男性の歩き方についての考察!見た目の印象と健康への影響
大き過ぎる革靴を履く日本人男性
少し前に知り合った男性のファッションがとても素敵でした。鞄や小物にも抜かりがなく、とてもスマートな印象でした。
しかしその男性といっしょに歩くと印象が激変しました。何だか頼りない印象になってしまいました。
その理由を私なりに分析したところ、どうも革靴が大き過ぎるようでした。
まるでスリッパでも履いているような歩き方でした。歩幅が狭くガニ股になっており、膝が伸びることもなく、常につま先から着地するようなソロソロとした歩き方でした。
その男性が小柄だったせいなのか、少し大き過ぎる革靴を選んでしまったのかも知れません。実はこのような男性は珍しくありません。
サイズの合っていない革靴で正しく歩くことなど出来ません。きちんと靴紐を結ぶ習慣がない男性の歩き方はスマートになりません。
スニーカーであれば多少のサイズの差は問題にならないことが多いのですが、革靴では致命的です。靴紐のないローファーは、よほど相性が良くないとフィットしません。
サイズ合わせが難しい革靴だからこそ、しっかりと靴紐で調整する必要があるのですが、多くの男性が意識できていないポイントでもあります。
革靴はスニーカーのように内側にクッション性がないので、少しでも緩いと靴の内側で滑ってしまいます。革靴を履くと靴擦れしやすい理由です。
靴擦れをおこすと痛みが発生するので、グッと体重が乗らないよな不自然な歩き方になってしまいます。すると歩幅が狭まり、慎重にソロソロと歩くようになってしまいます。
モデルさんでもない限り、一般の男性は歩き方を意識したことがありません。靴のフィット感によって歩き方が左右されることに気がついていません。
たかが歩き方の違いでも見た目の印象は大きく違うものです。また歩き方は健康にも大きな影響を与えるので気を付けてほしいと思います。
モデルさんでもない限り、正しい歩き方は教わることなどないので、驚くほど多くの日本人男性がもったいない歩き方をしているものです。
歩き方による印象の違い
一流の役者さんは、演じる人物に合わせて「歩き方」を変えることができます。
偉そうな人物像を演じる時は、ゆっくりとふん反り返ってガニ股で歩きます。
逆にお調子者を演じる時は、猫背でつま先から着地するように歩きます。
特に時代劇は歩き方の違いが躊躇なので意識して見てみてください。一般女性と若い町娘では歩き方が全く違います。歩幅だけではなく、左右の足あとの位置(向き)も大きく違います。さらには花魁っぽく見える歩き方もあります。
これらのように歩き方だけでも伝わってくる印象は大きく違います。
役者さんは歩き方を使い分けることが出来ますが、多くの一般男性は意識したことがないと思います。
歩く姿というのは、その人の内面をあらわすものです。
わかりやすく言えば、元気がないと肩を丸めてトボトボ歩きますし、嬉しいことがあると胸を張って弾むように歩きます。
姿勢や表情が内面をよくあらわすように、歩き方にも内面の状態がよくあらわれます。
仕事で同じような内容のプレゼンをした場合、外見が与える影響は意外と少なくありません。顔の容姿、イケメンだから凄いと言うことではなく、信用に足る人物であると思われないと不利に働くことがあります。
同じような内容の仕事でも堂々とした姿勢だったり、自信満々の表情だったり、爽やかな印象の髪型や洋服だったりすると、選ばれる可能性が高くなります。
プレゼンをする会議室では、それほど歩くことはありませんが、日頃から頼りない歩き方をしていると、立ち姿でも頼りない印象になってしまいます。
もちろんいっしょに行動をする機会があると、頼りない歩き方は相手に何となく不安を与えるものです。
映画やドラマでも泥棒や組織の下っ端は胡散臭い歩き方をしているものです。軽薄な印象になる歩き方があることを覚えておいてください。そして日ごろからそのような歩き方になっていないか意識してください。
役者さんのように歩き方を使い分けることができればいいのですが、多くの一般男性は歩き方を意識したことすらありません。
これは非常にもったいないことです。
どんなに仕事の内容が素晴らしくとも、カッコいい洋服をオシャレに身につけても、オドオドした歩き方だと相手に舐められてしまうかも知れません。
「姿勢を正す」ことが大切なのは、多くの男性が意識していると思いますが、これからは歩き方も意識してほしいと思います。
正しい歩き方とは?
