TPOを意識した男性ファッションの上手な選び方
男性ファッションにおけるTPOの重要性
ファッションでも言葉遣いといったものでも、TPOに合わせる事は凄く重要なポイントになるのですが、最近はこれを軽視する人が増えており、実際に昔ほど厳しくもないので許されてしまうケースも増えているのですが、それだけに伸びしろがあると感じています。
これはスーツ離れなどにも当てはまる事なのですが、スーツのように男性の魅力を引き出しやすい洋服を手放してしまうと、むしろファッションの難易度が上がってしまうものです。
カジュアルなファッションは自由度が高いだけに選択肢も多く、相手側の好みによっても印象が左右するので、TPOにバシッと合わせる事が難しいです。
TPOの重要性を理解するには、TPOに合っていない男性のファッションで考えると分かりやすいのですが、有名人で分かりやすいのはホリエモンでしょうか。彼のように自他共に認める実力者であれば、TPOを超越してしまうので問題になりません。
どの業界にも天才や実力者がいる者ですが、そのような立場の人物であれば、あえてTPOから外れたファッションでも個性として受け入れられる傾向があります。
ただ私も含めて多くの一般人男性はそうではないはずです。横並びの実力者の中でTPOすら意識できない人物を、わざわざ選ぶような事はありません。
スーパーで売られている果物や野菜でも、誰もが形や色が良い物を自然と選んでしまうように、完全無農薬の特別なブランドの野菜や果物でもない限り、見た目が悪い物は避けられてしまいます。
これはファッション基礎講座で伝えている普通の洋服を丁寧に着こなす事とも通じているのですが、これといった武器がない多くの一般人こそ、当たり前の事と丁寧に向き合う事で、同レベルの男性の中から頭一つ抜きん出る事が出来るようになります。
リンゴで言うなら汚れを落とす事やワックスをかけて輝かせるような事です。元々のリンゴの味は変えられませんが、同レベルのリンゴが並んでいる中であれば、有利になってくれます。
TPOといった要素も同じで、ずば抜けた実力者であれば超越してしまう事もあるのですが、そうではない場合は相手から嫌われてしまうかも知れない失礼な要素というのは、徹底的に排除しておく必要があります。
TPOに合わせる事で得をするメリットは昔ほどありませんが、合わせない事によるデメリットは依然として残っているので軽視しないでください。
TPOを意識した洋服選び
TPOを意識した洋服選びのポイントは、それほど難しい事ではありません。いわゆる王道のファッションを選んでおけば、大きく外れる事はありません。
TPOにバシッと合わせるというよりも、大きく外れないように意識する事がポイントです。
例えば葬儀に黒いスーツや黒い革靴を合わせるのは誰もが意識できていると思いますが、この黒い革靴だけをとってもバシッと合わせるのであれば、内羽式のストレートチップやプレーントゥが良いとされています。
革靴には様々なタイプがあり、外羽式よりも内羽式の方がフォーマル度が高く、装飾の要素があるUチップやウイングチップなどは弔事ではNGとされています。
ビジネスの場のスーツに合わせるのであれば問題ありませんし、金具が付いているモンクストラップや茶色い革靴でも大丈夫なのですが、黒い革靴さえ履いておけばOKぐらいに考えている人が多いので、葬儀にカジュアル要素が強いローファーを履いてくる年配男性も珍しくありません。
つい先日に親戚の葬儀があったのですが、フォーマル度の高い内羽式のストレートチップやプレーントゥを履いている男性は少数派でした。中には黒いブーツや光沢のあるエナメルの黒い革靴を履いている人までいました。
これらのようにバシッとTPOに合わせるのであれば、かなり細かなルールがあるのですが、だからといって外羽式のUチップを履いている男性に対して、失礼だと感じる人は多くありません。
私のようなファッション好きは気になってしまいますが、多くの人にとっては重要な事ではなく、よほど目立つものでなければ問題にはならないものです。
だったら何でも良いという事になってしまうのですが、それでも王道の革靴を選んでさえいれば、余計な装飾のない黒のストレートチップになるので、大きくTPOを外れるような事にもなりません。
問題になるのは中途半端にお洒落な要素を取り入れたり、こだわりを入れてしまう事です。
きちんと場に合わせて使い分けられるのであれば良いのですが、そうではないファッション初心者の男性ほど、王道のファッションアイテムを選んでおいた方が、大きくTPOを外さずに済みます。
