「一流に見える服装術」は男性ファッションの基本が学べる名著!
一流に見える服装術
今回紹介する本は「たかぎ こういち」さんの「一流に見える服装術」です。
サブタイトルが『センスに関係なく「最適な服」が選べるスーツスタイルの教科書』となっている通り、男性向けのファッションが大変わかりやすく解説されています。
体型別に洋服が似合わないポイントを、わかりやすくイラストで解説してくれます。
以前に漫画家さん向けの指南本「スーツ男子の描き方」という本を紹介したことがあるのですが、
「一流に見える服装術」も適度にイラストをはさむことで、特徴をわかりやすく誇張してポイントを理解しやすくなっています。
まさに教科書!
当サイトでは、ファッション雑誌などでよくある特徴的な着こなしテクニックではなく、基本に忠実な着こなし方を紹介しているのですが、「一流に見える服装術」も基本に忠実な内容になっています。
- 最低でも○○ブランドは必須!
- 生地は○○100%!
- 今年の流行は○○で決まり!
のような、特定のブランドや洋服をすすめてくることはありません。
あくまでも自分の体型に合った洋服を選ぶ基本を学ぶことができます。まさに男性ファッションの教科書です。
しかもポイントでイラストをはさんでくれているので、とてもわかりやすくて感動しました。成功例だけではなく、失敗例(似合っていない状態)のイラストが大変わかりやすいのでおすすめです。
正直に言うと、感動というか嫉妬しました(苦笑)。私に画力があれば、当サイトでも随所にはさみ込みたい衝動に駆られました。
似合っていない洋服の状態を写真にとって掲載することもあるのですが、どうしても自分で撮影するとなるとカメラを持つ手の影響があるので、中々狙った通りに撮影することができません。また私は顔出しをする勇気もないので、首元の襟の収まり具合などは撮影できていません。
「一流に見える服装術」は本当に見事です。
文章で説明している書籍は他にもありますが、文章だけだとなかなかイメージがしにくいものです。何度も洋服選びを失敗しながらも、自分の体型と向き合い、少しずつ成長していくことで腑に落ちていくものなのですが、「一流に見える服装術」を読めば一気にファッション初心者から卒業できるかも知れません。
写真は意外とわかりにくい
ファッション雑誌や大衆紙によく登場している、ファッションバイヤー&ブロガーの○Bさんを御存知の方も多いと思うのですが、彼のファッションは意外とわかりにくいものです。
彼の着こなしはとてもオシャレなのですが、彼自身が特徴的な髪型で髭も生やしており、個性的なルックスと相まってカッコよく見えてしまいます。一般男性がそのまま真似てもカッコよく着こなせるイメージがわきにくいのです。
しかもカジュアルなファッションが多いので、どちらかと言えば着崩したスタイルが多く、私は参考にするのは難しいと感じています。
着崩したスタイルは難易度がとても高いです。ファッションレベルの高い女性は、あえてサイズの合っていない大きな洋服を着こなすことが出来ますが、かなり緻密な計算がされています。
もし彼女がシャツの第一ボタンを外していたり、スカートの上にシャツを出していたら、一気にだらしなさが漂ってしまうかも知れません。
本当に微妙なバランスの上で成り立っています。あえてやっているのが周囲の人にも伝わるからこそ、特別な着こなしでオシャレだと認識されます。
ファッション初心者の男性が安易にこのような着崩したスタイルを取り入れてしまうと、あっさりとバランスを崩してしまいます。
基本がわかっていないと、しっかりとサイズを合わせるポイントと着崩すポイントの違いがわかりません。安易に「大きめの洋服を着ればいいのか」と勘違いしてしまい、お下がりを着ている子供のような着こなしになってしまいます。
カジュアルな洋服をオシャレに着こなしている方というのは、単純にサイズの大きな洋服を適当に選んでいるのではなく、実際に試着をしてポイントを確認しながら判断しています。
隠し切れないポイントがあると、あえて腕まくりをしたり、他の洋服と組み合わせて隠すことが出来ます。
しっかりと洋服を着こなす基本が身についているからこそ、AラインやVラインといった変化球にも挑戦できるわけです。
まともに直球を投げられないピッチャーが変化球ばかり投げていては、コントロールは身に付きません。
ファッション雑誌に登場する容姿端麗でスタイル抜群のモデルさんは、変化球の着こなしが多いです。雑誌としても毎回ストレートだけを見せていては差別化できないので、常に新しいスタイルを提案する必要があるのですが、ろくにコントロールできないファッション初心者が変化球に手を出してしまうと、残念な結果になってしまいます。
運転でたとえてみた
基本が大事だということをもっと伝えたいので、今回はあえて車の運転でたとえてみます。男性であれば多少は車の知識があるのでイメージできると思います。
プロのレーサーは決してドリフト(タイヤが横滑り)などさせません。タイヤが滑ってしまえばタイムがロスしますし、タイヤも傷んでしまいます。
横滑りする前の限界ギリギリのところで匠にコントロールしてコーナーを曲がっていきます。
一方で魅せることに特化したドリフトのレース(D1グランプリ)もあります。車が横を向いて派手にタイヤを滑らせてコーナーを曲がっていくので、素人目に見ても凄さが伝わってきます。
一方でF1がコーナーを曲がっていく姿を見て状態を細かく分析するのは、相当な知識がないとできません。僅かな車体の挙動の違いから
「立ち上がりでちょっとアンダーで踏めていない」
「クリップにつけていないからタイヤがたれてきたかも」
なんて会話を解説者がすることがあるのですが、よほどのF1好きでもない限り、意味がわからないと思います。
ファッションも似ています。それなりに知識がないと「どうして似合っているのか」を分析できません。レースにはタイムという目安がありますが、ファッションにはそのような絶対的な目安はありません。基本的にTPOから外れていなければ何でもありです。
