年相応のファッションのすすめ、背伸びや若作りが失敗する理由

ファッションコラム

年相応のファッション

辞書で「年相応」という言葉の意味を調べると、

「年齢に似つかわしいさま」

とありました。

年相応のファッションは、年寄りくさくもなく、背伸びや若作りでもない髪型や服装ということになります。

年相応のファッションというとマイナスのイメージを持つ人がいるかも知れませんが、洋服が似合っている人というのは、年相応のファッションをしているものです。

逆に似合っていないファッションというのは年相応ではありません。どことなく痛々しい印象になるのは、実年齢とのズレが生じているからです。

ロリータファッションの外人女性

コスプレパーティーのような特別な場で好きな格好をするのは自由ですが、普段のファッションから実年齢とズレが生じてしまうと、多くの場合は残念な印象になってしまいます。

今までオシャレに無頓着だった人がファッションに目覚めると、得てしてこの若作りファッションに当てはまってしまう傾向があります。

ファッションに関する知識が中途半端な事もあり、雑誌で紹介されている洋服をそのまま真似てしまったり、自分の過去の常識で判断してしまうからです。

若い頃には通用してテクニックでも、年代や体型や流行が変わると通用しなくなります。レトロな古着を着こなすようなテクニックもありますが、当時の流行そのままという事はなく、今風のアレンジが加えられているので、古臭さだけが際立つ事にはなりません。

この辺のバランス感覚を意識できないと、どんなにファッションにお金をかけても自分よがりなアンバランスなファッションになってしまいます。

それこそ年相応には見られないので、益々実年齢が引き立ってしまいます。

そこで今回は年相応のファッションについて、より詳しく掘り下げて紹介します。年相応のファッションが何故に良いのかを理解する事で、方向性が見えてくると思います。

まずは年相応ではない若作りのファッションが似合わない理由を説明します。

若作りが失敗する理由

男性でも女性でも中途半端な若作りが失敗して、痛々しいファッションや髪型になっている人がいるものです。

若作りが失敗する最も大きな原因は、自分が輝いていた若い頃を基準にしてしまうからです。

リーゼントの外人男性

40代の人が20代だった頃のファッションや髪型を引きずっていると、古臭さが際立ってで痛々しい印象になってしまいます。

わかりやすい例だと、聖子ちゃんカットをしているおばさんのような事です。

当時のままの聖子ちゃんカットではないのですが、そのような要素が残っている人がいるものです。男性でもリーゼントっぽくセットをしてしまう中年男性がいます。

誰もが40代にもなると髪質や肌質は変化しているので、髪のボリュームも少なくなり、ハリやコシも失われ、白髪も増えています。体型や肌も衰えているので、スタイルも変わっています。

単純に聖子ちゃんカットやリーゼントが流行の遅れの髪型ということだけでなく、そもそも若者にしか似合わないファッション(髪型)だからです。

衰えた顔や髪やスタイルに若い頃の髪型や服装を合わせると、益々現在の衰えが強調されてしまい、粗が目立って無理して若作りしているのが伝わってしまいます。

現在の松田聖子さんは「聖子ちゃんカット」をしていません。現在の松田聖子さんに似合わないことを理解しているからです。

逆に現在の若者が「聖子ちゃんカット」をした場合は、似合う可能性があります。

数年前のNHKの朝ドラ「あまちゃん」で当時の回想シーンとして、最近の若い女の子が当時の髪型で出演していたのですが、とても可愛らしいと好評でした。

ファッションや髪型は古くさいのにも関わらず、年相応だと似合う可能性があります。逆言えばどんなに流行しているファッションや髪型でも年相応でなければ、似合わないということです。

これが若作りが失敗する理由です。若くみせようとする行為が、実年齢をより際立たせてしまいます。

背伸びのファッション

逆に若者が大人びたファッションをしても似合うことはありません。

特に男性のファッションだと年齢を重ねたからこそ似合う洋服、生地というものがあります。適度に油の抜けた肌や髪質だからこそ、絶妙なバランスで成り立つファッションや髪型があります。

活動的なはずの若者が落ち着いた雰囲気の洋服や腕時計をしてしまうと、やる気や覇気が感じられなくなることもあります。

少し上の年代のファッションであれば似合うこともありますが、極端に飛び越えてしまうと残念な印象になってしまいます。

背伸びのファッションをした男性

職場環境によっては貫録を出す必要があるかも知れませんが、あまりやり過ぎる軽薄さが出てしまいます。

やはり年相応のファッションが、最も似合うファッションになります。

年相応=若々しい

年相応のファッションを取り入れる事こそが、実は最も若々しい印象になります。この事しっかりと理解してくだし。

特に同年代の人から見て若々しい印象になれます。

ファッションや髪型を意識しなくなると、時代の流れに取り残されていきます。40代になったのにも関わらず、30代前半のままの感覚で洋服を選んでしまうので、様々なズレが生じてしまいます。

