ファッションに興味をもって良かったとしみじみ感じた出来事

ファッションコラム

ファッションへの興味

私がファッションへ興味をもつようになったきっかけを一言でいうと、「女性にモテたい」でした。

そう強く思うようになった経緯については他の記事でも色々紹介しているのですが、簡単に言うと、学生時代のような「なんとなく女性にモテたいなぁ~」ぐらいの気持ちではなく、心の底から強く「女性にモテたい」と思うようになったことで、ファッションへの興味がわくようになりました。

初めの頃はろくにファッションの知識もなく、的外れなオシャレをしてしまいましたが、徐々にポイントをつかめるようになり、実際に女性の方からお誘いがくるまでになれました。

現在ではそれなりに私が求めていた目的が達成されたわけですが、ファッションへ興味をもって様々な知識を学んだことには、ほかにも多くのメリットがありました。

初対面の相手との会話

私はファッションへ興味をもったことで、初対面の人と上手くいくケースが飛躍的に増えました。

オシャレになることで女性からの印象が良くなることは期待していましたが、多くの男性からも好意的に受け入れられるようになったと感じています。

ファッションへ興味をもつ前の私の恰好が、かなり酷かったということもあるのかも知れませんが、ファッションへの意識が高い若い世代からだけではなく、年配の方からも好印象を得られるようになりました。

数日前に印象深い出来事がありました。

近所のスーパーで献血が行われていたのですが、なかなか参加者が集まらないようで、必死に呼びかけている青年が目に入り、久しぶりに献血をすることにしました。

受付を済ませて献血用のバスに乗り込み、まず担当してくれたのが初老の男性のお医者さんでした。軽い質問の後に血圧を測ってもらっていたのですが、白衣の下のシャツに身に着けているループタイに目がとまりました。

私「素敵なループタイですね」

と声をかけると、彼は気恥ずかしそうに

医者K「あぁ、ありがとうございます・・・」

とうつむいたのですが、さらに私が、

私「いい感じに年季が入っていそうですね~」

と続けると、彼は嬉しそうに、

医者K「いや~実は私はループタイが大好きでして、これは平成8年に購入したものなので20年ぐらい愛用しています」

私「うわーそうなんですね、輝きとくすみ具合が絶妙ですね!」

医者K「・・・ありがとうございます。実はこれ展示会で一目惚れしたもので、私のコレクションの中で一番気に入っているループタイです。まさかこれに気づいてくれる方がいるとは驚きました」

と会話が弾みました。

(イメージ)

その献血バスには私しか患者がおらず、数人の看護婦さんがいたのですが、

看護婦A「○○先生、そんな趣味あったんですか?」

と会話に加わり、それからファッション談義に花が咲きました。

私が看護婦さんの靴がバラバラだったことに気がついて質問してみると、看護婦さんの靴の様々なルールを教えてくれました。

昔の看護婦さんが履いていた学生時代の指定上履きのような靴(ナースシューズ)は現在では主流ではないのだそうです。布製で足の甲の露出が多い上履きのような靴だと、注射針を落としてしまったときのリスクになるそうで、現在ではナースシューズも一般の靴のような形になっているのだそうです。

一方で献血バスの看護婦さんは外に出ることも多いので、特に指定はなく自由なんだそうです。スニーカーやクロッカスを履いている方がいました。白いクロッカスを見たのは初めてかも知れません。

