男女の色彩感覚の差によるファッションの違い

ファッションコラム

同じカラーでも男女で見え方違う!?

当ブログでは徹底してシンプルなファッションを勧めており、具体的なお洒落を期待している男性からは物足りないと指摘を受ける事があるのですが、実はシンプルなファッションと向き合っていくと、ちょっとした色味やシルエットの違いなどの「微差」に気がつきやすくなるからでもあります。

私自身もファッションに興味をもち始めた頃というのは、どうしても分かりやすいファッションアイテムや目立つ色といった要素に惹かれてしまっていたのですが、男性よりも圧倒的にファッションレベルの高い女性というのは、この「微差」を見極める能力が優れている傾向があります。

そもそも男女では色彩感覚が随分と違うといわれており、生物学的には女性は赤ちゃんの肌の色の変化から体調の変化を敏感に察知する必要があり、一方で男性は狩猟を中心としていたので、動体視力が優れている傾向があると考えられています。

この辺の違いについて知りたい人はググってみてください。いくらでも男女の違いが分かる情報が見つかると思います。

何故に男女で色彩感覚に違いがあるのかといった理屈はどうでも良いのですが、この色彩感覚に男女で大きな隔たりがある事を理解できると、シンプルなファッションといったものでも、随分と結果に違いが出るのもイメージしやすくなるのではないでしょうか。

男性からすると大した違いがないようなファッションでも、色彩感覚の違い女性からすると全く別物として認識される可能性があります。

色彩感覚による差

男女の色彩感覚の違いの分かりやすい例として、数年前に販売されたホンダのN-BOXという車があります。この車は内装のデザインを女性従業員の意見を積極的に取り入れた事で大成功しました。

それまでの車の内装のデザインというのは男性が中心だったそうで、女性からすると不満を覚える箇所が多かったらしく、男性からすると疑問にすら感じていなかった色味の僅かな違いなどを改めて行く事で、大人気車種となりました。

だからといって男性からすると、N-BOXの内装が従来の車と比べて大きく変化したと感じるわけでもなく、いかにも女性向けな可愛らしいデザインになっているわけでもありません。

ただ色彩感覚が優れている女性からすると、全然違うという事で見事に大人気車種となりました。

基本的に財布のひもを握っているのは女性なので、多くの業界では女性目線を意識したマーケティング手法が取り入れられているのですが、車となると男性の意見が反映されやすい業界だったので、他の業界と比べて遅れていたわけです。

ある芳香剤は中身はそのままに、パッケージのデザインを変更しただけで売り上げが何倍になったり、女性用のトイレを改装しただけでリピーターが劇的に増えた飲食店もあるほどです。

女性は夜景やイルミネーションが好きなものですが、私も含めて多くの男性はそれほど興味が惹かれませんし、男女による色彩感覚の違いというのは少なくありません。

これらの事が理解できると、男性ファッションの方向性というのも見えてくるのではないでしょうか。

分かりやすい要素に頼るより、シンプルなファッションでも丁寧に向きあっていく事で、多くの女性から支持される清潔感のあるファッションになれる可能性があります。

女性が男性に期待するファッション

女性が男性に乗っていて欲しい車のアンケートでは、男性が好きなスポーツカーはランクインしません。乗り降りしやすいちょっと大きめの車(SUV)などが圧倒的な人気であり、車好きな男性がこだわるポイントなど全く重視されません。

これは男性ファッションでも同じです。お洒落好きな男性ほど強いこだわりがあるものですが、それらの要素を求めている女性は多くありません。

女性が男性のファッションに求める事は、圧倒的に清潔感が一位であり、流行のファッションを求めている女性ですら、それほど多くありません。

もちろん流行遅れのダサいファッションが良いわけではないのですが、身体にフィットした清潔感のあるファッションを求める女性が圧倒的に多く、この事が意味しているのは、それが出来ていない男性が多いという事でもあります。

男性からすると洗濯したばかりの洋服だから清潔感があると考えてしまうものですが、色彩感覚が鋭い女性からすると、まだまだ不十分だという事です。

清潔感のあるファッションというのは、実際に清潔である事も大事なのですが、あくまでも見た目の印象の方が大きく結果を左右します。この色彩感覚の違いから生まれる清潔感に、男女で大きな差がある事を覚えておいてください。

清潔であるはずの新品の洋服ですら、色彩感覚の違い女性からすと不潔な印象になってしまう事もあります。

シンプルなファッションが有利な理由

当ブログではしつこいぐらいにシンプルな男性ファッションを勧めているわけですが、シンプルなファッションと向き合っていく事というのは、まさにこの男女の認識の誤差を埋める作業につながるからです。

