく見えてしまいます。

それらも含めて完璧でも不快な匂いが漂っていると清潔感も失われてしまいますし、スマホの画面が脂ぎっているだけでも不潔な印象になってしまいます。

清潔感というのは、あくまでも印象の事であり、実際に清潔である事は大前提ではありますが、印象を悪くしてしまうあらゆる要素が当てはまります。

この要素が男女で大きく違うので、ちょっと爪が伸びているだけで不潔な印象になったり、肌が脂ぎっているだけで清潔感がない男という烙印を押されてしまいます。

女性はトイレに行く度に鏡の前で髪型やメイク崩れをチェックするのですが、多くの男性は無頓着なので僅かな変化に気がつきません。

女性は日頃からこのような変化と向き合っているだけにチェックポイントが多いのですが、何も向き合っていない多くの男性は粗をさらけ出してしまいます。

清潔感を出す方法

男性ファッションで清潔感を出すうえで大事なポイントというのは、実際に清潔である事よりも印象が悪くなる要素を排除していく事です

例えば清潔感のあるファッションというと、真っ白なシャツのような洋服を思い浮かべる人が多いと思いますが、白は汚れが目立ちやすいだけに清潔感を保つのが難しいアイテムでもあります。

洗濯する時にも色移りを気にする必要がありますし、光沢がある生地だと擦れも目立ってしまいます。もちろん垢や染みも目立つのでメンテナンスが大変ですし、普段の行動も含めて考えなければなりません。

白いファッションは使いどころを選びますし、意外と寿命が短いので割高なファッションアイテムとなってしまいます。

一方で適度なカラーや柄がある生地だと、些細な汚れなら目立たないですし、シワといった要素も目立ちにくいものがあります。グレーだと汗染みが目立ちやすいなどのデメリットもあるので避けてほしいのですが、

太っている男性なら膨張色を避けたり、なで肩の男性なら肩パッド入りを選んだり、痩せている男性なら厚みのある生地を選んだ方が男らしい体型に近づくかも知れません。

シンプルな白いTシャツというのはモデルのような立派な体型の持ち主でもない限り、粗を隠せいないので清潔感を維持するのが難しいアイテムです。

これは女性ファッションで考えてみると分かりやすいのですが、シンプルな白いシャツを合わせられるのはスタイルの良い美女だけであり、多くの女性は何かしらのコンプレックスを上手く隠せるファッションを選択しています

それが似合うという事であり、似合うという事はバランスが取れている事でもあるので、結果的に清潔感のあるファッションといった印象になります。

これは男性ファッションにおける清潔感でも同じで、似合わないだけで清潔感が失われる要因となってしまうので、新しい白いシャツさえ着ればOKというものではありません。

フケが多い男性ならフケが見立たない色のシャツを選んだ方が良いですし、汗っかきな男性なら汗染みが目立たたない色を選んだ方が清潔感が出やすくなります。

清潔感を出す方法というのは、特定のアイテムさえ身につければOKというものではなく、あくまでも自分の体質や体型やライフスタイルと相性が良いものを選ばなければなりません。

ファッションに無頓着な男性ほどこの事を理解していないので、新しい洋服でも適当に選んで清潔感が感じられなくなってしまいます。

高価なブランド服ほど天然素材の良い生地を使っているだけにメンテナンスのレベルも求められるので、たった数回着ただけでヨレヨレになってしまったり、たった一度の洗濯で台無しになってしまう事もあります。

むしろ化学繊維の安い洋服の方が、メンテナンスが簡単で清潔感がある状態を保ちやすい事も珍しくありません。

これは清潔感のある髪型で考えてみると分かりやすいのですが、月に一度カット代が1万円の有名美容師にカットしてもらうより、二週間に一度ぐらい格安の理髪店でカットした方が、一ヶ月のトータルの清潔感で考えると後者の方が上のような事です。

