ゴッホの絵で改めて感じたファッションのバランス感覚
初めてのゴッホ
先日、初めてゴッホ展に行ってきました。
私は絵画が趣味ということではなく専門的な知識は全くないのですが、ファッションのバランス感覚と似ているなと感じました。
初めは周りの人にならって、なるべく近くで様々な作品を眺めていたのですが、正直あまり感動はありませんでした。あくまでも素人の意見ですが、絵の具を薄めずに塗りたくってボコボコしている作品ばかりだと感じました。
絵画との距離
ゴッホ展に行く前に忙しかったこともあり、私は途中で疲れてベンチに腰かけてしまったのですが、なんとその距離から見るゴッホの絵に感動してしまいました。
まるで3D 画像のように立体的に見えたのです。作品に奥行きが生まれていました。特に「草むらの中の幹」という作品は、離れてみると見事でした。
(ポストカード)
近くで見ると妙な色使いの木なのですが、離れてみると活き活きとした見事な木が浮かび上がってきました。
そのことに気がついてから適度に距離を離れて見てみると、先ほどは何も感じなかったゴッホの絵が一気に魅力的に見えるようになりました。
そして私と同じように、あえて離れて見ている方がいることにも気がつきました。さらに背伸びしたり中腰になったりと、高さまで変えて見ている方までいました。
絵画が魅力的に見える距離や角度があることなど、私は全く知りませんでした。とても良い経験になりました。
この感覚はファッションのバランスと似ていると感じます。
ファッションのバランス
特定のブランドの腕時計や洋服にこだわる方がいますが、誰もがそのような特定のアイテムとバランスが取れるとは限りません。
ブランドがターゲットにしている年齢層と合致していない方も多いですし、大柄な欧米人に似合うサイズの腕時計が小柄な日本人の腕に合うことは稀です。
よく高級腕時計を自慢している方がいますが、似合っているかどうかは全くの別問題です。
もちろん高級腕時計を身につけることで、相対する人にお金持ちアピールをすることは可能ですし、そこが目的なのであれば問題はないのですが、オシャレ目的のファッションとしては、マイナスに働くケースが多いものです。
金ぴかのロレックスが似合うファッションやTPOなどそうあるものではありません。カジュアルなファッションに金のロレックスを合わせてしまうと、偽物にすら見えてしまうことがあります。
もしかしたらキャバクラでチヤホヤされる(カモとして)かも知れませんが、その他に有利に働くケースなど、実はそう多くありません。
腕時計に限らず個性の強いファッションアイテム(大きなブランドロゴなど)は目立つだけに、全体のバランスを狂わせてしまいます。
近くで見たゴッホの絵のように特定のポイントを注目するより、全体のバランスを意識した方がファッションも魅力的に映るものです。
個性の強いファッションが悪いわけではありませんが、それを引き立たせるには周りとバランスを意識する必要があります。
中世のお姫様が身につけていた豪華なネックレスは、髪型やドレスだけではなく、周囲の人や環境(執事や宮殿)まで含めてバランスが取れているからこそ、美しく輝くようなことです。
ゴッホの絵を見て、改めてバランス感覚の重要性を学びました。
まとめ 目的次第
基本的にファッションは自由なものですし、周りの目を気にせずに好きな格好をすることで気分が高揚するのであれば、それはそれでOKです。
あくまでも目的次第です。
ビジネスで好きな格好を押し通すことがマイナスに働くのは誰でもイメージできると思いますが、同じように普段のファッションも目的を意識してほしいと思います。
多くのファッション初心者の男性が「女性にモテたい」という目的で、高級ブランドに手を出して火傷してしまっています。
もちろん特定のブランドに惚れこんで身につけているという方は問題ありません。全く似合っていなくても本人が満足しているのであれば目的を果たしています。
30年前はスポーツカーを所有することが女性にモテることにつながりましたが、現在ではむしろマイナスに働くケースが多いものです。
スポーツカーが大好きで所有するのは全然構いませんが、モテたいという目的だと現在ではずれてしまっています。
ゴッホも適度な距離を保って鑑賞する絵画という役割を最優先した結果、近くで見るとボコボコで美しくないように描いたのだと思います。
おそらくゴッホが現代に生きていれば、プリントされた時に美しく見えるように描くのではないでしょうか。
ファッションも目的を意識して上手く使い分けてほしいと思います。職場環境に合わせた様々な制服があるように、自分環境(目的)に合わせたファッションを使い分けましょう。
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