ワークマンの洋服はオシャレに使えるのか?

ファッションコラム

話題のワークマンの洋服

ガテン系のアイテムを中心に扱っているワークマンの洋服が、ここ数年様々なメディアで注目されるようになり、女性の中にもオシャレアイテムとして取り入れるといったネットニュースを見かけるようになりました。

実際にワークマンは物凄い勢いで売り上げを伸ばしており、ガテン系ではない層を取り込む事に成功しています。

私は数年前にワークマンが話題になり始めた頃に、地元の店舗を初めて訪れたのですが、はっきりいって全くオシャレに使えるとは感じませんでした。

それこそガテン系のアイテムばかりで、機能性は優れているようでしたが、何も購入せずに店を出ました。

ただその後にワークマン側も一般客の取り組みに力を入れるようになり、どんどんラインナップを充実させているというニュースを見かけていたので、久しぶりにワークマンに行ってみました。

ワークマンの洋服は安い!

数年前に訪れた時よりも、明らかに一般的な洋服が増えていて嬉しくなったのですが、何よりも驚いたのが洋服の価格の安さでした。

いわゆるファストファッションよりも安いものが多い印象で、ワゴンセールのようなコーナーだけが安いのではなく、そもそもの定価がかなり安く設定されており、想像以上に安くて驚いてしまいました。

ユニクロは姉妹店のGUなどが出来た事もあり、昔よりも価格が高くなってきているのですが、価格だけならワークマンの圧勝でした。

他にも機能性を意識している洋服が多かった事も印象的でした。冷感や伸縮性を高めている素材が多く、カラーも前に訪れた時よりもバリエーションが豊富になっていました。

さらに靴のラインナップも豊富で驚きました。工事現場で履くような安全靴だけでなく、機能性の高そうなスニーカーが2000円未満でたくさん売られていました。

店内を隈なく見回していると女性向けのコーナーも設置されており、これも数年前に訪れた時にはなかったと思います。

普段あまり訪れる事がないタイプのお店だったので、あれこれ眺めているだけで楽しかったのですが、結局は靴下だけしか購入しませんでした。

気になったポイント

ワークマンの洋服は価格が安くて魅力的だったのですが、私が気になったのが、それらの洋服の素材がことごとく化学繊維だった事です。

最近の化学繊維は安っぽい見た目でないものも増えているので、見た目の質感だけでダメだという事ではないのですが、私は腋臭体質な事もあって、化学繊維とは相性が良くありません。

消臭効果をうたっている化学繊維のシャツを着ても、直ぐに悪臭が発生してしまうので、肌に直接触れる洋服となると、あまり着たくはありません。

他にもTシャツなどのデザインが気になりました。シャツの裾の形状を前身頃と後身頃で変えており、後ろ側が長くなるようなデザインの物が多かったです。

おそらくこれはシャツの裾がズボンから飛び出なくなる為の工夫なのですが、シャツをズボンの外に出して着ると、後ろ側がスッキリしなくなってしまいます。

これはYシャツなどのデザインではよくある違いなのですが、シャツの裾が真っすぐ(もしくは緩いカーブ)のものだと、ズボンの外に出してもスッキリとするのですが、裾が船底型になっているシャツを外に出してしまうと、どことなくだらしのない印象になってしまいます。

おそらくワークマンのTシャツはガテン系の人達が仕事で着た時の為に、このような機能をもたせているのだとは思いますが、オシャレに着るとなると、余計なデザインのように感じました。

他にもTシャツに胸ポケットがあるものもありました。これも仕事の事を考えての事だとは思いますが、オシャレとしては余計だなと感じました。

あと男女兼用のものもあり、価格を抑える為にも素晴らしい企業努力だとは思うのですが、やはりフィット感となると疑問をもってしまいました。

昔と比べて垢ぬけた色の洋服やオシャレなデザインの洋服が増えていはいましたが、流石にシルエットが良いといった感じではなく、ガッチリとした体型の男性向けのものが多かったので、私は購入しませんでした。

この辺は個人の好みの問題なので、必ずしもワークマンの洋服を普段使いにする事が悪いわけではありませんが、オシャレなのかというと、噂ほどではなかったなという印象でした。

まとめ ホームセンターよりは断然上

ワークマンで売られている洋服を見て感じたのは、ホームセンターで売られているような洋服の上級版といったところでしょうか。

それでいて価格が安いので、スーパーの隅の洋服売り場やホームセンターで洋服を購入しているという男性であれば、かなり満足できるのではないでしょうか。

あとデザインやカラーはアウトドア好きの人とも相性が良いと思います。蛍光色のカラフルなものが多く、店内の色合いもアウトドア用品を扱っているお店の雰囲気と似ていました。