今でも聖子ちゃんカットやソバージュやリーゼントという人は、このズレが20年、30年となっているような事です。

特に男性はオシャレに興味がない人が多いので、大抵の中年男性はズレています。全く年相応のファッションにアップデート出来ていません。

色落ちしまくっているジーパンを、平気で履いている中年男性も多いです。

ジーパンが悪いという事ではなく、現在の自分の年代や体型に合うジーパンではないという事です。

逆に流行しているスリムなジーパンを取り入れるのが良いとも限りません。ピタッとフィットしたスキニータイプのジーパンというのは、若者の中でもスタイルが良い人にしか似合いません。

中年男性の衰えた身体をあらわにしても良い事はありませんし、誰も得しないファッションになってしまいます。

肌ツヤや髪質や体型が衰えてきた男性に似合うジーパンというのは、ほどよくフィット(ピチピチではない)した清潔感のある新しいジーパンのような事です。

オシャレな若者が古着を取り入れられるのは、瑞々しい肌や髪で清潔感があるからです。あえてやっているオシャレなのだと、周囲に伝わってきます。

そして注意してほしいのが、年相応の衰えを感じさせない芸能人やモデルの存在です。福山雅治さんや木村拓哉さんは、誰が見てもわかるほどの清潔感があるので、古着のようなものでもカッコよく着こなすことができます。

一方で肌ツヤが失われた一般の中年男性が同じような古着を着てしまうと、ただのだらしのない印象になってしまいます。

古着のおかげで若々しい印象になるのではなく、若々しい印象を保っているからこそ、取り入れられる特別なファッションなのであり、多くの一般男性の参考になるファッションではありません。

どんなに有名で高価なヴィンテージのジーンズを履いていても、マニア以外からは不潔な印象になってしまいます。

下手な若作りというのは、実年齢よりも上に見られてしまいます

無理に若作りをする必要はありません。

周りの同年代の男性の多くがそのような中途半端に若い頃の基準を引きずっているので、年相応のファッションにするだけで、年相応ではない周りの人と比べて若々しい印象になります。

まとめ 年相応の意味

年相応のファッションというのは、その人に最も似合いやすいファッションです。

悪く言えば「無難なファッション」です。

ですが、多くの男性は無難なファッションすら出来ていません。

きちんとサイズを合わせた年相応の無難なファッションは、体型や肌ツヤの欠点を隠してくれます。みずみずしい肌に似合う明るい生地の洋服は、中年男性向けのファッションには取り入れられていません。

若者のファッションは、スタイルや肌ツヤが良いことを前提に作られています。肌の露出が多い洋服というのが典型的な例です。

露出が多い服の外人女性

稀に年配の女性が露出度の高いファッションをしていますが、どんなに良いスタイルを保っていても、肌のみずみずしさが感じられないので、無理して若作りしている印象にうつるものです。

そしてファッションに無頓着な人も、加齢に伴うズレに気づかずに、どんどん年相応から外れて似合わなくなっていきます。

だからこそ、そのズレを修正する(年相応)だけで、一気に周りの男性から比べて魅力的になることができます。

現在でも第一線で活躍している元アイドルの芸能人は、ズレをきちんと修正しています。年相応の素敵なおじさまやおばさまになっています。

実年齢よりも若く見られる人のファッションというのは、年相応の魅力を引き立てるという事です。

ここを間違えないでください。昔のままの格好や髪型という事でもなく、最近の若者の流行を取り入れる事でもありません。

今現在の自分の魅力を最も引き立ててくれる「年相応のファッション」こそが、最も自分を輝かせてくれる似合う洋服であり、それが結果的に若々しい印象を漂わせる事になります。

きちんと現在の自分の体型に合うサイズの洋服を選ぶ事だったり、現在の肌ツヤや年代に合う柄や色を身にまとう事で、年相応の魅力が引き出される事になり、そうではない多くの人と比べて若々しい印象になります。

ベテランのロックミュージシャンや、ヤンキーキャラでブレイクした芸能人だと、若い頃のスタイルを引きずっている人がいるものですが、彼らだって現在の自分に相応しいファッションをした方が、ずっと若々しい印象になるものです。

安易に若々しい印象の芸能人やモデルを真似ないでください。彼らは努力して良いスタイルや肌ツヤをキープしています。そのまま同年代の一般人の参考になるとは限りません。

中途半端な若作りを取り入れてしまうと、益々年齢を際立たせてしまうので、しっかりと現在の自分と向き合ってください。

年相応の無難なファッションがわからないという人は、当ブログのファッション基礎講座を熟読してほしいと思います。

「可もなく不可もなし」な普通のファッションでも、丁寧に着こなすだけで周囲の人と比べて若々しい印象になれますよ。

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