残念なファッションが分からない人は車をイメージしてみよう

ファッションコラム

車好きは残念なファッションが多い?

車好きに限った事ではないのですが、何か特定のジャンルに強いこだわりを持っているマニアな人ほど、素っとん狂な残念なファッションをしている傾向があります。

その興味のあるジャンルの選択基準が普段着にも影響する事が多いので、マニア以外の人からすると場違いなファッションに映ってしまいます。

釣りや登山のようなアウトドア好きの人ほど、普段からカラフルな蛍光色のファッションを選んでしまうような事です。

それらのファッションも釣りや登山をしている時であれば素晴らしいのだとは思いますが、中途半端に普段着に入り込んでくるとTPOからズレてしまいます。

しかもそれらのアイテムは結構な価格だったりします。そのジャンルの中では評価されているブランドや機能性の高い洋服だとしても、興味のない人からすると関係ありません。

分かりやすい例だと、アニメオタクの人のファッションのような事です。仲間内にとっては価値のあるレアグッズだとしても、一般の人からするとどうでもいいどころか、敬遠したくなるほど残念なファッションになってしまいます。

車好きの人のファッションというのは、アニメオタクやアウトドア好きのように、分かりやすい傾向があるわけでもないのですが、私個人の感想としては、残念なファッションになってしまっている傾向が強いように感じています。

これは車にお金をかける人の特徴を考えると、なんとなくその理由が見えてきました。

カッコいい改造車は稀

私自身も20代の前半ぐらいまでは、それなりに車好きだったのですが、車好きの人というのは何かしら自分なりに手を加えたくなります。

ド派手な改造をするのは一部の人だけですが、ちょっとしたアクセサリーをつけたり、ホイールぐらいは交換する人が多いものです。

ただこのホイール交換一つとっても、元の状態よりもカッコ良くなる事が滅多にありません

冷静に客観的になって見ると、ほぼほぼダサくなってしまいます。

もちろん中には素晴らしくバランスの取れた改造もあるのですが、それは改造を専門とするショップなどが、車の全体のバランスを見て手掛けたようなものであり、絶妙なバランス感覚の上に成り立っています。

ホイールを大きくするとバランスが変わるので、車高を2cmだけ落とすような絶妙なさじ加減を行い、その他のエアロパーツも含めてバランスを取っています。

車のメーカーの子会社がやっているカスタムメーカーのものだと、この辺のバランスも考えられているのですが、安易に素人判断で改造してしまうと大抵はバランスが崩れてしまいます。

専門店の改造はかなり高価なので、誰もが気軽に挑戦できるものではありません。特にお金に余裕がない若い世代ほど、自分なりに勝手に手を加えて改造しては、おかしなバランスになってしまいます。

「○○のホイールがカッコいい!」

と思って装着しても自分の車に合うとは限りません。ボディーカラーによっても印象は変わりますし、それこそ車高やその他のパーツの兼ね合いもあります。

一方で何も余計な事をしていない新車というのは、それなりのバランスに仕上がっています。どのグレードの車にも合うホイールが標準装備として選ばれていたり、オプションで選べるホイールといったものでも、プロのデザイナーが相性を見極めた上で設定しているので、極端にバランスが崩れる事はありません。

改造するにしても同じ車の上級モデルのパーツを取り入れるぐらいであれば良いのですが、そこに自分なりに判断を加えてしまうとバランスが崩れてしまいます。

これが多くの改造車がダサく見えてしまう理由です。それなりに高価なだけに簡単に後戻りも出来ないので、多くの改造は失敗してしまいます

ただし、改造した当人はそれなりに満足しています。自分なりのオリジナリティに満足し、何も手を加えていない同じ車をバカにしたりします。

基本的に自分の車を運転するのは自分だけなので、自己満足で楽しむのは勝手ですが、もし「女性にモテたい」とか「周りの人から羨ましがられたい」といった他者からの評価を期待して行ったのであれば、マイナス要因にしかなりません。