数年前にワークマンに訪れた時は、もっと暗い色合いが多くていかにもガテン系といった感じだったのですが、その辺の進化は随分と見て取れました。

ただベースがガテン系の人達を相手にしていたという事もあり、洋服のフィット感や見た目という点では、あまりオシャレな印象ではありませんでした。

もちろん体型によってはフィットする人もいると思いますが、私が訪れたワークマンの店内には試着室が一つしか見当たらず、しっかりと試着をして選ぶ層を相手にしていないのだなと見て取れました。

どうしてもガテン系の仕事に着る洋服は、汚れ安くて傷むのも早いので、きちんとメンテナンスをしながら長く着るよりも、どんどん買い替えていく人が多いと思うので、試着しながら吟味して選ぶという人は多くないのかも知れません。

ただネットで調べてみると、最近はワークマンプラスといった名前の店舗もあるようで、よりカジュアルな洋服を揃えているようなので、地域によっても洋服のラインナップや客層が違うのかも知れません。

価格は本当に安くて魅力的だったのですが、私の洋服選びの基準はフィット感やTPOを意識するので、あまり使いどころがないように感じました。

靴下はそれなりにしっかとしたものが、四足セットで399円だったので、かなりおすすめです。下着なども機能性の高いものが格安で販売されていました。

もちろんガテン系の人や機能性の高い洋服を求めている人にもおすすめです。ホームセンターのようなところで売られている洋服よりも垢ぬけたデザインのものが多いですし、価格も下回っていると思います。

靴の量販店やホームセンターで売られている1000円ぐらいのスニーカーというのは、いかにも安っぽいデザインで残念なものが多いですが、ワークマンは靴は価格以上の見た目を実現していました。もちろん機能性も高いのだと思われます。

おそらく今後はワークマンの躍進のおかげで、ジーベックといった同業他社からも似たようなコンセプトの洋服が出てくる可能性が高いですし、ユニクロといったファストファッション業界にも影響が出てくると思われます。

オシャレの為にお金を惜しまないという層には、ワークマンは関係のない話かも知れませんが、ユニクロが日本中の人のオシャレのレベルを引き上げてくれたように、ワークマンはガテン系の人達やホームセンターで適当な洋服を選んでいた層のオシャレのレベルを、グッと引き上げてくれているのかも知れません。

一部のお金持ちしか購入できない高級腕時計や高級車よりも、多くの人が購入できる電池式腕時計や軽自動車の方が、ずっと多くの人の生活を向上させてくれました。

ワークマンの躍進が世のオシャレに興味のないおじさん達のレベルを向上させ、さらに機能性の高い洋服で快適性をもたらしてくれていると思うので、今後のさらなる躍進に期待です。

なんだかワークマンの洋服がダサいような事を書いてしまいましたが、少なくとも数年前に訪れた時よりは、ずっとレベルが上がっていましたし、中には試着をしてみようかなと思わせる洋服もありました。

ただ私に合いそうなサイズのものが見当たらず、店員さんに確認すると「そこにあるだけです」と言われたので諦めました。

ガテン系ではないであろう客もちらほら見かけたので、実際に多くの人の役に立っているのだと思います。

私は靴下しか購入しませんでしたが、本当に想像していたよりもずっと良かったので、一度もワークマンに行った事がない人は、ぜひ行ってみてください。

特に釣り好きの人やアウトドアが趣味の人とは、かなり相性が良いと思いますよ。

ワークマンで扱っているカジュアルな洋服のタイプは、スポーツ用品店のキャンプコーナーや本格的なアウトドアグッズを扱っているMontbellのような感じなので、価格的にも凄く魅力的だと思いますよ。

ちなみに私がワークマンで一番ワクワクしたのは、小型扇風機付きの洋服が展示されていた事です。テレビなどで存在は知っていましたが、実物を見たのは初めてでした。

価格が一万円を超えていたので、試しに買ってみるのは躊躇したのですが、小型扇風機など100円ショップでも売られてぐらいなので、今後はいくらでも価格が下がるなり、他のメーカーからも売り出される事が予想されます。

炎天下の夏場に屋外で作業をする人にとっては、とんでもない可能性を秘めた洋服だと思うので今後のさらなる進化に期待です。

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