別の言い方をすると、無駄をそぎ落としていく作業です。

適当に大きめのサイズを選んでいると、余計な皺が増えるだけでなく型崩れの原因にもなりますし、身体にまとわりつく生地が増えると動きにくくなり、重量も増すので疲労も増えてしまいます。

この辺は昔のスポーツ選手のウェアと比べると分かりやすいのですが、最近のスポーツウェアほどフィットしていて動きやすい構造になっています。

さらに細かな事をいうと、洗濯といったメンテナンスの手間も増えてしまいます。5枚のTシャツを洗濯するにしても、必要以上に生地が多いと効率が悪くなってしまいますし、洗剤の量も増えて色落ちの原因となってしまうかも知れません。

洗濯後に畳むにしても同じスペースに収納するなら小さく畳まなければならないので、余計な皺も増えてしまいます。

次から次へと新しいタイプの洋服に買い替えている人より、同じようなシンプルなファッションと向き合っている人というのは、僅かな色味の違いや生地の伸縮性の違いやシルエットの違いなどの微差に気がつきやすくなります。

もちろん何も考えずに同じような洋服を買い続けている人だと、大した違いも分からないのですが、全力でシンプルなファッションと向き合っていくと、僅かな違いにも気がついていくので、どんどん無駄が削ぎ落されて選択基準も洗練されていきます。

ブランドの違いによるデザインの差が分かりにくいスーツのような洋服でも、真剣に向き合ってきた人は自分の体型にフィットしたブランドや生地やデザインを選ぶ事が出来るようになりますが、ブランド名ありきで選んでいたり、適当に決めているようだと、なかなか自分の体型にフィットしているブランドのスーツを見つける事ができません。

どこそこのブランドのスーツだからカッコ良いのではなく、あくまでも自分の体型にフィットしたブランドのスーツが似合うのであり、その基準が構築されている人ほど、買い替えをする時に間違える事がありません。

多くのサラリーマンがお世話になる全国どこにでもある紳士服店(はるやま、青山、AOKIなど)でも、微妙にシルエットは違いますし、特定のブランドのスーツだけが良いというものではありません。

同じようなシンプルなファッションと向き合うからこそ、自分の体型と相性が良いシルエットが分かったり、自分の肌の色と相性が良いカラーが分かったり、ライフスタイルに適している機能が分かっていくので、シンプルなファッションでも別格の着こなしが出来るようになります

全く同じブランドの洋服でもスマートに着こなしている人もいれば、どことなく違和感が漂ってしまう人というのは、このような微差と向き合えているかの違いです。

この画像の男性のネクタイの結び方はラペルの幅と比べて大き過ぎますし、肩も浮いているのでフィットしていません。そもそものネクタイの柄もイマイチですが、さらにネクタイのせいで悪目立ちしています。

どうしてもファッションの興味をもち始めた頃というのは、このような分かりやすい要素に頼ってしまうのですが、それだけに粗も大きくなって残念な印象になってしまいます。

スーツやジャケットのラペルの太さ一つとっても相性がありますし、細いラペルが流行しているからといって顔が大きな男性が安易に取り入れてしまうと、ますます顔の大きさを強調する結果となってしまいます。

ネクタイの結び目の大きさやシャツの襟の角度によってもバランスは変わりますし、姿勢や髪型によっても顔の大きさのバランスは変わります。

ネクタイの長さが悪い例

これらのような基本的な事と真剣に向き合う事で、僅かなシルエットの違いやカラーの違いも感じられるようになるのですが、そこと向き合わない事には、たまたま運よく相性の良い洋服と出会えたとしても、なぜに相性が良いのかも理解できないので再現する事ができません

何を着ても似合う人などいません。何を着ても似合っているのかどうか見極められる人がいるだけであり、その見極める能力は同じようなシンプルなファッションと向き合っていく事で磨かれやすくなります。

女性は色彩感覚が鋭いだけでなく体型の個人差も大きいだけに、思春期ともなれば多くの女性が微差と向き合っていくのですが、多くの男性は向き合った経験が少ないだけに、ファッションに興味をもち始めると分かりやすい要素に頼って残念な印象になってしまいます。