また腕時計の話も面白かったです。

多くの看護婦さんがデジタル時計を身につけており、時間を計測するときに役立つのだそうです。

献血バスの中で最も小柄で華奢な看護婦さんが、Gショックの中でもかなり大きめのモデルを身に着けており、

私「男性用ですよね、邪魔にならないんですか?」

と質問すると、

看護婦C「旦那から奪いました」

と笑いながら答えてくれました。

それでも誰も腕時計のタイマーを使っておらず、キッチンタイマーのようなモノや砂時計で圧迫止血する時間や献血後に安静にする時間を測っており、

私「誰も腕時計使っていないじゃないですか?」

看護婦C「いざという時のためですよ。看護婦なら常識です」

看護婦A「大抵の先生は時間の測れない高級腕時計ですけどね~」

と献血バスの中が笑いに包まれました。

患者が私しかいなかったこともあるとは思いますが、ここまで賑やかに楽しく献血ができたことはありませんでした。

献血を終えて少し休み、最後にお茶かジュースと粗品を貰うことが習わしなのですが、

看護婦A「お茶とオレンジジュースのどちらがいいですか?」

と言われ、私がお茶を頼むと、

看護婦A「え~?私的にはオレンジがおすすめなんですけど~」

看護婦B「私もオレンジがいいとおもう」

私「なんで?オレンジが余っているの?」

看護婦A「そういうわけじゃないですけど、○○さんはオレンジでしょ!」

看護婦B「うん、そんな感じがする!」

私「あ、そう、じゃあオレンジで」

看護婦A「あと液体洗剤とウエットティッシュはどちらがいいですか?」

私「・・・どっちがおすすめなの?」

看護婦A「うーん、○○さんならティッシュかな」

私「じゃあ、それで」

看護婦B「あとこの中から好きなバッチを選んでください」

と献血のキャラクターのバッチがたくさん入ったカゴを見せてくれ、

私「・・・バッチはいらないかな」

看護婦A「ははは、やっぱり~」

といった感じでホントに明るく楽しい献血になりました。10分程度の献血時間にも関わらず名前を憶えてもらえたことにも感動しました。

私がファッションへ興味をもつことがなければ、ループタイの存在や看護婦さんの靴や腕時計のことなど、気がつくことはなかったはずです。

もちろんファッションの知識がなくても初対面の人と上手く打ち解けられる方であれば、あの献血バスのメンバーなら楽しくなるとは思いますが、昔の自分ならあり得ない出来事だったなと感じました。

ファッション知識はプロファイリング能力にもなる

この出来事ほど印象深いことが頻繁にあるわけではありませんが、小さなことならそれほど珍しいことではありません。

別のところで高級腕時計の必要性がわからない人向けの記事を書いたことがあるのですが、

参考高級腕時計は必要ない!?体験してみよう

高級腕時計に限らず、ファッションの知識があると会話のきっかけになるものです。初対面の人と打ち解けるに手っ取り早いのが、お互いに共通の話題を見つけることです。その共通の話題から相対する人の内面を深く知ることになります。

私自身がファッションに興味をもつことで、多くの方に好印象をもってもらえるようになったのも、初対面の相手にとって私が、どのような人物なのかを外見から判断する材料が増えたからなのだと感じています。

たとえば女性をナンパするのであれば、有名なナンパスポットでナンパ待ちの女性を狙うと思います。足早に歩いている女性やカップルの女性を狙うことはしません。暇そうな女性を狙うはずです。

百戦錬磨のナンパ師であれば、膨大な経験を元に女性の外見からより細かな分析ができるので、当然ナンパの成功率も高くなります。下手な鉄砲を打ちません。

一方でナンパ初心者であれば、誘いにのってくる女性を見極める能力がないので、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる作戦」しかありません。何度も何度も振られていくことで判断基準が構築されていきます。

このような判断基準というのは、何もナンパ師だけに当てはまるわけではありません。多かれ少なかれ誰もが初対面の人と相対したときに、自分なりの基準を元に判断しています。

他にわかりやすい例だと、強面な人がいかにも強面なファッション(サングラスなど)までしていると多くの方は避けていきます。深く関わりあう前に一瞬で判断します。

一方で強面でも清潔な恰好や常識ある髪型をしていれば、それほど強い拒否反応は出ません。話を聞いてみてから判断してもいいかなと思えるわけです。

そこで口調まで怖い人だったりすれば、それ以上関係を深めるようなことはしませんが、優しい口調で気遣いのできる方なのだとわかれば、関係を深めてみていもいいかなと判断できます。

昔の私のファッションで考えてみると、「男は髪型や洋服なんて何でもいい」といったスタンスだったので、型遅れのスーツをろくにメンテナンスもせずに着ていました。靴も磨いていません。よほど酷い寝ぐせでも付かない限り、髪型を整えることもありませんでした。

今の私が昔の私のような男性に出会えば、

髪型が合っていない→学生時代のままかもな→自分のことを客観的に見られないタイプだな→責任を周囲に押し付けるばかりで成長しない奴だ!