もちろん車好きの仲間内からは評価されるかも知れませんが、そこから外れている人からすると、ただただ残念な印象にしかなりません。

田舎に行くほど改造車が多いものですが、狭いコミュニティ内だけの人間関係で成り立っているからでもあります。

残念なファッションというのも同じです。自分の基準だけで選んでしまっているからこそ、期待していた効果が得られないばかりか、むしろ避けられる要因となってしまいます。

軽い改造のように強いこだわりでなくても、バランスが崩れてしまっている人は少なくありません。

女性が好きな男性の車

しばしば「女性が男性に乗っていてほしい車アンケート」のようなものがありますが、そのような調査結果でも改造車は最低の結果になっているものです。

女性が男性に期待する車というのは、大抵は少し大きめの乗り心地の良い車です。SUV車や大型のセダンなど、普通の車の中からちょっと良さげな車を喜ぶ傾向があります。

スポーツカーやオープンカーなどは敬遠されますし、ピカピカに磨いて土足厳禁にしている車も嫌がられます。

要するに車にこだわりが強く感じられてしまうほど、女性の期待から遠ざかってしまうという事です。

これは女性が男性に期待するファッションも同じで、個性やこだわりが出ている洋服ほど避けられて要因となってしまいます。

だからこそ特定のジャンルの個性が出るマニア受けするファッションは喜ばれません。せっかく大枚をはたいても期待しているほどの効果がないばかりか、むしろマイナス評価を受けてしまいます。

好きなものと似合うものの違い

フリフリがついた洋服が好きな女性がいても、そのような洋服が似合うのは可愛らしい若い女の子だけなので、誰にでも似合うものではありません。

男性にお姫様のような扱いをされたいからと、お姫様が着ていそうなドレスを着ても品がなければ相手にもされません。そもそもドレスを着ていく場がなければ役に立つ事すらありませんし、普段着にしてしまうと痛いだけです。

周りからの評価など関係なく、好きな洋服を着ることそのものに喜びを感じるのであれば、それはそれで目的を果たしているので自由ですが、「男性に優しくされたい(モテたい)」という目的があって洋服を選ぶのであれば、自分の好みは横に置いておいた方が目的を達成しやすくなります

相手の好みが分かっている場合であれば、その好みのファッションに寄せると効果的ですし、分からなくても自分の体型や髪型や年代に合うファッションを選択しておけば、それが理由で避けられる事はありません

無難な選択ではありますが、少なくても初手で嫌われる要因とはなりません。

子供の参観日に参加する親であれば、優しそうな親に見えるファッションが適していますし、これ見よがしなハイブランドの洋服だと場違いになる事もあります。

親も子も揃って偉そうな性格の人であれば、それはそれで目的を果たしているのですが、そうでなければ周りの迷惑になる恰好や注目を集めるような恰好にはデメリットしかありません。

ハイブランドで固めた目立つファッションというのも、キャバクラでモテたい男性なら最高に適しているのかも知れませんが、大事な取引の場では軽薄な印象に映ってしまうので適していません。

これらのように好きなものと似合うものは違いますし、場に合わせてコントロールする余地がないと、どこかズレが生じで残念なファッションになってしまいます。

通夜や葬式に派手な恰好で行く人がいないように、分かりやすいケースであれば誰もが理解できるのですが、日常の些細な場となると、このズレが生じてしまう人が少なくありません。

特に男性で多い例だと、

「ファッションなんて清潔感さえあれば良いだろ」

といった基準です。清潔感を意識するのは大切ですが、そこで思考停止になってしまうと、

「新しい洋服ならOK」

「昨日洗濯したからOK」

といった判断しか出来ないので、TPOに合わせるような事が出来なくなってしまいます。

新しい洋服でもサイズ感がイマイチだったり、場違いな色やデザインだったり、季節感が外れていたりするので、どこか残念な印象になってしまいます。

洗濯をしても皺だらけだったり、垢や黒ずみが残っていたり、色移りがあると清潔に感じられません。実際に清潔である事よりも、清潔感のある見た目の方が相手の印象を左右します。

もちろん見た目が清潔そうなファッションでも、明らかに悪臭が漂っているような場合は別ですが、汗っかきな男性なら汗染みが目立たないカラーを選んだり、トイレに立ったときに鏡の前でフケをチェックするような習慣がないと、清潔感のある状態を保つ事は難しくなります。

ド派手な改造車や成金ファッションのような分かりやすいズレというのは、多くの人が意識できているので改善する方法も分かりやすいのですが、ちょっとした車の改造のような些細なズレというのは本人が自覚できないだけに、知らず知らずのうちにバランスが崩れてしまいます

些細なズレも重なると大きくなる

改造車と一言でいっても車高をベタベタに下げてうるさいマフラーでも装着していれば、一目見るだけで大抵の人がダサくて近寄りたくない存在になりますが、その辺のバランスを分かっているつもりでも、微妙にズレてしまっているケースがあります。

それこそホイールだけを替えていたり、爆音ではないけど音が大きいマフラーに替えていたり、室内に妙なイルミネーションをつけたり、車内に絨毯をひいて土足厳禁にしていたりすると、相手によっては違和感を与えてしまいます。

