ナイキのバッシュ崩壊で考える価格と品質の関係!

ファッションコラム

価格と品質は正比例しない!

当サイトでは以前に洋服の価格と品質は必ずしも比例しないということを紹介したことがあるのですが、

参考洋服の品質は価格と比例するとは限らない

その事が良くわかる出来事がありました。それがこちらのナイキのバッシュが崩壊した出来事です。

 

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Zion’s shoe: destroyed 😳

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彼は大学生のスター選手なのですが、履いているバッシュはNBAの「ポール・ジョージ」という選手のモデルでした。amazonの並行輸入で15500円で売られていたので、現地のアメリカではもう少し安いのかも知れません。

バッシュが崩壊した選手の体重が129㎏もあるそうで、激しい動きに耐えられなかったのかも知れません。ただこのような崩壊が稀なこともあり、世界的なニュースになっていました。

一般の人が街中で同じバッシュを履いたからといって崩壊するとは考えにくいので、特に問題になるわけではないのですが、有名なナイキだからと高品質だとは限らないものです。

そもそもファッションとしてバッシュを履く人が求める要素というのは「見た目」だけです。だけというと語弊があるかも知れませんが、スニーカー芸人が自慢のコレクションを紹介していたように、

参考スニーカー芸人を見て改めて感じたこと

見た目や希少性や価格で選んでいる方が多いものです。これが悪いと言いたいわけではないのですが、バッシュ崩壊のニュースは改めて品質と価格が比例しないのだと感じる出来事になりました。

高校バスケの監督の話

私は十数年前に高校のバスケットボール部の監督をしているという方と話す機会があり、最近の学生にはどのメーカーのバッシュが人気なのかと聞いてみると、

「ほとんどアシックスですね」

と思わぬ答えが返ってきました。当時はナイキやリーボックなどバッシュが人気で街中でも履いている人が多かったのですが、その監督さんいわく、数ヶ月でボロボロになって実用には耐えられないのだそうです。

一方でアシックスのバッシュは、半年から一年ぐらいは持つとのことでした。

バスケットコートを激しく動き回れるという品質を求めている人達は、しっかりと目的と合致しているバッシュを選んでいたということです。

ファッションとしてバッシュを履くのが悪いとは言いませんが、しっかりと目的に合わせて選べるようになると、膨大な広告費をかけて価格を吊り上げているだけの低品質な物に騙されなくなります。

巨大企業の内訳

ナイキの製品に限ったことではないのですが、世界的に有名な巨大企業ほど膨大な広告費をかけているものです。有名な選手との契約金やCMなどで、とんでもない予算を計上しています。

当然、それらの費用は商品価格に組み込まれています

有名ブランドの2万円の洋服とノーブランドの1万円の洋服を比べると、必ずしも有名ブランドの高価な洋服の方が品質が高いとは限りません。

さらに巨大企業ほど大量仕入れ大量生産で原価を安く抑えられるので、製作コストは驚くほど安いことが珍しくありません。

有名ブランドの洋服の制作コストが1000円でノーブランドが2000円だったとしても、売値では逆転してしまいます。

そもそもマーケティングというのは、いかに安く仕入れて高く売るかということなので、高く売る為に広告費をかけてブランドイメージを築き上げます。

より良い製品をつくる為の製作コスト上昇による本体価格の値上げというのは、大抵は1~2割で収まるものですが、ブランドイメージを上げると倍ぐらいの価格にしても売れてしまいます。

製品の良し悪しで価格が決まるのではなく、製品に対するイメージで価格が決まることが多いので、綺麗に価格と品質が比例するものではありません。

ちなみにバッシュが崩壊した彼が所属している大学は、ナイキからスポンサーとして支援を受けていたそうです。もしかしたらナイキ以外のバッシュを履くことは難しかったのかも知れません。

似たような関係でいうとサッカー日本代表にも当てはまります。アディダスがスポンサーになっているので、選ばれる代表選手にはアディダス枠があるという噂があります。

親善試合などの前後に放送されるCMに登場する選手の大半がアディダスと契約しており、実際に高確率で先発メンバーとして起用されるので、このような事が言われるようになりました。あくまでも噂ですが。

製品価格はそもそも曖昧

そもそも製品の価格というのは曖昧なものです。生産よりも需要が上回っている時はいくらでも価格を吊り上げられます。

広告戦略が上手くいってブランドイメージが良くなると、製品はそのままに価格だけを吊り上げていくことが出来ます。当然品質は上がっていません。

流行しているブランドの洋服を着て周囲の人から羨ましがられたいという人にとっては、値上げした分の価値を甘受することが出来ますが、洋服に別の目的を期待している人にとっては、無駄に高いだけの買い物になってしまいます。

