「スーツ男子の描き方」が面白い!視点を変えたファッション本

ファッションコラム

スーツ男子の描き方

本屋でたまたま見かけた「スーツ男子の描き方」という本をパラパラめくってみると、あまりにも新鮮な内容で即購入してしまいました。

「スーツ男子の描き方」というタイトル通り、マンガやイラストを描く方向けの本ではあるのですが、これはファッション好きの男性にとっても読み応えのある内容になっています。

多くのファッション本はブランドや生地の質や柄、コーディネートを深く掘り下げるのですが、あくまでもスーツそのものの見た目による僅かな違いを、的確にイラストで解説されていました。

一般的なファッション雑誌で紹介されている情報が悪いわけではないのですが、さも特定のブランドの洋服だけにしかない個性のように表現されてしまうことがあります。

「○○というブランドのスーツには体型をスマートに見せる効果がある」

のような表現をされると、さもそのブランドだけの特権のように勘違いしてしまうかも知れません。

本質を理解している人であれば、ブランドイメージに左右されることなく、しっかりと自分の体型と照らし合わせて判断することが出来ますが、その本質にフォーカスしてイラストで解説されているのが、「スーツ男子の描き方」の凄さです。

マンガ家の視点

「スーツ男子の描き方」を読むと、マンガ家さんの眼力の凄さに驚かされます。

冴えない人を演出する時に表情や髪型をだらしなくするだけではなく、スーツやコートの皺を上手に取り入れて演出していました。

しかもスーツの皺が出る部位、角度まできっちりと説明されています。時には腕を上げた時の肩パッドの盛り上がりまで表現されていました。

また普通の人、冴えない人、イケてる人のスーツの着こなし(見た目)の違いも、見事に誇張して表現されています。

これは似顔絵が上手な方が、僅かな特徴を誇張して描くことで写真よりも違いがわかりやすくなることに似ています。

似顔絵

またシャツの襟の角度やネクタイとラペルのバランスなど、一般のファッションにも通ずる内容も非常に多く見受けられます。

また太っている人を表現する時の描写も見事でした。ベルトの上にお肉がのるように描くなど、平面のイラストで立体感を出すために見事な演出があることに驚かされました。

ネクタイが短くてベルトに届いていないと太っているように見えるのは有名な話ですが、マンガ家さんは他にも様々な特徴を捉えているようで驚きでした。

イラスト図解の参考書

「スーツ男子の描き方」を角度を変えて見ると、イラスト図解されているスーツの着こなし本です。

イラスト図解の外国の本

もちろんイラストを描くポイントについても語られているので、一般の人には必要ない情報も多いですが、イラストだけに上手にポイントを汲み取っているので、非常にわかりやすい内容になっています。

ダサい人がなぜダサく見えるのかを、イラストで明確に表現してくれています。

これが実際のモデルが着用している写真だと表現が難しいといいますか、理想的なダサさにならないので比較が難しいのです。

あからさまにサイズが合っていない洋服であればわかるのですが、僅かな違いは写真だと伝わりにくいわけです。

ラストだからこそ上手く誇張されてわかりやすく表現されています

この「スーツ男子の描き方」を読んだからと言ってオシャレになるとは言いませんが、スーツが似合わない理由に気づけるのではないでしょうか。ダサいスーツの基準が明確になります。

スーツに限らず洋服が似合う人というのは、ダサくなるポイントを避けているからでもあります。プラスにするテクニックではなく、マイナスになるポイントを避けることが出来る人が、ファッションセンスが良いということになります。

多くのファッション本ではプラスのテクニックばかりを紹介していますが、マイナスのままだと何を着ても似合うことはありません。

洋服が似合わない条件、マイナスがわからない方におすすめしたい素晴らしい本です。

ファッション本

私は男性向けのファッションについて解説された本を何十冊か読みましたが、「スーツ男子の描き方」は本当に特別な一冊になりました。

多くのファッション本はシチュエーションに合わせたコーディネートを紹介することが多いのですが、ここまでスーツの見た目やシルエットの違いを掘り下げた本は見たことがありません。

オシャレなスーツ

当サイトでも洋服のサイズを合わせることの重要性について何度も語っているのですが、なぜサイズが合わないとダサく見えるのかを、イラストだからこそ上手く表現されていました。

マンガさんの眼力の鋭さに本当に驚かされました。

見た目の僅かな違いによる印象の違いを、普段から意識しているのだと思います。

一部の雑誌のように、

「休日のカフェテラスには○○のシャツと○○のハーフパンツが最高にオシャレ!」

オシャレなオープンカフェ

みたいな表現はありません。イケメンモデルがそのコーディネートをすれば確かにオシャレなんでしょうが、それが当てはまる一般人がどれだけいるのでしょうか。

休日のカフェテラスだろうが、深夜のファミレスだろうが、そもそも○○のシャツが似合うかどうかの方が重要です。

どんなに流行していようが、全く似合いもしないブランドのシャツを着ても魅力的なわけありません。むしろマイナスが強調されて痛いファッションになってしまいます。

俺はこのブランドが好きなんだ!

という考えもありますが、それよりもご自慢の俺の体型に似合うブランドを見つけた方が、ずっとカッコいいのではないでしょうか、好きな洋服と似合う洋服は全く別です。

オシャレな男性はモテますが、オシャレが好きな男性がモテるとは限りません。

参考オシャレ好きとオシャレな人の違い!

有名ブランドの洋服よりも、似合う洋服の方が絶対に魅力的です!

成金が乗っているピカピカのメッキの車を見て、カッコイイと感じる人は稀だと思います。お金目当てで近づいてくる人ぐらいしか褒めてくれません(本音ではバカにしているでしょう)。

メッキの車

カッコイイ洋服の着こなしというのは、特定のブランドの洋服をさすのではありません。高級ブランドが悪いとか良いとかではなく、自分の体型に合うブランドを見つけることではないでしょうか。

そもそもスーツには解かりやすくブランドのロゴが付いているわけではありません。よほどのファッション好きでもない限り、スーツの生地やシルエットや縫製を見てブランドを特定することは出来ません。

それでも多くの方がスーツが似合っているかどうかを判断することが出来ます。どう似合っているのかはわからなくても、何となくわかるものです。特に女性は一瞬で見抜きます。

洋服をカッコよく着こなすというと、何か特別なテクニックが必要だと思うかも知れませんが、実はそうではありません。

テクニックをプラスするのではなく、マイナス(ダサい要因)を徹底的に排除することがポイントになります。

腕まくりや裾をまくるようなテクニックがオシャレではありません。あれは着こなしではなく着崩しです。似合わない箇所を隠すためのテクニックであり、本質ではありません。

学生のような成長期であれば、洋服のサイズを合わせることが難しいので、そのような隠すテクニックに頼るのも良いとは思うのですが、成長の止まった大人がブカブカの洋服を着て腕まくりをする必要などないはずです。

もちろん手が汚れる可能性が高いシチュエーションであれば、腕まくりをすることは様になるものですが、いつでもどこでも腕まくりをしているというのは、夜にサングラスをかけているような印象にうつります。

しつこいようですが、似合う洋服を手に入れるには、購入時にきちんとサイズを合わせることが重要です。凄く、凄く重要です。

サイズ(シルエット)が合わなければ無理して購入することはありません。他のお店の洋服を試すだけです。

どんなに好きなブランドだろうが、雑誌で話題にブランドだろうが、似合わないものは似合いません。ブランドにこだわってしまうと、いつまで経っても似合う洋服は手に入れられません。

このようなブランド神話に惚れてしまっている方こそ、「スーツ男子の描き方」を読んでみてください。本質が理解できると思います。

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