正しい歩き方を定義するのは実は難しいです。骨格や筋肉の付き方に個人差がありますし、最近は生まれもった特徴により、相性の良い動作があるとも言われています。
これは「4スタンス理論」と呼ばれるもので、動作のクセは大きく分けて四種類に分類されます。どの分野が優れているということではなく、あくまでも相性の問題です。

うちわを扇ぐときも同様です。わきを閉じて手首のスナップを使って扇ぐ人と、わきを開いて腕ごと扇ぐ人がいます。
これはどちらが正しいということではなく、生まれもった特製(骨格や筋肉)によって決まります。なので特定の歩き方が全ての人にとって正解ということはありません。
ただし間違った歩き方、不正解は存在します。ここを気をつけるようにすると、自然と正しい歩き方になっていくと思います。
いくつか間違った歩き方を紹介します。
- 極端なガニ股、内股
- つま先の向き
- 足音の左右差
- 歩幅の左右差
まずは、これらを意識に上げて自分の歩き方を観察してください。
地面に足が付いた時のつま先の向きが、左右で違う方は珍しくありません。
過去のケガの影響などもあるので、全ての人が改善出来るわけではありませんが、ある程度整えることは可能だと思います。極端なガニ股や内股も同様です。
またスポーツをやっていた方は、効き足の筋力が発達しているので左右に差があるものです。
左右の差は足音にも影響します。靴底がしっかりとしている革靴であれば、「コツコツ」と小気味よく足音が響くものですが、「コツ、カツ」「コツ、ザッ」のように左右で音の違いないかチェックしてください。
ゴム底の靴でもショッピングモールなどの絨毯の上を歩くと、足音の違いがよくわかると思います。他人の足音にも意識を向けてみると「ズザッ、ゾッ」「ザッ、ズー」など色々あるものです。
颯爽とカッコよく歩いている男性と、だらしない印象の男性では足音がまるで違うものです。
歩幅を意識するのも難しいのですが、タイルや絨毯の柄のパターンなどを参考にして意識してみてください。また雪国であれば足あとをチェックしやすいと思います。
正しい歩き方を定義するのは難しいのですが、左右に差があるのは偏った歩き方です。間違った歩き方を意識して改善するように心がけてください。
靴のサイズの重要性
そして正しく歩くには、靴のサイズを合わせることも重要です。
日頃からしっかりと靴の踵に合わせてから靴紐を結んでください。少し靴の先端を上げて靴紐を結ぶと踵に合わせやすくなります。
踵が固定されていないスリッパで走ることは出来ません。早歩きですらスリッパが飛んでいってしまうかも知れません。
サイズが大き過ぎる革靴を履いていると、同じような歩き方になってしまいます。流石に飛んでいくことはありませんが、足を持ち上げるときにスリッパのようにつま先側から上げてしまいます。
そもそもきちんとサイズを合わせた革靴というのは、靴紐を緩めて靴べらを使用しないと履けないものです。何となく足を押し込んで履けてしまう革靴では明らかにサイズが大き過ぎるので、正しく歩くことなど出来ません。
新しく革靴を購入する際には、店員さんに相談しながらしっかりとサイズを合わせてください。
靴と健康
サイズの合っていない革靴は正しく歩けないだけではなく、健康にも悪影響を及ぼします。
女性用のハイヒールは顕著です。サイズが大き過ぎるとつま先に体重が乗るので、常に足の先端の指が押し付けられて窮屈になり、外反母趾になってしまいます。
ハイヒールでもきちんと踵に合わせて調整すれば、つま先の足の指に負担はかかりません。踵でしっかりと固定出来れば外国人女性のように颯爽と歩くこともできます。
一方で日本人女性の多くが、このように膝を伸ばす歩き方ではなく、膝を曲げたままつま先から着地するような歩き方なので、靴の中で前のめりになってしまいます。
ハイヒールほどではないですが、これは男性の靴でも同様です。サイズが大き過ぎると靴の中で前のめりになって、靴の内側の先端に足の指が当たってしまうわけです。
このような歩き方は昔の日本の草履や下駄、もしくは現代のビーチサンダルであれば問題ありません。つま先に当たるものがないので、つま先を中心とした歩き方、歩幅が狭く、膝を曲げたままの歩き方でも問題ないわけです。