または、

靴を全く磨いていない→アッパーの深い皺はサイズがまるで合っていないな→踵の内側の擦り傷が酷いから脱ぎ方も適当だ→汚れが目立ってきたら安い革靴に履き替えるタイプだな→仕事も適当に手を抜く奴だ!

さらに、

5年前に流行した型のスーツか→モノを大事にするのはいいが、あの無様な皺はろくにハンガーにもかけていないな→ズボンの膝が抜けているじゃないか→学生みたいにお尻がテカっているとは・・・→彼に清潔感を求めるのは無理だな→何か注意しても気がつきもしないだろうな→お互いに成長しあえる関係を築ける奴ではない!

といった感じで判断すると思います。

ここまで具体的に頭の中で言葉にするわけではありませんが、ざっくりとこれらのような印象をパッと見た瞬間に受けることになります。ファッションに関する知識があると、このような分析をすることができます。おそらく専門的な知識がある分野であれば、多くの方も同じような分析ができると思います。

流行のファッションが好きな方は変化を好みますが、一方で飽きっぽいわけです。

オーソドックスな洋服を身に着けている方でも安い生地や縫製だとコスパ重視、長く愛用できる頑丈な生地や縫製や裏地があると本物志向、そこにメンテナンスによる変化まで感じられると、よりその人の内面(考え方)が浮き彫りになります。

それほど良い革靴を履いていなくても、綺麗に磨かれていて、しっかりと靴紐を結んでいれば、その人物には伸びしろを感じます。こちらのアドバイス(シューキーパーを入れると型崩れ防止になるよ等)を、しっかりと理解してくれるように感じます。

一方で高級革靴でも、靴紐をゆるく結んだまま固定し、無理やり押し込んで履き、靴同士を擦りながら脱ぐような扱いだと、すぐに無残な姿になってしまいます。そのような方に大切なことをお願いしたいとは思えません。

ファッションに限ったことではありませんが、何かしら不安にさせる条件があらわれると、それぞれの人が持っている判断基準の危険察知センサーが反応します

昔の私はファッションに関するこのセンサーがまるで機能していませんでしたが、ファッションに興味をもつようになったことで、少しずつ判断基準が身につき、多くの方のセンサーに弾かれなくなったと感じています。

ファッションに興味をもつということは、自らの外見が整うということだけではなく、相手の外見から内面を判断する新たな基準が身に付くということです。

新たな基準=成長

人によって危険な人物像、苦手な人物像は違いますが、判断基準にそぐわない人物があらわれると、「要注意!」と警告(ドキドキや寒気など)してきます。

人も仕事も中身が大切なのは間違いありませんが、その大切な中身を判断してもらう前に、外見で警告音がなってしまうと弾かれしまいます。

「ファッションに興味をもてない」

という男性も少なくありませんが、そのような方だって不潔な人といっしょにいたいとは思わないと思います。

不潔の基準も人それぞれですが、あなたにとって不潔だと感じるレベルが全ての人に当てはまるわけではありません。超潔癖症の方からすればとんでもなく不潔だと思われるかも知れません。

超潔癖症の人のレベルをファッションでたとえると、「雑誌で紹介されている有名ブランドの最新作以外は話にならない」といった極端なレベルの方なので、あまり気にすることはないのですが、自分のレベルだけで清潔感を判断してしまうと、他の人にとっては不潔だとセンサーが反応する可能性があります。

ファッションに興味がない多くの男性は、「男は清潔感があれば十分」だと考えているのですが、その清潔感のレベルが多くの女性の清潔感のレベルに達していません。

「清潔感さえあれば十分」では「少し不十分」です。

潔癖症のレベルにまで高める必要はありませんが、世間一般のレベル(多くの男性のレベル)よりも少し上にいけると、それだけで多く方の危険察知センサーに反応しなくなります。