これといった改造はしていないけど、マイナーなカラーを選んでいたり、やたらとお守りをルームミラーにぶら下げていたり、たくさん芳香剤を置いていたり、いくつも交通安全のシールを張り付けているような事も同じです。

どれも些細な事ではあるのですが、相手によっては違和感を覚えてるポイントになり、それらがいくつか重なってしまうと、大きなズレのような認識をされてしまいます

それらのちょっとした好みや改造というのは、全く悪気がないだけに本人は自覚できません。一つや二つぐらいであれば、「こんなのが好きなタイプなんだな」と受け入れてもらえるかも知れませんが、三つ四つと重なってしまうと難しくなってしまいます。

男性ファッションで分かりやすいものだと、シルバーアクセサリーなどでしょうか。

一つぐらいチラリと見えるぐらいであれば、それだけで嫌がる女性は多くありませんが、いくつもジャラジャラさせていると多くの人から避けられてしまいます。

ベルトのような小物でも、妙なこだわりが見えるとマイナスポイントになってしまいます。

それ一つだけであれば大ダメージになるとは言いませんが、シルバーアクセサリーや目立つ腕時計などと組み合わせると、相手によっては臨界点に達してしまいます。

靴が汚い男性は多いのでよほどボロボロの靴でもない限り、それだけで女性に嫌われてしまうとは言いませんが、鞄や財布も汚かったり、食べ方が汚かったりすると、「生理的に無理!」といった烙印を押されてしまうわけです。

新しい靴に買い替えても食べ方が汚かったり、態度がデカかったり、品のない動作をしていると印象は覆せません。

誰が見ても残念な印象になる目立つファッションというのは改善するのも簡単ですが、本人が良かれと思って取り入れているちょっとした個性のせいで残念な印象になってしまうと、なかなか自覚できないだけ改善方法が見つけにくくなってしまいます。

まとめ 残念な印象の正体

車好きの人が中途半端にオリジナリティを入れてしまった事でバランスが崩れてしまうように、ファッションといったものもこだわりを入れてしまう事でバランスが崩れてしまう事は珍しくありません。

一方でこだわりがないからと適当過ぎても、些細なズレが生じて残念な印象になってしまいます。

「車なんて何でもいい」

といった感じでろくに洗車もしないで汚れていると、相手によっては避けられる要因になってしまいます。

常にワックスでピカピカに磨かなければならないというわけではありませんが、目立つ傷は修理したり、きちんと整備して異音や悪臭を修理したり、定期的に車内も含めて掃除をしないと、相手に不安を与えてしまいます。

この不安こそが違和感であり、残念な印象の正体でもあります。

過去の私も車好きでファッションに無頓着だったので、あまり偉そうな事は言えないのですが、些細なズレに全く気がつく事もなく相手に不安を与えてしまっていました。

ファッション雑誌などで紹介されているカッコいいファッションというのは、何かしら特別なアイテムが強調されているものですが、それらを身につけたからといって、誰もがカッコよくなるものではありません。

車のレース車両に装着しているカッコいいホイールだって、レース車両のカラフルなデザインだからこそ映えるのであり、一般の車に装着するとバランスが崩れてしまいます。

そのようなレース車両だってサーキットを走っているからカッコ良いのであり、一般道を走っていると違和感しかありません。

もちろん車好きやレース好きの人には評価されるかも知れませんが、近所にそのような車を普段使いしている人がいると、周りの家は迷惑なだけです。

私が現在の住居に引っ越す前に部屋の内装を確認し、あとは契約という段階になった時に少し先延ばしにしてもらい、住民が帰ってきているであろう深夜の駐車場に向かいました。

その筋の人が乗っているであろう改造車や、うるさいマフラーを装着している車がいないかチェックしたかったからです。

私は車好きだったこともあり、車のタイプや改造からでもある程度は乗り主のタイプを特定できるのですが、おそらく車に興味がない女性の多くは、それらを認識できません。

ド派手な改造車であれば誰でも想像できますが、「停まっている車のマフラーが純正ではないな」といったところまでは、ある程度の知識がないと分かりません。

これはファッションや髪型といったものも同じです。ファッションに興味がある女性が多いからこそ、男性のファッションの違いは察知されてしまいます。

スーツ姿だけでも様々な事が推測できます。スーツの生地やカラーだけでなく、古臭いシルエットやメンテナンス具合やネクタイなどから、様々な内面を推し量る事ができます。

参考スーツの違いがよく分かるドラマ!