まとめ 経験値を積み上げよう

シンプルなファッションというのは分かりやすい違いがないだけに、本質的な事が浮き彫りになりやすい傾向があります

美味しい蕎麦を見極める為には、汁に浸っている「天ぷら蕎麦」よりシンプルな「ざる蕎麦」の方が、蕎麦の食感やのど越しや色味や風味が分かりやすいような事です。

誤魔化しが効かないだけに姿勢の悪さや体型の崩れなどを改めるきっかけにもなりますし、似たような洋服でも上手く隠せるシルエットがある事に気がついていきます。

シンプルな白いTシャツでもメーカーによって随分とサイズが違うものですし、生地の素材や織り方によっても透け具合や伸縮性が変わりますし、襟の縫製によってもヨレ具合が変わるものです。

一方で分かりやすいデザインのTシャツだと、そこばかりが注目されてしまうのですが、それだけに微差に気がつく事もないので経験値が積みあがっていきません。

裾や袖の長さが2cm違うだけでグッとバランスが良くなる事もありますし、チェストやウエストの太さもメーカーによって違うので、同じLサイズを選んでもまるでフィット感が変わる事は珍しくありません。

女性は胸やお尻の大きさに個人差があるだけに、こういった要素もしっかりと見極めて判断している人が多いのですが、多くの男性は無頓着なのでシンプルなファッションでもダサくなってしまうわけです。

私自身もそうだったので偉そうな事は言えないのですが、そのような経験値が少ない状態で有名ブランドの洋服を選んでも、上手く着こなせるものではありません。

高価な有名ブランドの洋服を着ているからカッコ良いのだと心から信じていましたし、上質な生地だけにメンテナンスが難しかったり、高価だっただけに買い替える事も難しく、ダサい状態が続く事になってしまいました。

一方で手ごろな価格のシンプルなファッションであれば、買い替えるのも難しくありませんし、同じような洋服を選ぶ事で比較もしやすくなり、徐々に微差を理解できるようになって経験値が積みあがっていきます。

自分の体型や肌の色やライフスタイルに合う洋服の基準が構築されていけば、ハイブランドの洋服でも上手く見極められるようになりますし、セール品の中からお買い得な洋服を選ぶ事もできるようになります。

このような基本的な事をすっ飛ばしても上手くいくものではないので、ファッション初心者の男性こそ、改めてシンプルなファッションと向き合ってほしいと思います。

同じようなシルエットやカラーの洋服と向き合う事で、細かな違いを意識できるようになり、相性が良い洋服選びも出来るようになっていきますよ。

分かりやすい特徴が少ないシンプルなファッションほど、真剣に向き合う事で大きな経験値が得られます。僅かな色味の違いも敏感に察知できてしまう女性から好かれる為にも、この微差を感じられるようになってほしいと思います。

追記 女性の色彩感覚の凄さ

ちなみに私が何年か前にお付き合いしていた女性は、この色彩感覚がもの凄く鋭い人で、デートで洋服を選ぶとなると丸一日潰れてしまうほどこだわりが強い女性でした。

だからといって特別目立つファッションや高級ブランド好きというわけでもなく、今思い出してみても、これといった特徴が思い浮かばないぐらいの普通のファッションだったのですが、そのいたって普通のファッションでも何度も試着を繰り返しながら物凄くこだわって選んでおり、改めて女性の凄さを感じたものです。

彼女の部屋に行っても、いかにも女の子といった雰囲気ではなくシンプルにまとめられていたのですが、少し前に買い替えたというどこにでも売られていそうな白い電気ケトルは、かなり色味にこだわって選んだそうで、何店舗もの電気屋やホームセンターをめぐり、最終的にはたまたま立ち寄ったドン・キホーテで売られていた1200円の電気ケトルの色が気に入って購入したとの事でした。

家電製品の白など男性からするとほとんど同じように見えてしまうものですが、色彩感覚が鋭い女性からすると全然違うようで、炊飯器や電子レンジといったものも同じような白で統一されていました。

少し青みがかった白が好きなんだそうで、私の部屋にある白い家電はバラバラ過ぎて気持ちが悪いとまで言われてしまいました(苦笑)。

私の基準では統一された色だったのですが、白い洗濯機に対して「なんで灰色にするの?」と言われて驚いてしまいました。

彼女とはこのような考え方の違いもあり、ほどなく分かれる事になったのですが、改めて男女の色彩感覚の違いを感じる出来事となったものです。

私はファッションに興味がある事もあり、それなりに洋服の生地の色味や光沢の違いを分かっているつもりでしたが、やはり男女には圧倒的な差があるものなので、あまり軽視しない方が良いかと思います。

白物と柄物をいっしょに洗濯して色移りしたり、適当な洗剤選びのせいでくすんでしまう事もあるので、シンプルなファッションの僅かな違いにも目を凝らしながら、経験を積み重ねていきましょう。

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