ファッションのレベルも同様です。飛びぬける必要はありません。周囲のレベルより少しだけ上のレベルになれば、相対的にオシャレな人だと認識されます。

ただし、「半年に一度ぐらい新しい洋服に買い替えているから十分だ」のような考えだと、男性よりもファッションレベルの高い多くの女性から、ダサいという烙印を押されてしまいます。

「買い替えサイクルを三か月に一度にしろ」ということではなく、「しっかりとサイズを合わせた洋服を大切に扱いながらきちんと着る」ということです。傷んでいなければ一年以上着たって問題になりません。

洋服は扱い方によって寿命を大きく左右します。洗濯やアイロンだけではなく、ハンガーやブラシをかけることも大切ですし、洋服を着ているときの姿勢なども関係してきます。

洋服のメンテナンスについて考えられるようになると、擦れる箇所やその原因に気がつくようになります。いつも上着の肘が抜けてしまう方であれば、デスクワークの姿勢を改めなおす機会になってくれます。

靴磨きをするようになれば、靴底の減りの偏りに気がつくかも知れません。すると歩き方に意識が向くようになります。正しい歩き方になれば全身の姿勢に好影響が生まれます。

姿勢が良くなれば洋服に余計な皺が刻まれることも少なくなります。体型も引き締まっていきます。ますます洋服が似合いやすくなり、ファッションレベルも上がっていくわけです。

すると周囲の人の危険察知センサーに弾かれることが少なくなり、初対面の人でも気持ちよく関係を築いていけるようになります。

清潔感でもファッションでも新たな基準を手に入れない限り、レベルが上がることはありません。

「清潔感さえあれば十分」といったレベルの方ほど、手っ取り早く新しい洋服を購入すれば問題ないと考えてしまいます。

高級ブランドの最新作の洋服だとしても、サイズが合っていなければ似合いません。ろくに試着もせずに「俺はLだから」と選んでしまうと似合うわけがありません。また高級な生地ほど扱いが大変なので、メンテナンスを怠ればすぐに傷んでしまいます。

カシミアのセーターを自宅で洗うのは難しいです。毛玉だらけで伸びてしまった高級セーターより、しっかりとサイズを合わせてメンテナンスをしているセーターのほうが、ずっと清潔感があって似合うものです。

私がこのようなことを知れたのも、ファッションへ興味をもつことが出来たからです。ファッションに興味をもつきっかけは何でもいいとは思いますが、いわゆる見た目の印象が良くなるだけではないということを覚えておいてください。

新たな基準が構築され、人を見る目がどんどん研ぎ澄まされていきます。

後々面倒になる人を事前に避けられやすくなるだけではなく、素晴らしい人をより素早く見抜けるようになるので、人間関係がどんどん良くなっていったように感じます。

凄腕ナンパ師が絶対に無理な女性に声をかけないように、新たな判断基準が構築されると人間関係で失敗するケースも少なくなります。

素晴らしい中身をお持ちの方こそ、その素晴らしい中身を正しく伝えられるようになってほしいと思います。高級ブランドの高価な洋服が必要なわけではありません。しっかりと自分の体型や洋服と向き合うことでしかファッションレベルは上がりません。

また周囲の素晴らしい中身を持っている方に気づいて上げるためにも、新しい基準を受け入れて成長していってほしいと思います。

ちなみに私がおすすめするファッションというのは、きちんと身体のサイズに合わせた清潔感のあるファッションです。何か特別なファッションアイテムや有名ブランドの洋服や流行を取り入れるようなことではありません(詳しくはファッション基礎講座で解説しています)。

なんとなく新しい洋服を着るということではなく、全力で普通の洋服をきちんと着こなす方法について解説しています。

何かしらの目立つファッションというのは、同業者や一部の方には好意をもって受け入れられますが、それ以外の多くの方の危険察知センサーに反応してしまいます。

原宿で注目を集めるファッションというのは、原宿を一歩出れば好奇な目で見られてしまいます。原宿の中で楽しむのは構いませんが、それを職場に持ち込んだり、別の地域に持ち込んでしまうとアウトということです。

全力で普通の洋服をカッコよく着こなすことで、一部の超潔癖症やオシャレ好き(過ぎる人)以外の、多くの一般人の危険察知センサーに弾かれなくなりますよ

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