これを覚えておいてほしいのですが、中途半端な背伸びほど質が悪く、初心者ほど分かりやすい要素に頼ってしまうだけに、大きくTPOから外れてしまいます。
このような装飾性の高い革靴は結婚式では許されますが、葬式ではマイナスです。
「黒い革靴であれば何でもいいんだろ!」
程度の認識だとしても、中途半端にこだわってしまったせいでTPOから外れて評価を下げてしまいます。
普通のファッションを丁寧に着こなしていれば、大きくTPOから外れる事もないのですが、こだわりがあるファッションほどTPOに対応できる範囲が狭まってしまうので、使いどころが難しくなります。
ファッション上級者であれば、範囲の狭い個性的なファッションでもビシっと合わせる事ができますが、ファッション初心者の男性ほどズレてしまうので、あまり余計な事はするべきではありません。
TPOを意識した洋服選びというのは、ありふれたファッションを丁寧に着こなす事です。腕時計一つとって考えてみても、シンプルな針時計の黒い革のベルトの腕時計であれば、どこに身につけていっても問題ありませんが、個性が強い腕時計ほど場を選ばなければならなくなります。
パーティーや結婚式の2次会のような場であれば、金ぴかに輝く腕時計でも似合うかも知れませんが、普段使いとしてその輝きが活きる場など多くありません。
洋服でも襟付きシャツやジャケットであれば、大抵の場に通用しますし、よほど目立つカラーやデザインでなければ、居酒屋やラーメン屋でも違和感なく収まります。
カジュアル過ぎると場違いになってしまう事もあるので気をつけてほしいのですが、この辺の線引きをTPOを意識する事で綺麗めの清潔感のあるファッションに引き上げてほしいと思います。
これだけだと何の方向性も示していないので、あまり良いアドバイスになっていないかも知れませんが、中途半端なこだわりのせいでTPOから外れてしまう事が多いので、そこだけは気をつけてください。
TPOに合わせるコツ
TPOに合わせるコツは凄く単純で、その場に違和感なく収まっている人のファッションを真似するだけでOKです。
洋服のデザインやカラーなどを、そっくりそのまま真似たとしても全く同じブランドでもない限り、相手に気づかれるものでもないので問題になりません。
会社の同僚でも先輩でも良いのですが、成績が優秀な人や信頼の厚い人のファッションやコーディネートを真似ておけば、大きくTPOから外れる事はありません。
むしろファッション雑誌のコーディネートを参考にしてしまう方がリスクが高いです。モデル体型のイケメンだから許されるファッションだったり、お洒落な街並みだから違和感なく収まるファッションだったりするので、むしろTPOからズレてしまいやすくなります。
何年か前にメンズファッション誌でやたらとクラッチバッグを勧めていた事があったのですが、持ち手のない小ぶりなクラッチバッグというのは、基本的に車に乗っている人にしか似合いません。さらに言うならお洒落な都会で高級車に乗っているイケメン男性だけに許されたお洒落アイテムです。
電車通勤でクラッチバッグをもっていると滑稽に映ってしまいますし、田舎で国産車に乗っているおじさんがクラッチバッグを小脇に抱えていても、古臭いセカンドバッグみたいに映ってしまいます。
他にも白いズボンもやたらとファッション雑誌で紹介されていたのですが、これも使いどころが難しく、コーディネートも凄く難しくなるので、ただただ汚れや皺だけが目立って不潔な印象になってしまいます。
どちらも限られた条件の中でしか活きないファッションアイテムです。安易に取り入れてしまったばっかりに残念な印象になってしまう男性が続出したので、案の定数年でブームは廃れてしまったのですが、ファッション雑誌というのは常に新しい提案をして新しいアイテムを売らなければならないので、おかしな要素でも過剰にアピールしてくるものです。
TPOに合わせるファッションのコツというのは、あくまでもその場に合わせる事が大切なので、その場で上手くいっている人のファッションを参考にするのが一番簡単でお勧めす。
もちろん年代や立場が違い過ぎると、そっくりそのまま真似ても違和感が出てしまうので、ある程度の共通点は意識する必要があるのですが、同僚や少し上の先輩で上手くいっている人を参考にするのが最も簡単で得策です。
女性受けを狙うなら