私もファッションに興味がなかった頃というのは、スーツの違いなど全く気にもしなかったのですが、それなりに知識がついてくると、靴の汚れやヨレ具合からでも部屋の汚さを想像できてしまいます。

誰でも仕事に関する分野や趣味の事となると、些細な違いから様々な事が分かるものですが、残念なファッションになってしまう人というのは、原因がわからないからこそ対処できないわけです。

そしてその原因の多くが良かれと思って取り入れている事だったり、些細なズレの積み重ねなので、分かりやすい改善点ではありません。

新しい洋服や靴を買っても、ろくに試着もしないで選ぶのでサイズ感がイマイチになったり、普段の自分の生活に合わないタイプを選んでしまったり、運よく似合っているものを選べたとしても、ろくにメンテナンスも出来ないので良い状態を保つ事ができません。

生地によってはきちんとハンガーにかけるだけでも全然違いますし、合わないハンガーのせいで型崩れしてしまう事もあります。

姿勢や歩き方が悪いだけでも皺が増えてしまうので、試着室の前だけ背筋を伸ばしてもあまり意味がありません。

よく残念なファッションを改善する方法として、洋服屋のマネキンが着ているセットを丸ごと買うテクニックを紹介している人もいるのですが、コーディネートというバランスは取れたとしても、その他のズレは改善しないので難しいわけです。

マネキン買いが悪いわけでもないのですが、それはレシピ通りに料理を作るようなことであり、味見をしながら微調整する事をしないとイマイチになってしまうものです。

「醤油大さじ1」とレシピにあっても、醤油の塩味や甘みや濃さは銘柄や地域によって随分と違います。ジャガイモだって種類によって硬さは全然ちがいますし、同じ銘柄のジャガイモでも旬なものと季節外れのもので違います。

「弱火で3分煮込む」とあっても2分が正解かも知れませんし、5分煮込んだ方が元の味に近づけるかも知れません。

料理上手な人ほど、このような微調整をする事ができるのですが、料理初心者ほどレシピに忠実にしているだけに、失敗した理由に気づく事が出来ません。

ファッション雑誌のコーディネートをそっくりそのまま真似たり、マネキン買いをしているのに残念なファッションになってしまう人というのは、この微調整をしていないからです。

私が昔付き合っていた女性が、物凄く酸っぱいカレーを出してきた事があり、思わず吹き出してしまったのですが、彼女はクックパッドにあったレシピを参考に作ったといい、隠し味にヨーグルトを大量に入れていました。

「このレシピ最悪~」

と彼女は文句を言っていたのですが、ヨーグルトだって銘柄によって酸味や甘みは随分と違いますし、賞味期限に近づくほど酸っぱくなるものです。

こんな事は味見をしながら調節すれば失敗しないものですが、料理を初めて間もなかった彼女は一切味見をしていませんでした。

料理初心者がレシピを参考にするのは良いと思いますし、ファッション好きの人も雑誌やマネキンのコーディネートを参考にするのも悪くないのですが、オシャレな人というのは、しっかりとバランスを見極めながら微調整をしています。

自分の体型に合うシルエットや肌の色に合うカラーや、髪型や年代や着ていく場といった要素を加味して判断するので、自分の好みやこだわりだけで選ぶ事はありません

自分よがりなこだわりのせいで残念なファッションになってしまっている人もいますが、理由も分からずに残念なファッションになってしまうという人は、基本に立ち返って些細なズレが生じていないか向き合ってみてください。

もしかしたら靴紐をしっかりと結ぶだけで、靴のヨレを防げるだけでなく、歩き方や姿勢まで良くなるかも知れません。人によってはたったそれだけでも全体のバランスがグッと良くなる可能性もあります。

そのような些細なズレと向き合わずに、ハイブランドのアイテムを購入しても活かしきれるものではないので、まずは手持ちのアイテムを大切に扱いながら向き合ってみてほしいと思います。

ネクタイの結び目を替えたり、長さを変えるだけで随分と印象が変わる人もいますし、ベルトの色を変えるだけでバランスが良くなるかも知れません。

車が好きでこだわりが強く出てしまうほどにダサくなってしまうように、ファッションも中途半端なこだわりのせいで残念な印象になる事が多いので気をつけてほしいと思います。

女性受けが良い車のように女性受けが良いファッションというのも、意外とシンプルで簡単なものですよ。

【関連記事】
男性ファッションのさじ加減

靴紐を結ばない事のデメリット

男性ファッションの9割は姿勢?