メンズファッションの着こなし!を勘違いしている男性は多い
メンズファッションの着こなしテクニックは少ない!?
当ブログも含めてネット上には様々な「メンズファッションの着こなし例」が紹介されているものですが、洋服の着こなしとコーディネートを勘違いしている人が意外と多いものです。
何をもって「着こなしている」と判断するかは曖昧な要素なので、コーディネートとごっちゃになっているケースが珍しくありません。
全く同じ洋服でも着こなし次第でカッコ良くなるケースというのは、実はそれほど多くありません。
袖が長いシャツを腕まくりして誤魔化したり、ズボンの裾を折り曲げて皺を減らすような事は出来ますが、これらはそもそものサイズ選びが間違っているからであり、しっかりと洋服のサイズを合わせて購入した人には必要のない要素です。
スーツだとネクタイの結び目や長さを変えるぐらいしか出来ませんし、ネクタイやシャツの組み合わせを変えるのはコーディネートの技術です。
コーディネートに関してはファッション雑誌やネットの情報が役に立つ事が多いですが、着こなす事となると購入後に出来る事は意外とありません。
これは着こなし技術の差が出る和装で考えると分かりやすくなります。
着付けの技術
和服は洋服と違って平面で出来ているので、着こなしの技術の差が如実に現れます。
着付け師がいるように、着こなし技術そのものによって大きく印象が変わります。
浴衣のようなものでも技術の差が如実に現れるので、夏祭りで浴衣を着ている人でも似合っている人は多くありません。
私も含めて男性は和服を着る機会がほとんどないので、着こなしの技術の差を感じる事が少ないのですが、成人式で和服を着ている男性を思い浮かべると全然似合っていない様子がイメージできるのではないでしょうか。
プロに着付けてもらっても姿勢や動作が悪いと直ぐに着崩れしてしまいます。
平面の和服はちょっとした合わせの角度や向きによって大きく印象が変わるので、着こなす技術がものを言う世界です。
YouTubeで適当に着付けの動画を探してみたのですが、
「初心者も簡単!プロ着付師と一緒に自分で浴衣を着る動画」というタイトルなのに、30分以上も解説するほどの複雑な技術が求められます。全く見えない下着ですら影響するほど繊細な技術が求められます。
一方で洋服の着こなしとなると、着る方法についての解説動画などありません。
コーディネートに関する動画はたくさん見つかりますが、着る技術によって差が出る要素はほとんどありません。
何が言いたいかというと、和装は着る技術によって似合うようになる可能性がありますが、洋服には着こなしの技術によって良くなる要素がほとんどないという事です。これをしっかりと理解する事で、「メンズファッションの着こなし」の意味も分かってきます。
洋服を着こなす技術
洋服を着こなす技術というのは、基本的に全て購入前に決まってしまいます。
もちろん仕立て直したり、体型を変える努力(筋トレやダイエット)をする事で、似合わなかった洋服が似合うようになる可能性はありますが、基本的に洋服を着こなす技術というのは、試着室での出来事が全てです。
和装のように調節する要素がないので、調節しないで済む洋服を見つける技術こそが、洋服を着こなす技術です。
若者のファッションのように、あえてアンバランスに着崩すものだと、腰パンのようにずり下げたり、キャップのツバを折り曲げるような購入後に出来る事もありますが、一般的なメンズファッションにはそのような要素はありません。
後から出来るのはメンテナンスぐらいです。良い状態を保つ工夫は取り入れられますが、そもそも似合っていない洋服をメンテナンスしたところで似合うようになるわけではありません。
程よく生地の硬さが取れてきてフィットしてくるような事もありますが、あくまでもそれはサイズが合っている洋服にだけ当てはまる事であり、90点の洋服が馴染んで92点になる事があっても、サイズが合っていない50点の洋服が52点になる事はありません。
似合っている洋服の組み合わせを考えてコーディネートする事で、90点を95点に引き上げる事は可能ですが、そもそも似合っていない50点の洋服をコーディネートしても大して意味がないような事です。
試着する技術
当ブログでは以前に試着室の男女比について紹介した事があるのですが、