このつま先中心の歩き方でサイズの大きい革靴を履いてしまうと、足の指に負担がかかってしまいます。
だからこそ靴を履く時にきちんと踵で合わせて、靴の前側に足がずれないように靴紐で踵側にしっかりと固定する必要があります。靴紐を結ぶ理由はここです。
大き過ぎるサイズの靴では、そもそも正しく歩くことなど出来ません。
トボトボとした歩き方というのは、ダンボールを抱えて歩いているような状態です。上半身が固定されているので足だけしか使えていません。負担も足に集中します。
一方で正しい歩き方というのは、上半身の体幹の筋肉を総動員して歩きます。同じ距離を歩いても疲れ具合は全く違いますし、カロリー消費にだって影響を与えるものです。
お腹が出ている中年男性が多いですが、見事なぐらい歩き方が残念な方ばかりです。逆に言えばきちんとした歩き方をすることで、お腹周りをスッキリさせることに繋がると思います。
まずはきちんと靴紐を結ぶところから始めてください。手を使わずに履けるような靴では、スリッパのように引きずるような歩き方になってしまいます。
また靴が大き過ぎると足の指先で地面を掴んで蹴るような歩き方が出来ません。これは偏平足の原因にもなり、太ももが太くなる原因の一つとも言われています。
裸足で真っ直ぐ立っている時に、きちんと足の指先が地面を掴んでいるかチェックしてください。靴が大き過ぎる人は指先が浮いてしまう傾向があります。
そのような状態の方は片足立ちがおすすめです。片足で立つとイヤでも足の指先まで使ってバランスを取るので、偏平足を改善させる為のトレーニングになります。足の指が地面を捉える感覚を取り戻してください。
他にも足の指でタオルを掴んだり、手の指と足の指で握り合ったり、足の指でじゃんけんをすると良いと言われています。
足の裏がどのように地面と設置しているか、日頃から観察してみてください。
まとめ 日本人の靴が大きい理由
どうしても日本社会では靴を脱ぐ機会が多いので、靴を選ぶ時に脱ぎやすさや、履きやすさが優先されてしまいます。結果的に大き過ぎるサイズの靴が選ばれてしまいます。
昔の日本の履物であれば、つま先を中心とした歩き方でも問題ありませんでしたが、欧米文化の革靴は踵を中心とした歩き方を前提に作られています。
革靴で痛みを感じる方は、きちんとサイズを合わせた靴を選び、しっかりと踵で地面をとらえ、指先で地面を蹴飛ばせるような歩き方を意識してみてください。
ちなみに間違った歩き方として、左右の差を気をつけろと紹介しましたが、さらに言えば少し歩幅を広げて早歩きをすると、自然と踵を中心とした歩き方になると思います。
極端に歩幅を広げる必要はありませんが、気持ち歩幅を広げて早歩きを意識してみてください。これだけで多くの方の歩き方が改善されていきます。
また正しく歩く為には、正しい姿勢も大切です。正しい姿勢を知りたい方は、お尻の筋肉に少し力を入れるのがおすすめです。
もちろん靴紐をきちんと結んで履くことが前提です。大き過ぎるサイズの靴ではまともに歩くことは出来ないと思います。
きちんと靴を履くということは、危機管理という意味でも大切なことです。いざという時に走ることも出来ない靴では、大切な人を守ることなど出来るわけがありません。
少し話が変わりますが、先日テレビでバスケットボールの田臥勇太選手が特集されていました。田臥勇太は日本人初のNBAプレイヤーの凄いアスリートです。
そんな田臥勇太選手がバスケットシューズを履く時が凄く印象的でした。何と両足のバスケットシューズを履くのに15分も費やしていました。
引用元:http://www.dailymotion.com/video/x4x09m6_
しっかりと踵を合わせて靴紐を調整するのですが、親指の付け根と小指の横のフィット具合を決めるのが難しいらしく、細かく靴紐を動かしながらベストポジションを探っていました。
フィットしていない靴でバスケットのようなハードな動きが出来ないのは想像できると思いますが、超一流と言われる選手は、そのフィット感にも高精度を求めるのだと驚きました。
流石に一般男性が靴を履くのに15分かける必要はありませんが、きちんと靴紐を結ぶのに1分もかからないと思います。