上質な生地を用いた高価なブランド服だからといって清潔感が保ちやすいわけでもないですし、メンテナンスを誤ると安物以下になってしまう事もあります。

メンテナンスから学べる事

洋服のメンテナンスの事を考えないで清潔感を保つ事など不可能なので、新しい洋服を購入する前に手持ちの洋服のメンテナンスと向き合う必要があります。

同じ綿のシャツでもシワが出来やすいものとそうではないものがあると、何が違うのか考えられるようになります。伸縮性が違うのか、繊維の細さが違うのか、織り方が違うのか、体型にフィットしているからなのか、といった様々な気づきが得られるようになり、自分の体型やライフスタイルと相性が良い洋服の基準が構築されていきます。

洗剤や柔軟剤の違いによる仕上がりの差に気づいたり、ハンガーの跡が残りやすい生地やカラーが分かったり、襟元が伸びやすいダメな縫製に気づいたり、毛玉が出来やすい生地など、どんどん選択基準が構築されていきます。

これは靴磨きをする男性なら分かると思うのですが、革靴を磨くようになると様々な気づきが得られます。適当に靴同士を擦り合わせて脱いでいると、直ぐに踵の内側が傷だらけになってしまうので、脱ぎ方を気をつけるようになったり、強引に足を押し込んで履いてつま先をトントンとしていると、先端のコバが剥げてくるので丁寧に履くようになります。

きちんと踵を合わせて靴紐を結ぶと歩きやすさも変わってきますし、靴底のすり減り具合の変化といった事にも気がつくようになります。

洋服もメンテナンスと向き合う事で、普段のクセによって擦れてしまう要因が分かったり、肩掛けカバンのせいで傷んでしまったり、車のシートベルトのせいで擦れるような事が分かるようになるので、大切な洋服を着る時だけでも使い分けるような事ができるようになります。

適当なハンガーにかけていると型崩れしてしまったり、襟元が伸びやすい生地だと滑らないハンガーを選んだりと、様々な気づきが得られるようになります。

実家に住んでいて母親に洗濯を任せていたり、奥さんに丸投げしているような男性だと、なかなか汚してしまう要因に気がつけないのですが、自ら洋服のメンテナンスと向き合う事で様々な気づきが得られ、洋服選びの基準も洗練されて清潔感が保ちやすくなります。

安易に手洗いやクリーニングが必要な洋服を選ばなくなったり、アイロンが必要な生地を避けたり、シワや染みが目立ちやすいカラーを避けていく事で、自分のライフスタイルに適した洋服ばかりになり、結果的に清潔感のあるファッションに近づいていきます。

女性とのデート時だけであれば、全部新しいアイテムでそれなりに清潔感を保つ事ができますが、付き合う事になると普段着といったものが見られるようになるので、基本的なレベルが低いままだと清潔感がないと思われてしまいます。

手持ちのアイテムのメンテナンスと向き合う事で、総合的に清潔感のレベルが上がっていく事になるので、些細なミスのせいで不潔だと思われる確率も減っていきます。

メンテナンスと向き合う事というのは、鏡の前に立って自分の姿と向き合う事や姿勢を改める事と同様に、自分自身の事を知るきっかけとなってくれます。

これらと向き合わずにお洒落なファッション(バランスの取れた違和感のないファッション)になる事はないので、しっかりと理解してほしいと思います。

まとめ 女性が清潔感を求める理由

男性同士だと気にならないような些細な事でも女性目線からすると不十分な事が多いので、清潔感を出したい男性は自分よがりな基準だけで判断しないでください。

まずは手持ちのアイテムのメンテナンスと向き合い、そこで得られた経験を次回の洋服選びに活かせるようになりましょう。

様々な気づきが得られると自然とクローゼットやタンスも整理される事になり、管理するコツも身についていきます。洗濯槽の掃除といった新たな気づきも得られるかも知れません。

そもそも女性が男性に清潔感を求めるのは、それだけ期待しているからでもあります。どうでもいい男性に大しては清潔感すら求めません。

これは男女の営みで考えてみると分かりやすいのですが、基本的に女性は受け身の立場で触られる側なので、触ってくる男性の清潔感が気になります。一方で男性は触る側なので自分の清潔感の事を意識しないのですが、この差が大きい内は中々受け入れてもらえません。