男性よりもファッションレベルが圧倒的に高い女性ほど、試着をする意味を理解していると紹介しました。
女性は胸の大きさなど体型の個人差も大きいので尚更なのですが、男性の体型にも個人差があるので、しっかりと向き合う事でフィットした洋服を見つけやすくなります。
身長172cm、体重65㎏といった平均的な男性でも、筋肉質な人とそうではない人では随分と体型は違いますし、もって生まれた骨格も違うので胴長だったり、なで肩だったりするわけです。
一般的なMサイズがTシャツがピタリとフィットする人もいれば、全く似合わない人もいます。
肩幅がない男性であればゆったりとしたシルエットのTシャツのSサイズがフィットするかも知れませんし、ガッチリとした肩幅の男性だとスリムなシルエットのTシャツのLサイズがフィットするかも知れません。
洋服のサイズの表記に当てはまっている=似合うではありません。
あくまでも目安でしかありません。
私の身長は178cmで胸囲を計ってみると105cmだったので、この表に当てはめるとXLになるのですが、体重が63kgなので明らかにブカブカになってしまいます。
Lですら大きいので、スリムなデザインのLのシャツか、ゆったりとしたデザインのMのシャツをを選ぶとバランスが取れる事が多いです。
ただそれも目安であり、生地の伸縮性や洗濯後の縮み具合によってもバランスが変わる事もあります。
これが襟付きYシャツともなるとさらに大変です。首周りのサイズはS、胴回りはM、肩幅や丈はL、袖丈はXLに該当するので、どれを選んでもフィットしてくれません。
スリムなデザインのLの七分袖シャツでボタンをはだけて腕まくりをする着こなしであれば、それなりにバランスが取れるのですが、夏場限定の着こなしになってしまうので、基本的に現在の私は格安のオーダーメードのシャツばかりを着ています。
筋肉質なマッチョな男性だと肩周りや腕の筋肉が発達しているので、袖が通る事を前提で洋服を選ぶ事になり、ブカブカの洋服を着る事になってしまい、着ぶくれして似合わない事が増えてしまいます。スーツが似合うプロレスラーはいません。
もちろん彼らの肉体そのものはカッコ良いので、薄着の状態であれば十分に魅力を引き出す事が出来ますが、それは洋服の着こなしの技術には当てはまりません。
まとめ 試着力=着こなす技術
洋服を着こなす事というのは、和服を着る時に丁寧に時間を掛けて合わせていくように、購入前にしっかりとフィット感を確かめる事です。
和服のように着る度に時間が掛かるわけでもないので、購入時ぐらいは時間を掛けてきちんと選ぶのがポイントなのですが、実際にはこれを出来ていない男性がほとんどです。
ズボンを試着するなら、きちんとベルトをしてから確認した方がより正確になりますし、裾上げをするなら試着室から出て靴を履いた状態で行った方が失敗しなくなります。
上着でも下に着ているシャツや肌着の厚みによってバランスが変わる事もありますし、職場に着ていく洋服を購入するのであれば、ラフな恰好のまま試着するとバランスを見極める事が難しくなります。
自宅で洋服を着た後も大きな鏡の前で確認する習慣をもってください。雑誌のモデルには似合っていたコーディネートでも、自分の髪型や年代に合わないという事も珍しくありません。
何度も鏡の前の自分と向き合う事で、バランスが崩れてしまっている要因に気づくようになり、そのような要素を排除していく事が出来るようになります。
バランスの取れたオシャレな印象に映るファッションというのは、何か特別な目立つアイテムがあるからではなく、違和感が少ないからです。
ズボンの裾が詰まって皺だらけになっていたり、無意味に主張の強いベルトをしていたり、シャツの襟が汚れていたり、姿勢が悪かったりといった些細な違和感がいくつか積み重なってしまうと、一気に残念な印象に成り下がってしまいます。
靴のサイズもデザインや靴底やコバの厚みによって大きくも小さくもなります。全く同じ靴のサイズでもメーカーによって印象は随分と変わるものです。
テレビの企画などでプロのスタイリストのアドバイスで、ダサかったお父さんが見違えるような事がありますが、まさにあれが違和感を取り沿いていった結果です。
