女性受けの良い男性ファッションにもリスクがある話。
女性受けの良い男性ファッションとは?
しばしば男性向けの雑誌で「女性受けの良いファッション」といったものが紹介されていますが、これらは特定の層の女性にしか受けが良くない傾向があります。
20代の男性をターゲットにしているカジュアルなファッション誌が紹介している「女性受けが良いファッション」を、中年男性が取り入れても若作りの残念なファッションになってしまいますし、20代の男性でもスーツを着用する職場にまで持ち込んでしまうと、勘違いファッションになってしまいます。
意中の女性が好きそうな男性ファッションであれば、そのような情報が有利に働く可能性がありますが、逆にその女性以外からは煙たがられるファッションになってしまうかも知れません。
個性的なファッションというのは「諸刃の剣」です。特定の相手を仕留めるのには向いていますが、多くの女性に好感をもってもらえるとは限りません。「女性受けが良いファッション」にはそのようなリスクがあります。
オシャレがゆえにモテない男性
以前に「オシャレが好きな男性はモテない?」というものを紹介したことがあるのですが、
つい最近の飲み会(居酒屋)で実際にこの現象が当てはまる男性と出会いました。
30~40代の男女が集まった合コンのようなものがあり、そこに一人だけ別次元でオシャレな男性がいたのですが、意外なほど女性の食いつきが悪く、一次会でその男性は姿を消してしまいました。
二次会で女性陣に彼の印象を聞いてみると、
- 自分大好きオーラがイヤだ
- サッカーの武田みたい
- 絶対に浮気するタイプ
といったような散々な評価でした。
サッカーの武田みたいというのは、まさに私が感じた印象と一致していました。武田修宏さんはとてもオシャレな男性ですが、それが全面に押し出されているので、人によっては好き嫌いが分かれるファッションです。
「オレってオシャレだろ?」
というのが丸出しのファッションで、実際にオシャレではあるのですが、それがゆえに避けられてしまうケースがあるということです。
ホテルでの会食や立食パーティーのような場であれば、彼のファッションも活きたのかも知れませんが、居酒屋での飲み会ではやり過ぎのファッションでした。
ファッション雑誌などで紹介されている「女性受けが良いファッション」にも、同じようなリスクがあります。時と場所によってはオシャレ過ぎるがゆえに、避けられてしまうケースがあるものです。
ファッションのバランス
ファッションのバランス感覚というのは、料理で例えると分かりやすいのですが、大衆居酒屋のメニューに「国産黒毛和牛のシャトーブリアンのステーキ」があっても、あまり興味が惹かれない感覚に似ています。
他のメニューと比べると高価であり、だからいって一流のお店で提供されるシャトーブリアンのステーキほど美味しいとも感じません。ノリで試しに頼むような事はあっても、それが最高の評価を受けるかというと、そうでもありません。
ファミレスや回転寿司にフォアグラのメニューがあっても、どことなく偽物感が漂いますし、有名である事や高価である事が必ずしも有利に働くものではありません。
ファッションのバランス感覚も似ています。紳士服の量販店の安い生地のスーツに高級腕時計は似合いませんし、一点豪華主義の成金ファッションに成り下がってしまいます。
合コンで女性受けが悪かったオシャレな彼は、一点豪華主義ではなく全体的にレベルが高いファッションでしたが、居酒屋というフランクな場には適していませんでした。
ちょっとした同窓会に胸元が露わなドレスを着て来られても、全ての男性陣にモテるかというと、そうではないようなことです。
お金持ちのオシャレな男性がいそうな南青山で映えるファッションというのは、南青山以外の場所ではやり過ぎになるかも知れません。
あえてマフラーを撒いていないと伝わらないと、ただただ残念な印象になってしまう可能性があります。
要はTPOということなのですが、この辺のさじ加減ができないと、せっかくのオシャレも台無しになってしまうものです。
整える技術
料理人が味見をしながら細かな味を整えていくように、ファッションも整える感覚が大切です。
個性的なファッションというのは素材の味が強い食材のようなものなので、それだけで強い存在感があります。
この存在感を活かす為には他の食材は控えめにしなければなりません。ステーキの付け合わせの野菜の味が濃すぎると、主役のステーキの味がぼやけてしまいます。
むしろステーキのソースをつけて野菜を食べるぐらいがちょうど良いので、あっさりとした味付けになっているものです。
メニューは主役がはっきりとしているので、主役が目立つのは当たり前ですが、ファッションの主役はあくまでも自分自身であり、脇役であるアイテムが目立ちすぎるとバランスが崩れてしまいます。
金ぴかの高級腕時計をこれ見よがしに目立たせてしまうと残念な印象になってしまうので、しっかりとシャツの袖に収まるようにしないと野暮な印象になってしまいます。
時間を確認する時に袖を引っ張ってチラっと見えるぐらいであれば、上品にアピールすることが出来ますが、これ見よがしに見せつけていると下品な印象になってしまいます。
このようなさじ加減が大切です。
全身から「オレは金持ちだぜ!オシャレだろ!」と伝わってくるファッションより、ふとした拍子に(実はお金持ちなんだな、意外とオシャレなんだな)と女性に伝わるぐらい方が、嫌悪感をもたれることがありません。
普通の唐揚げよりも倍近く高い国産地鶏の唐揚げを頼むと、食べる側のハードル(期待値)が上がっているので、それなりに美味しいぐらいでは満足できませんが、普通の価格の唐揚げが美味しいと感動するものです。
しっかりと下味や下処理をして丁寧に作られた唐揚げの方が、多くのお客さんに喜ばれます。