TPOから大きく外れない事が前提ではありますが、そこに女性受けを狙う要素を付け加えたいのであれば、男性向けのファッション雑誌よりも、女性向けの雑誌の中で紹介されている、素敵な男性のファッションといったものが参考になります。
これは逆の立場で考えてみると分かりやすいのですが、男性向けの雑誌に登場する魅力的な女性のファッションと、女性向けの雑誌で紹介されている女性ファッションというのは、大きな隔たりがあるものです。
男性よりも圧倒的にファッションレベルが高い女性というのは、男性受けだけでなく周りの女性からの評価も気にする必要があるので、男性からすると魅力に全く影響がないネイルのような要素まで気にしなければなりません。
もちろん男性だって明らかに汚い爪の女性が良いとは言いませんが、普通であれば何も問題ないはずです。むしろ過剰な付け爪をされるとマイナス評価になってしまう事もあるのではないでしょうか。
これは男性向けのファッション雑誌でも同じであり、女性からすると「そんな事にこだわられても関係ないよ」といったポイントがアピールされていたりします。
腕時計のムーブメントの精密さなど、女性からすると全く興味がありませんし、高級素材や希少な金属にも興味がありません。
私も男なので職人の手仕事や厳選された特別な素材や、数量限定の特別モデルといった要素に惹かれてしまう気持ちは分からなくはないのですが、女性からするとプラス評価になるわけではありません。
これは男女の脳の違いでもあるのですが、男性は見た目よりもスペックという要素を重視する傾向があり、女性は細かな事よりも全体の見た目の印象を重視する傾向があります。
ファッション雑誌で紹介されている素人のファッションチェックのようなコーナーでも、男性向けの雑誌だとブランド名や価格が表示されているのですが、女性向けの雑誌だとブランド名はあっても価格が表示される事が少なく、こだわりのポイントといった要素が紹介されています。
私自身もあるファッション誌のスナップ撮影をされた事があるのですが、撮影後に聞かれた質問の答えが期待外れだったようで、掲載される事がありませんでした。
要するに男性目線のお洒落のこだわりというのは、女性に響かない事が多いので、女性目線による男性ファッションを参考にした方が、圧倒的に女性受けが良くなります。
最近はスマホなどで雑誌の読み放題などが普及しているので、男性でも気兼ねなく女性ファッション誌を読めるので参考にしてみてください。
雑誌の他で女性目線による男性ファッションで参考になるのは、女性視聴者が多いお昼の情報番組などに出演している男性芸能人や男性アナウンサーのファッションです。
朝や夜のニュース番組だとビシっとスーツを着ている男性が多いですが、お昼や夕方の情報番組の主な視聴者は女性なので、出演している男性達のファッションも女性受けが良い要素が取り入れられています。
特に男性アナウンサーは清潔感も求められるだけに、プロのスタイリストがその辺のバランスも考えて綺麗めのファッションを上手くまとめているので、多くの一般男性の参考になるはずです。
流石にガチガチのビジネスの場だとカジュアル過ぎるかも知れませんが、清潔感のあるカジュアルなファッションという意味では、参考にするべき対象として優れています。
中でもヒルナンデスというお昼の番組では、ダサい旦那さんをカッコ良くコーディネートする企画が放送される事があるので、チェックしてみてください。
流行のアイテムや奇抜な恰好に頼る必要はありません。至って普通のファッションでも、バランスよく仕上げると印象が変わるのが理解できるはずです。
TPOという意味でも慶事や弔事でもない限り、幅広く通用しやすいファッションなので、録画してでも参考にする価値がありますよ。
まとめ TPOは外さないのがポイント
おそらくホリエモンぐらい凄い人であれば、どこにTシャツ姿で行っても「来てくれただけで凄い!」といった評価になるのでTPOなど気にしなくても良いのですが、何のイメージもない一般人が同じような恰好でどこにでも行ってしまうと、ただただ評価を下げる事になってしまうので気をつけてください。
ちなみにホリエモンが出所して間もない頃のファッションは、襟付きのシャツにジャケットを合わせており、私には凄く素敵なファッションに映りました。
飲ませて良いのだろうか…w pic.twitter.com/zMtbvrNN7P
— MikaJohn (@mikajohn) March 27, 2013
痩せていた事もあるのかも知れませんが、それまでのカジュアル過ぎるファッションよりも、ずっとお洒落な印象になっていたものです(直ぐに戻りましたが)。