全く同じ格好をしたからといって全てのおじさんがカッコ良くなるわけではありませんし、分かりやすいアイテムのおかげで加点されたのではなく、減点対象を少なくしていった結果、悪くはないという評価になっただけです。
これは髪型で考えてみると分かりやすいのですが、カリスマ美容師にオシャレなツーブロックにカットしてもらったからといって、誰もがイケメンになれるわけではないような事です。
一方で髪がボサボサに伸びている不潔な印象の男性が、普通の床屋で綺麗にカットしてもらうだけで清潔感を取り戻す事が出来ます。
抜群に似合う髪型を見つけた事でプラスに働くケースがないとは言いませんが、これはファッションで言うところのコーディネートやTPOといった要素の事であり、着こなす技術に当てはまるのは不潔(違和感)なポイントを排除した事です。
若者のメンズファッションのような着崩す方法がないとは言いませんが、ある程度の年齢の男性が取り入れると清潔感が失われてしまいますし、自己満足意外のメリット(他人からの評価)はありません。
中高生ぐらいの男の子がヤンチャなファッションをしていても、肌質や髪質に溢れんばかりの清潔感があるので可愛げがあるのですが、成人した男性がそのようなファッションをしていると、一部の人からしか受け入れてもらえなくなってしまいます。
そのような恰好が活きる職場であれば良いのかも知れませんが、多くの一般男性には当てはまらないと思います。
若くて可愛らしい女の子が少女趣味の洋服を着ても問題ありませんが、ある程度の年齢の女性がフリフリの洋服を着ても誰も得しません。自己満足だけです。
「自分の好きな服を着て何が悪い!」
といった考え方の人であれば自由ではありますが、周囲の人からするとスエットのような部屋着を着てきた評価(TPO無視)になるので、なるべくなら一緒にいたくなくなってしまいます。
メンズファッションの着こなしに何を求めるのかは自由ですが、周囲の人(特に女性)から評価されたいという目的なのであれば、きちんと試着しながら自分の身体にフィットしている洋服を選ぶ事が、最も目的達成に近づくのではないでしょうか。
目立つアイテムで加点を狙っても、全ての人にとって加点要素になるとは限りませんし、人によってはマイナス要因にもなってしまいますが、減点対象を避けると全ての人からの評価が少し上がります。
うな重のようなものでも松竹梅のコースがあると、圧倒的に竹が選ばれる事が多いように、普通の評価というのは決して悪い選択肢ではありません。
ただ多くの男性は竹になっているつもりでも、「清潔感さえあれば良いんだろ」といった感じで適当に洋服を選んでいるので、ファッションレベルの高い女性からすると梅ばかりです。
一番需要があるはずの竹の男性が意外と少ないだけに、違和感が出る減点対象を避けていくだけで相対的に評価される機会が確実に増えていきます。
周囲に自分と容姿やスタイルがそれほど変わらないのに、妙に女性にモテる男性がいるのではないでしょうか。男性からすると同レベルに見えてしまうかも知れませんが、女性からすると清潔感がまるで違って映っているのかも知れません。
松を狙って個性的なファッションやハイブランドに挑戦する事が悪いとは言いませんが、それよりも先にやるべき事があります。多くの一般男性にとって役立つ「メンズファッションの着こなし」というのは、こちら側なのではないでしょうか。
丁寧に出汁を取った美味しいスープのラーメンの上に、ちょっと分厚いチャーシューが乗っていると評価が上がりますが、不味いスープのラーメンの上に特大チャーシューが乗っていても、チャーシュー好きの一部の人からしか評価されないような事です。
誰からも好かれる(嫌われない)竹のファッションと向き合わずに、梅を目指してもろくなことにならないので気をつけてください。
和服のように着こなし技術の差が出にくい洋服だからこそ、購入前の試着の技術が一番大事です。初めは試着室に入っても何がどう違うのか分からないかも知れませんが、鏡を見る機会が増える毎に些細な差に気がつけるようになるので、日頃からトイレの鏡の前でも自分の身なりをチェックする習慣をもって、試着力を磨いておいてください。
鏡の中の自分と向き合う事こそが、ファッションレベルを引き上げる一番の近道ですよ。
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