ガッテンで紹介していたヨレヨレの洋服の直し方を試して感じたこと
ヨレヨレの洋服の直し方
NHKのガッテンでヨレヨレになってしまった洋服の直し方が紹介されていました。
10リットルの水にキャップ一杯分の柔軟剤を入れ、ヨレヨレになった洋服を30秒ぐらい浸し、すすがずに脱水するという方法です。
これでヨレヨレが直るメカニズムは柔軟剤の成分によって生地が柔らかくなり、伸びたり縮んだりしている繊維が元の状態に戻るとのことでした。
私は日頃から洋服のメンテナンスを心がけているので、そもそもヨレヨレの洋服があまりないのですが、頻繁に着用する肌着が若干ヨレていたので試してみました。洗濯槽に一番少ない水量(13リットル)を貯め、そこのキャップ1杯分とちょっとの柔軟剤を入れ、軽くかき混ぜて浸してみました。
結論から言うと、確かに見た目のヨレは少しよくなりました。流石に新品とまではいきませんが、それなりに効果はありました。
ただし、デメリットも感じてしまいました。
柔軟剤の香り
それは柔軟剤の香りが強烈に残ってしまうということです。それはもう強烈です。
肌着なので上に洋服を着るわけですが、それでもイヤになるほど臭いです。私が使用している柔軟剤はそれほど香りが強いものではないのですが、耐え難い臭いで結局は着替えてしまいました。
ガッテンでも肌が弱い人向けに柔軟剤に浸して一度ヨレを戻した後に、通常の洗濯をする方法を紹介していたのですが、肌が弱くなくても必須なように感じました。
ただヨレが戻った肌着を普通に洗濯すると、前のヨレた状態に戻ってしまったので、あまり意味がないように思えます。
直接肌に触れないアウターであれば、それなりに効果があるのかも知れませんが、どうしても強烈な香りは残ってしまうので、柔軟剤選びは慎重に行う必要があります。Amazonで調べて見ると無香料のものが売られていました。
間違ってもダウニーのような香りの強い柔軟剤で試すべきではありません。普通の柔軟剤でも翌日に着る洋服には試さない方が良いかと思います。しばらく放置して香りを抜く必要があります。
基本のメンテナンスが大切
ヨレヨレになってしまった洋服を直せるのは嬉しいことですが、やはり一番大切なのはヨレヨレにならないようにすることではないでしょうか。
肌着のように生地に伸縮性のある伸びやすい洋服であれば、洗濯後に滑らないハンガーに干すことが大切です。普通のTシャツでも同じです。
皺になりやすい生地の洋服であれば、洗濯後に軽く振って細かな皺を伸ばして形を整えてから干すだけで、かなり皺が減るものです。
セーターのように伸びやすい生地であれば、ハンガーにかけずに平面にして干す必要がありますし、他の洗濯物と絡まないように洗濯ネットに入れることも重要です。
これらのような基本的なメンテナンスをしない人が、ヨレヨレを直す方法を取り入れても良い状態をキープすることなど出来ないので、たいして意味がないように感じます。
しばらく保管しておいてヨレヨレになってしまった洋服や古着であれば、かなり有効なテクニックだとは思いますが、普段から着ている洋服には役に立つテクニックではありません。
そもそもアウターであれば毎日洗濯をするものでもないですし、着用後にサッと洋服ブラシをかけて繊維の毛羽立ちを抑えたり、きちんとしたハンガーにかけることの方が、結果的に洋服を良い状態で保つことに繋がります。
簡単に洋服のヨレヨレを直せるからと、これらのメンテナンスを怠ってしまうのは本末転倒です。
まとめ ヨレヨレにしない工夫を
ガッテンで紹介されていたヨレヨレになった洋服を直す方法が悪いわけではありませんが、そもそもヨレヨレにならないようにすることが大切なのではないでしょうか。
私は肌着や下着は消耗品と割り切ってガンガン洗濯するので、あまり気にしていないのですが、その他の洋服はそれなりに気をつかっています。
洋服の生地の傷みの主な原因は洗濯機の中で擦れることなので、基本的に洋服は裏返して洗濯をしていますし、大切な洋服はネットに入れています。