私自身もそうだったのですが、ファッションの知識が乏しいと、ドリフトのようなわかりやすいものに飛びついてしまいます。
いわゆる高級ブランドのロゴが目立つ派手な洋服などです。
車の運転技術が未熟な人がドリフトに挑戦しても上手くいくわけがありません。車を横滑りさせることだけなら、やり方を知ればできることですが、そこで絶妙なアクセルコントロールとステアリング裁きが出来なければ、ドリフトを維持することなど出来ません。おつりを貰って反対側にスピンして止まってしまいます。
D1グランプリに出場するプロは、しっかりと基本も身につけています。コーナーのラインをしっかりと理解し、タイヤの限界を見極めた上で、絶妙にタイヤが滑り続ける程度の限界を超えてコントロールしています。
だからこそ、見た目も派手でスピードもそれなりにあるドリフトで観客を魅了することができます。
カジュアルなファッションを着こなすのも似ています。しっかりと基本が身についている人だからこそ、絶妙に狙った範囲で着崩すことができます。
古着をラフに着こなすとしても、全身をラフにすることはありません。手入れの行き届いた靴だったり、常識的な腕時計だったり、清潔感のある髪型だったりするものです。あえて古着を選んでいるのが周囲の人に伝わります。
一方で安易に古着を取り入れてしまうと、汚いスニーカーのまま上下を古着にしてしまったり、ボサボサの頭で無精ひげを生やしてしまったりします。すると周囲の人からは、ただの清潔感のない残念な奴と認識されてしまいます。
オシャレな男性の中には髭を生やしている方がいますが、髭は本当に難しいです。少しでも手入れをさぼってしまうと一気に残念な印象になってしまいます。
逆に全身を綺麗目にまとめて、あえて無精ひげというスタイルの方もいます。これもシャツがヨレヨレだったり、靴が汚れていると、一気に「だらしのない奴」と烙印を押されてしまいます。
このような微妙なラインを狙うことなど、ファッション初心者にはまず出来ません。
清潔感のある若者であれば、残念な着こなしでも「オシャレしたい年頃なんだなぁ」と周囲が暖かく見守ってくれるかも知れませんが、年齢が上がるほど周囲の人の目は厳しくなっていきます。
まとめ 基本が大切
型破りなことが出来るのは、型を極めた方だけです。
習字の達人が書いた文字は素人には読むことすら出来ないことがありますが、しっかりと学んできた書道家の目には、素晴らしい作品とうつるわけです。
素人が達人の書いたわけのわからない文字を真似ても、とめ、はね、はらい、そしてバランスがわかっていないと、ただの駄作になってしまいます。
ファッションも基本が大事です。しっかりと自分の体型と向き合い、似合う洋服のサイズを見極められるようになる必要があります。サイズ感がイマイチな方が、生地や柄の組み合わせを考えてコーディネートしても大した意味はありません。
書道の達人やF1パイロットのレベルを目指す必要はありませんが、やはり初めはしっかりと基本を学んでほしいと思います。
このファッションの基本を学ぶことが出来るのが、「一流に見える服装術」です。
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一流に見える洋服が一流ブランドの洋服ということではありません。しっかりと自分の身体と向き合って基本に忠実な着こなしが一流に見える洋服ということです。
ちなみに「一流に見える服装術」の70ページに印象的な言葉が紹介されていました。それは、
「下品な服装は服だけが目につき、上品な服装は人物を引き立たせる」
シャネルの創業者、ココ・シャネルの言葉です。
あなたという素晴らしい人を周囲の人に正しく知ってもらう為にも、上品な服装を身につけてください。
どんなに素晴らしい人間でも、下品な服装では相手にしてもらえません。
「人を外見で判断してはいけない」とも言いますが、誰だって初対面の人と相対する時には見た目の印象で判断をします。
これはルックスやスタイルのことだけではありません。どんなに美人でもイケメンでも初対面でいきなり睨みつけてきたら、いい気はしないはずです。私ならその場を離れます。
後から別の人に「あの人、目つきは怖いけどいい人だから」と言われても、スパッと気持ちを切り替えられるものではありません。どうしても最初の印象を引きずってしまいます。
その後に進展することがあるかも知れませんが、人間関係を構築するには時間がかかってしまいます。
これは目つきだけではなく表情や声色も同じです。しかめっ面だったり、ドスの効いた声で「初めまして!」と言われても身構えてしまいます。
誰だって人を外見から判断してしまいます。内面が大事なのは間違いないですが、やはり外見から受ける印象は小さくありません。
容姿や身長をコントロールすることは簡単ではありませんが、服装をコントロールすることは誰にだって出来ます。
戦後のモノが少ない時代であれば仕方がないかも知れませんが、現在では安くても良い服がたくさん見つかります。お金がないからは理由になりません。
相手に気持ちよく接してもらえる上品な服装を選んでください。
それは変化球のような突飛な洋服ではありません。誰でもストレスなく読むことが出来る習字の文字のような、いたってシンプルな清潔感のあるバランスの取れた洋服です。
本当に大切な内面を相手にしっかりと見てもらう為にも、基本を大切にしてほしいと思います。
しっかりと基本(ストレートのコントロール)を身に着けることが出来れば、たまに投げる変化球が活きてくるものです。
当サイトでもこのような基本的な情報を私なりにたくさん紹介しているので、是非とも参考にしてほしいのですが、「一流に見える服装術」は本当にわかりやすく綺麗にまとめられているのでおすすめです。「~教科書」というサブタイトルに納得に内容でした。
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過大なるお褒めの言葉に恐縮致しております。読者にお伝えしたかった事を明確にかつ他の事例でご説明頂き誠に深く感謝致します。