男性ファッションはお金持ちアピールで寄ってくる女性もいるので、必ずしもダメなわけではないのですが、そのような女性にだけしかモテないファッションになってしまいます。
そのような特定の層の女性しか受けが良くないファッションというのは、女性にモテるファッションではありません。
むしろ多くの層の女性に嫌悪感を持たれない清潔感のある普通のファッションをベースに、ちょっとしたさじ加減を加えた方が、多くの女性に受ける(嫌われない)ことになるのではないでしょうか。
まとめ ファッションの平均点を上げよう
靴や腕時計といった一部のレベルだけを上げてしまうと、他の箇所の粗が目立ってしまいます。その一部がピンポイントが刺さる女性にしか受けが良くないファッションというのは、あまりおすすめしません。
10万円の予算を一部に注ぎ込むより、トータルで底上げをした方がより多くの女性受けが良くなる(嫌われない)ものです。
手持ちの洋服をクリーニングに出すことだったり、靴磨きをすることだったり、床屋さんを変えることが有効に働くかも知れません。
髭が濃い人なら深剃りできる高性能な電気シェーバーがベストな選択肢ということも考えられますし、ダイエット食品やグッズやスポーツジムの会費がベストな男性だっているはずです。
また予算に余裕があるからと、全てのレベルを引き上げることが有利に働くとも限りません。それこそサッカーの武田さんのように、オシャレでルックスも良くても、全ての女性に好かれるかというと微妙です。
レベルが高すぎるがゆえに、相手側がつり合いが取れないと感じたり、合わせるのが大変だと感じるかも知れません。
学校内で一番の美人が一番モテるかというと、そうでもないような事です。私自身もそうでしたが、そのような女性にアタックできる男性は多くありません。むしろクラスで3番目ぐらいの女子の方が、男子に告白される回数が多かったりするものです。
コミュニティ内で突出した個性というのは、憧れる反面で避けられてしまう要素にもなってしまうので、そこを目指すよりも平均よりも少し上ぐらいを目指した方が、ずっと簡単に多くの女性に好かれることになります。
「女性受けが良いファッション」というのは、平均が60点の中で70点ぐらいのファッションということです。90点まで上がってしまうと一部の女性からしか受けが良くありません。
清潔感のないファッションを改めたり、流行遅れのファッションを避けたり、きちんと試着をしてサイズを合わせることだったり、髪型をセットすることだったり、そのような微差と向き合うことで平均点は上がっていきます。
特定の女性の好みにピンポイントで合わせるファッションが悪いとは言いませんが、多くの女性から好かれたいのであれば、突出した個性にはリスクがあるので気をつけてください。
以前にテレビで最高の生クリームパスタを作るという企画があり、最高級のウニをたっぷりと用意し、手作りの新鮮な生クリームを作り、本場イタリアの小麦粉を取り寄せて生パスタを作り、塩や海苔といったものまで最高品を揃えて作ったところ、「それぞれの主張が強すぎて不味い・・・」という結果になっていました。
味の濃いウニを活かすのであれば、その他の主張を抑えた方がバランスが良いですし、ウニの量もほどほどにした方がバランスが良いはずです。逆にたっぷりのウニで贅沢さを演出したいのであれば、味の薄い安いウニの方が相性が良いのかもしれません。
某牛丼屋の「生姜焼き定食」が、ある時から厚みのある豚肉に変更してガッカリしたものです。薄いバラ肉だった時の方が、たっぷりとタレと絡んで美味しかったものです(これは私の好みですが)。
最高のファッションアイテムばかりを集めた事で、全体のバランスが崩れてしまっている男性が珍しくありません。せっかくお金をかけているのに目的から逸れてしまっているので、気をつけてほしいと思います。
男性受けが良い女性ファッションというのも、突出した個性的なファッションではないはずです。セクシーな恰好の女性が好きな男性がいないとは言いませんが、多くの男性に好かれる女性のファッションというのは、意外と普通なはずです。
ただその普通を見事に着こなしているので、本人の良さが上手に活かされています。
素材(自分)の味を引き出す為にも、きちんと普通のファッションと向き合ってほしいと思います。なで肩の男性なら肩パッド入りのジャケットでグッとバランスが良くなるかも知れませんし、太っている男性ならお腹のラインが目立たない洋服がベストかも知れません。
顔が大きい男性なら髪型や眼鏡選びで印象が変わる(平均に近づく)かも知れませんし、足が短い男性なら股下が下がるラフなファッションではなく、細身のキレイめなファッションの方が相性が良いかも知れません。きちんとズボンの裾上げをしているかどうかでも、足の長さの印象は随分と変わるものです。
特定のブランドの○○を身につけたからと言って、女性受けが良くなるのではありません。自分のコンプレックスを上手く隠して平均点を引き上げてくれるファッションの方が、ずっと女性受けが良くなるので、しっかりと向き合ってみてください。
ジーパンに白いTシャツというシンプルなファッションでも、ジーパンのシルエットや股上の深さはメーカーによって全然違います。同じMサイズのTシャツでもメーカーによって袖や裾の長さは違いますし、生地によっても印象が全然違うものです。
ファッション雑誌に紹介されているコーディネートやバランス感覚は参考になりますが、そっくりそのまま取りれても全て男性の体型に合うわけではないので、しっかりと自分で微調整しながら向き合ってほしいと思います。
特定の層の女性にしか受けないファッションより、多くの女性に嫌われない清潔感のあるファッションの方が、結果的に多くの女性からの受けが良いものですよ。
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