時代の流れもあってTPOに合わせる重要性は下がってきてはいるのですが、それだけに適当な男性も増えているので、ちょっと改善するだけでも相対的に相応しい人物に見られやすくなります。
同じようなリンゴが並んでいる中で、一つだけ綺麗に磨かれていれば選んでもらいやすくなるように、ちょっとした事で評価されやすくなる事は珍しくありません。
私も含めて多くの一般男性は、一部の天才や実力者やお金持ちやイケメンといった武器をもっていないと思うので、しっかりとTPOに寄せていく事で、周りの同レベルの男性の中から頭一つ抜きんでる事が出来るようになります。
その為にも中途半端なこだわりや目立つ要素を取り入れるのではなく、王道のファッションと丁寧に向き合ってみてください。
ただ王道のファッションといっても多くの男性はフィット感がイマイチだったり、姿勢が悪かったり、清潔感がなかったりするので、
しっかりとサイズ合わせをしたり、姿勢を正したり、歩き方を意識したりといった基本を疎かにしないでください。
これといった特徴がない洋服でも、丁寧に着こなすと相対的に印象が良くなりますし、目立つ要素がないだけに誰からも嫌われるリスクもありません。
男性ファッションにおけるTPOというのは、バシッと合わせる事よりも大きく外さない事が重要なのであり、その為に有効なのが普通のファッションを丁寧に着こなす事なので、改めて基本に忠実に向き合ってほしいと思います。
この辺のバランスは料理の食器で考えてみると分かりやすいのですが、あくまでも料理が主役なのであり、個性が強過ぎる食器というのは使いどころが難しいだけに、活きる機会が多くありません。
だからといって適当なお皿で良いというわけでもなく、大きさや清潔さや料理を邪魔しない色や形などは意識する必要があります。
中途半端にお皿のデザインにこだわってしまうと、料理を台無しにしてしまったり、洗うのが大変で汚れが残ってしまったり、重ねて収納できなくて邪魔になったりしてしまいます。
男性ファッションにおけるTPOのバランスといったものも同じで、シンプルな王道のお皿がいくつかあれば大抵の料理に対応できるように、普通のファッションと丁寧に向き合う事が何よりも大切な事です。
ふぐ刺し用のお皿のように薄くカットした事がアピールできる柄が良いケースもありますが、ふぐ刺し以外には役に立つ事はありません。
これは目立つ腕時計のような事であり、自分が主役のパーティーのような場ぐらいしか使い所がありません。
一方で同じぐらいの大きさのお皿でも白くてシンプルなものであれば、その他の料理にも違和感なく使えますし、ふぐ刺しを盛り付けても悪いわけではありません。
TPOにバシッと合わせられるファッションアイテムを揃えるとなると、知識も予算もスペースも求められるので、ファッション初心者にとっては簡単な事ではありません。
一方で違和感なくフィットした清潔感のあるファッションであれば、少なくとも大きくTPOを外す事はないので、まずはそこを徹底的に向き合ってみてください。
基本が身についた上でTPOに合わせていくのであれば良いのですが、基本を疎かにしたままTPOに合わせたところで、上手く着こなせなくてボロが出てしまいます。
条件が近いはずのスーツ姿のサラリーマンや指定の制服を着ている学生でも、スマートに着こなしている人もいれば、だらしのない人がいるように、同じような洋服でも着こなしのレベルの差によって印象は大きく変わります。
特定のアイテムさえ購入すれば解決する問題ではないので、そこは間違えないでください。
洋服のタイプやコーディネートに関しては、その場で上手く立ち回っている人(飛びぬけた天才は除く)を参考にするか、お昼の番組の男性アナウンサーのファッションを参考にしてみてください。
TPOに関してはこれぐらいで十分です。バシッと合わせる事よりも外れない事が重要なので、中途半端なこだわりを入れずに、基本に忠実に丁寧に着こなせるようになりましょう。
次はファッション初心者にお勧めのジャケパンスタイルの魅力について紹介します。これはあくまでも私のお勧めなのであり、ジャケパンスタイルでなければならないというわけではないのですが、ファッション初心者にとって難易度が低いスタイルなだけに、上手くいきやすい傾向があります。
次は:Ⅲ-3 ジャケパンスタイルの魅力は経験値が得られる事
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