よく女性が好きな男性のパーツランキングなどがありますが、上位に男性の手や腕がランキングされています。この理由はまさに触られる手だからです。

爪が汚いだけで嫌悪感を示す女性も多いですし、男女で気になる清潔感のポイントは全然違うので改めて認識を変えてください。

メンテナンスの重要性に気がつかないと、なかなか本質に気がつけません

「新しければ良いんだろ!」といった考え方では、なかなか女性が求める清潔感のレベルには到達できません。新しい洋服を購入しても体質と相性が悪くて汚れが目立ちやすかったり、メンテナンスが難しくて台無しにしてしまうような事もあるので、無駄なお金と使う前に向き合ってみてください。

神社やお寺が多くの人を惹きつけるのは新しくて綺麗だからではありません。むしろ歴史ある姿に惹かれます。ただそれもメンテナンスが行き届いているからこそであり、ただただ朽ち果てている姿に惹かれるわけではありません。

きちんとメンテナスをしている洋服や靴というのは、自然と骨格に合わせて変化していく(馴染んでいく)ので、どんどん似合いやすくなっていきます。

よく動く箇所の生地や縫製の硬さが取れ、逆にあまり動かない箇所の生地や縫製は張りを保ってくれます。硬さを取るだけならグチャグチャに揉み込めばいいのかも知れませんが、それだとヨレヨレになって清潔感など出てくれません。

身体に馴染んだ洋服や靴というのは、着心地や動きやすさも良くなるので良い姿勢を保ちやすくなりますし、ますます魅力を引き出してくれるようになります。

お洒落の達人のような人だと、あえて室内着として1年ぐらい着用してから外出着にする事があるぐらいです。

どうしても新しい洋服というのは硬さが残っているので、きちんとサイズを合わせて選んでいても直ぐにフィットしてくれるとは限りません。もちろん生地によっても違うのですが、きちんとメンテナスをしながら傷めないようにしてきた洋服というのは、新品にはない着心地があるものです。

おそらく誰にでも妙に着心地が良い洋服があるのではないでしょうか。外出着としては着られないほど傷んでいる室内着だとしても、身体に馴染んでいるものだと着心地が抜群に良くなります。

ろくにメンテナスができないと、せっかく硬さが取れて馴染んできた頃に傷んで寿命を迎えてしまうので、いつまで経ってもフィットした洋服を着る事が出来ません。

洗濯が向いていない生地もあるので、汗をかきやすい時や汚れやすい時は避け、直接地肌の汚れが付かないような気遣いもできるようになります。普段は洋服ブラシでサッとホコリを落として繊維の向きを整えてあげるだけで、良い風合いを保つ事ができるものです。

十年ぐらい前からTシャツをジャケットに合わせるようなファッションが普及してきましたが、

自分でメンテナンスをしている人からすると考えられないような組み合わせです。白いワイシャツの襟は一日着るだけで結構汚れてしまうものですが、それが洗濯が難しいジャケットに染み込んでしまうと考えるとゾッとします。清潔感など保てるわけがありません。

ワンシーズンで使い捨てるような人であれば良いのかも知れませんが、よほどの金持ちでもない限り難しいと思います。安いジャケットも売られていますが、大抵は裏地も芯地もないペラペラのものなので、直ぐにヨレヨレになってしまいます。

きちんと作られた洋服ほどメンテナンス次第で寿命が大きく変わるので、まずは新しい洋服を購入する前に手持ちのアイテムと向き合いながら、しっかりと経験を積んでおいてください。

些細な減点対象を少しずつ改善していく事で、結果的に女性が求める清潔感のレベルもクリアできるようになりますよ。

「ファッション基礎講座」の第Ⅰ章は以上です。

鏡を見て自分を知る事や、洋服が似合いやすい正しい姿勢を理解する事や、清潔感にとって重要なメンテナンスといった基本的な事を理解してもらえたでしょうか。

これらは料理で言うところの基礎や下準備のような事であり、具体的なレシピを知りたい人にとっては物足りない情報だったかも知れませんが、基礎を疎かにしたまま料理が上手になるような事がないように、本当に大切な事なのでしっかりと理解してほしいと思います。

次の第Ⅱ章では、洋服を着こなす意味について深く掘り下げていきます。これが理解できると洋服を購入する前にやるべき事がたくさんあるのだと分かるはずです。

次は:Ⅱ-1 洋服をカッコ良く着こなす為に知っておくべきこと