最終脱水の前に絡まりをほどいてあげるだけで皺は大幅に減りますし、干す時にも様々な方向に振って偏った繊維を起き上がらせ、軽く皺を伸ばしながら形を整えます。
これはバスタオルで考えるとイメージしやすいと思います。バッ、バッと振るだけで乾いた後のふんわり感が違うようなことです。
アイロンが必要な洋服は八割ぐらい乾いたタイミングでアイロンをかけると、スチームなしでもピシッと仕上がるものです。そして最後に洋服ブラシで毛羽立った繊維を整えます。これをするだけで毛玉を抑えることができるものです。
全ての洋服にこのようなメンテナンスをするのは大変ですが、大切な洋服にはこのようなことをしています。
ガッテンのテクニックが悪いわけではありませんが、洋服の繊維についてしまったクセを完璧に直せるものではないので、結局は直ぐに戻ってしまうのではないでしょうか。
革靴のように靴墨で表面を覆えるものであれば、プロがメンテナンスをすると新品のような輝きを取り戻すことがありますが、流石に柔軟剤が生地の擦れを隠すようなことは出来ないので、過度な期待はしない方が良いかと思います。
柔軟剤の香りも人によって好みが分かれるので、あまり強烈な香りは漂わせるものではありませんし、柔軟剤によってコーディングされてしまうと汚れ落ちも悪くなってしまいます。
そもそも洗濯機に柔軟剤の投入口が別にあるのは、最後のすすぎのタイミングで投入されるようになっているからです。ガッテンではそこを濃くすることで効果を引き出すテクニックになっているわけですが、たっぷりと柔軟剤を含んでしまうと次回の洗濯に影響が出るかも知れません。
最近は洗剤や漂白剤や柔軟剤までセットになっている便利な洗剤も売られていますが、きちんと容量を合わせて個別に使用した方が、それぞれの機能を引き出しやすくなるものです。
未だに粉末の洗濯洗剤が売られているのは洗浄力が圧倒的に高いからです。水温が低い冬場などは液体洗剤の方が良いというケースもありますが、洗浄力にこだわる方はぬるま湯で溶かしてから洗濯槽に入れています。
これらのように便利なだけに失われているものがあるものです。あまり汗をかかないから洗浄力が弱くても構わないなど、しっかりと見極めているのであればいいのですが、安易に便利そうなものに食いついてしまうと、思わぬ落とし穴にハマってしまうものです。
ガッテンで紹介されていた洋服のヨレヨレを直す方法も同じです。条件が当てはまれば素晴らしい選択肢になるかも知れませんが、本質を見誤っていると意味がありません。
だからこそ、改めて日頃の洋服のメンテナンスを意識してほしいと思います。
洋服をヨレヨレにしている原因を見極めてください。Tシャツの襟を広げて脱いでいるようでは、どんなテクニックを使って戻しても意味がありません。生地が滑りやすいハンガーしか持っていないようでは元の木阿弥です。
洋服の洗濯表示を確かめるようにしたり、洗濯機の説明書を読んだり、干し方を工夫したり、日頃の姿勢やクセを改めたり、ハンガー選びなども含めて洋服がヨレヨレになってしまう原因を考えてみてください。
洋服の生地よっても洗濯の仕方は随分と違うものです。
ちょっとした汚れなら洗濯機のスピードコースの方が傷みが少なくなりますし、一部の汚れの為に浸け置き洗いをしてしまうと、その他の箇所の傷みが激しくなってしまうものです。小さな醤油の染みを落とす為に全体を洗う必要などないはずです。
これらのメンテナンスが面倒な方は、生地に適度に化学繊維を織り交ぜられて皺になりにくい洋服や皺が目立ちにくい洋服を選んでください。
中途半端に背伸びして高級ブランドの天然素材の生地を選んでしまうと、かえって清潔感が失われてしまいます。
メンテナンスが楽な洋服を選ぶというのも立派な選択肢の一つなので、それぞれの使用環境に合わせて上手に選んでみてください。ヨレヨレになった洋服を直すことよりも、ずっと簡単で効果的だと思います。
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