たったこれだけのことで歩き方に大きな影響を与え、歩き姿の印象を良くしてくれます。正しい歩き方は外反母趾にならないだけではなく、疲れ具合にも大きな影響を与えるのものです。
たまに革靴を履くと疲れるという方は、革靴のサイズが大き過ぎる可能性が高いです。そして靴紐も適当にしているものです。
「足元を見る」
という言葉がありますが、これは靴の良しあしによる経済力を測る指針だけではありません。丁寧に靴を扱っている人というのは、歩き方も洗練されていきます。
きちんと靴のサイズを見極め、丁寧に靴を扱い、きちんと歩くということは、巡り巡って健康状態を左右し、顔色や目力に好影響を与え、その人の魅力の一つになるのではないでしょうか。
足元を見るだけで得られる情報量は想像以上に膨大です。
颯爽と歩く男性はカッコイイものです。どんなに高級ブランドの洋服で身を固めても、表情が暗かったり、血色が悪かったり、背中がまるまっていると魅力は半減してしまいます。
適当に靴のサイズを選ぶと正しく歩くことなど出来ません。これを覚えておいてください。
正しく歩く為には、まずは意識に上げることです。左右の歩幅やつま先の向き、足音の質や左右差、足の重心の傾きなど、日頃から歩き方や足の裏を意識する習慣をつけてください。
意識するだけで必ず変化します。綺麗に無駄なく体重が乗るポイントがわかるようになります。ガニ股や内股になっていないか意識するようになります。ショーウインドウにうつった自分の歩き姿をチェックするようになります。
またカッコいい歩き方をしている人にも気がつくようになります。ショーウインドウの前でなくても歩き方が悪い人を見かける度に、反面教師として自分の歩き方を意識するようになります。
そのためにも日頃からきちんと靴を履いてください。適当に足を押し込んでつま先をトントンとしているようでは、靴の履き口はどんどん広がってしまいます。靴は正しく履かないと傷むのも早いです。靴同士を擦りあわせて脱ぐようなこともしないでください。
しっかりと靴と向き合い、姿勢(足の裏の接地感)と向きあい、歩き方と向き合ってください。きちんと靴と向き合えるようになると、高級な靴の質の差にも気が付けるようになるものです。
適当なサイズ合わせで高級な靴を購入しても意味がありません。手入れも出来ない人が高級な靴を購入しても意味がありません。直ぐに痛んで台無しにしてしまいます。
まずは現在所有している靴をきちんと履いてください。そして歩き方を意識にあげてください。そこで得られる気づきは、あなたを必ず魅力的(見た目、健康)にしてくれます。
歩き方が良くなれば骨盤が正しい位置に整います。肩甲骨の位置も整います。すると首が持ち上がります。見た目の印象はグッとよくなります。そして正しい姿勢になれば内蔵の位置も整います。血流やリンパの流れもよくなります。
これで健康にならないわけがありません。見た目がよくならないわけがありません。あらゆるパフォーマンスがアップしないわけがありません。そしてモテないわけがありません。
逆に言えば、歩き方が悪いだけで見た目の印象が悪いだけではなく、健康に悪影響を与えているということです。靴のサイズが大き過ぎるだけで、靴紐を結ばないだけで健康に悪影響を与えています。
本当に意識するだけで違います。今まで無意識に歩いていた方ほど伸びしろがあるので期待してください!
大変長い文章になりました。ありがとうございます。ここまで読んでくれた方はもう大丈夫だと思います。歩き方の重要性に気がついてくれたと思います。
今日から自然と正しい歩き方に導かれていくと思います。歩き方を意識に上げて少し歩幅を広げて早歩きをするようにしましょう。
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コメント一覧
私は元劇団員ですが、役によって様々な歩き方を使い分けていました。
早歩きは骨盤が起き上がるので正しい歩き方になるのは理解できますが、落ち着いた男性像には見えません。
正しい歩き方を学ぶ為のトレーニングとしては有効なのかも知れませんが、少し大股でゆったりと歩く方が男らしい歩き方に見えると思います。