久しぶりにうな重を食べて贅沢したいと思っている人にとっては、一番価格の高い「松」のうな重が最適かも知れませんが、美味しいうな重を食べたいという人にとっては「竹」で十分かも知れません。お店によってはうな重の松竹梅の違いが、お重と盛り付けの違いだけということもあります。

牛タンが有名な焼き肉店に勤めている知り合いの女性が教えてくれたのですが、そのお店で人気の「牛タン定食」はランチメニューだと1200円なのに、夜になると2500円になり、その違いがお重と付け合わせの漬物とみそ汁の違いだけなんだそうです。

夜の営業は人件費が違いますが、いくら何でも倍以上の価格になるのはどうかと思うのですが、それでも混んでいるので成り立ってしまいます。

洋服や靴選びも同じです。価格が高いから品質が高いとも限りませんし、価格が安いからといって品質が低いとも限りません。

これらのように本質を見極められないと、無駄に高い買い物をしてしまいます。

逆にしっかりと本質を見極められるようになると、セール品の中からでもしっかりと目的にあったものを選ぶことが出来るようになります。セールになった瞬間に洋服の品質が下がるわけではありません。

流行を求めている人にとっては、売れ残りの洋服だと鮮度が失われているので目的が達成できませんが、流行に左右されないデザインの洋服を求めている人にとっては、求めている品質を保ったままは安く購入することが出来ます。

ファッションに求める要素

ファッションに求める要素も人それぞれなので、有名ブランドの洋服が悪いわけではありません。

人から羨ましがられる要素を求めている人であれば、誰もが知っている有名ブランドの洋服が適しているので、大きなブランドロゴがあるものを好みます。

一方でオシャレに洋服を着こなしたいという人であれば、サイズやフィット感が大事な要素になるので、自分の体型に合わないブランドの洋服は選択肢に入りません。

この辺の感覚は腕時計に表れやすいのですが、誰もがうらやむ腕時計をしたい人はロレックスなどの有名ブランドを好み、人とは違うお金持ちアピールをしたい人は一般的には有名ではない超高級時計メーカーを選びます。

実用的な要素を求める人はスマートウォッチのようなものを好み、アウトドアが趣味の人は気温や標高などが表示される頑丈なデジタル時計を好みます。

一方で時間の確認しか求めない人は軽くて薄いシンプルな針時計を好みます。最近ならスマホで十分という人も珍しくありません。

どの腕時計が正解というわけではなく、あくまでも目的と合致しているかが大切です。

この目的が曖昧なままだと、自分に適しているものを上手に選べないので、広告の影響を受けやすくなってしまいます。判断する基準がない人ほど、巨大企業の広告に惑わされて無駄に高い買い物をしてしまいます。

まとめ 求めている品質を明確にしよう

人それぞれ求めている要素が違うので、求めらる品質も違います。

バスケットコートを激しく動き回る必要がある人には、オシャレな装飾で強度が下がるようなデザインのバッシュは向いていません。

オシャレも同じで何を求めているかが大切です。

女性にモテることを求めているのであれば、ターゲットの女性に好まれそうなブランドが有効かも知れませんし、仕事を成功させたいのであれば、上司や取引先の人に好かれそうな恰好がベストになります。

ダサい恰好の美容師にカットされたい人がいないように、目的を達成する為に必要な相手に合わせることが重要です。

もちろん自分の好きなファッションをするのが悪いわけではないのですが、あまりにも個性が強いと恋愛や仕事に影響が出てしまうので、上手に使い分けられるようになってください。好きな恰好は自宅の中で楽しめばいいだけです。

これらのようの目的を明確にすることで自分の中に判断基準が出来上がります。この基準に当てはめて考えることで、無駄に高い物(広告費をかけているだけの低品質な物)を選ぶこともなくなります。

もちろんナイキのバッシュが悪いということではありません。目的に適しているのがカジュアルなファッションだった場合、ナイキのバッシュが上手く調和してくれるかも知れません。

一方で目的が曖昧なままだと、ファッション雑誌で紹介されている南青山のキラキラ女子に好かれるオシャレをしてしまい、好意を寄せていた生活感のある女性に嫌われてしまうかも知れません。

ターゲットの女性が生活感がにじみ出ている堅実そうなタイプなのであれば、ユニクロの方が好かれたかも知れません。

しっかりと目的を定めてから逆算することで、求めている品質の物を適正な価格で選べるようになりますよ。

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