靴紐が切れると縁起が悪い!?現代では素晴らしいことです!

ファッションコラム

靴紐が切れると縁起が悪い?

日本には靴紐が切れると「縁起が悪い」や「不吉の前兆」といった迷信がありますが、これは江戸時代の風習が現代にまで受け継がれていると言われています。

草履をはかせるイラスト

「靴紐が切れると縁起が悪い」と言われるようになったのは、江戸時代は亡くなった人の棺桶を墓地まで運んだあと、悪霊に取りつかれないようにと履物(草履)をその場で処分し、新しい履物に履き替えてから家路につく習慣がありました。

しかも処分する時に履物の鼻緒を切ってから捨てていました。そのことから、

「出がけに履物の鼻緒を切れると縁起が悪い」

と言われるようになりました。それが現代では靴紐に受けつがれるようになりました。

このような迷信を大切にする人にとっては、靴紐が切れると縁起が悪いと感じるかも知れないので、それはそで個人の自由ではありますが、あえて私はこの考え方に反論します。

むしろ現代の日本人が履いている靴紐が切れる事は素晴らしい事です!

鼻緒と靴紐の違い

草履や下駄の鼻緒は三点で支えています。靴のように全体で足を支えるわけではないので、紐に負担が掛かるのは当然の事です。

しかも現代のように道路も整備されていなかったので、鋭利な石などを踏みつけて鼻緒の接続部分を傷つけてしまうこともあったはずです。

一方で現代の靴紐にはそのような負担はかかりません。滅多に靴紐が切れないからこそ、このような迷信が受け継がれているのかも知れませんが、現代人の靴紐が切れてしまう原因は別のところにあります。

靴紐が切れる原因

現代で靴紐が切れる原因の多くは、靴紐をきちんと結んでいるからです。

激しい動きをするスポーツシューズの靴紐は頻繁に切れます。バスケットやテニス、ボクシングやサッカーなど、左右に切り返す動作が多いスポーツの靴ほど、本体がよじれて靴紐にも負担がかかります。

テニスをする女性の足元

彼らは何度も靴紐を交換しています。大事な試合中に切れないように直前で靴紐を交換しておく事も珍しくありません。

一方で適当に靴紐を緩めて固定して履いている人ほど、激しい動作をする事もないので、靴紐に負担が掛からずに切れる事が滅多にありません

靴の脱ぎ履きをする機会が多い日本だと、どうしても靴紐を緩めて固定して履く人が多く、靴を履く度に靴紐をきちんと結び直す人は少数派です。

靴を履く度にしっかりと靴紐を結び直しているということは、その度に靴紐も擦れることになります。スポーツ選手のように激しい運動をしていなくても、徐々に靴紐が擦り減っていきます。

だからこそ私は素晴らしい事だと感じています。靴をきちんと履いている人ほど靴紐が切れやすいわけですが、その事が悪い事であるはずがありません!

靴紐が切れるのが良い事である理由

縁起とは全く関係のない事ですが、現代人でも靴紐が切れてしまうという事は、しっかりと靴と向き合ってきたからです。

靴紐を緩めて適当に履いていると、危険回避のように咄嗟の行動が遅れてしまうかも知れませんし、歩き方や姿勢にまで悪影響が出てしまいます。

これはフィット感がまるでないスリッパやサンダルで考えると分かりやすいのですが、病院などでツルツルのスリッパを履くと、誰もが自然と歩き方が変わります。

きちんと踵から着地してつま先で地面を蹴るような歩き方をすると、ポンと飛んでいってしまうので、いつもよりも小股でソロソロと歩く事になってしまいます。

長靴もピタッとフィットしない重たい靴なので、かなり歩き方が崩れてしまいます。

靴紐を緩めて固定している靴も同じで、スリッパや長靴ほどの影響がないにしても、歩き方や姿勢に悪影響が出てしまいます。

子供の運動会に参加する事になったお父さんは、その時だけでも靴紐をきちんと結び直すものですが、フィットしていない靴だとまともに動けない事を、無意識では理解しています。

ただ日頃からそうではない靴の履き方をしているという事は、思いのままに身体をコントロールできない事を意味します。

適当に靴紐を緩めてフィットしていない重たい靴を履いていると、靴がよじれてズレてしまうので、自然とそうならないような歩き方になってしまいます。

靴がよじれないので靴紐にも負担がない分、靴紐が切れるような事にもならないのですが、効率良く地面にエネルギーを伝えて走る時のように足が真っすぐにならないので、多くの男性はガニ股になってしまいます。

よく体重が増えていないのに太ももだけが太くなったという人がいますが、かなりの確率で大き過ぎる靴を履いており、歩き方が崩れてしまっている事が原因だと言われています。

正しく歩く為にはきちんとフィットした靴を履く必要があり、オーダーメードでもない限り靴紐を結ばすにフィットする事はありません。

靴紐が切れやすいという人というのは、正しく靴を履いているからであり、歩き方や姿勢が崩れるデメリットがないだけに、むしろ良い事なのではないでしょうか。

靴の寿命

激しいスポーツをしている人の靴紐は何度も切れて交換しているのですが、多くの一般人の靴は靴紐が切れる前に靴の寿命を迎えてしまいます。

靴の寿命は本体がヨレヨレになってしまったり、靴底が擦り減って迎えるものですが、適当に靴紐を緩めて履いている人というのは、単純に見た目が汚くなって寿命だと判断します

きちんと靴紐を結ぶ人というのは、脱ぐ時にも靴紐を緩めて手を使って脱ぐのですが、適当に靴紐を緩めて履いている人ほど、手を使わずに靴同士を擦り合わせて脱いでしまいます。

すると靴がどんどん傷ついて汚れていくので、見た目の劣化によって寿命を迎えてしまいます。

さらに靴を履く時も靴ベラを使わずに強引に押し込み、さらにつま先をトントンとする人もいます。これらのような雑な扱い方のせいで、靴がどんどん傷んで汚くなっていきます。

強引に足を押し込む度に履き口が伸びてヨレていき、トントンする度につま先が削れて汚れていき、靴を脱ぐ度に擦れ合わせて踵の内側がボロボロになり、靴の寿命を縮めてしまいます。

一方できちんと靴を履く人は、靴紐をほどいた状態で靴ベラを使用して履くので負担が少なくなります。履き口が無駄に広がることはありませんし、靴を脱ぐときも靴紐をほどいて手を使うので、靴の踵の内側が擦れて傷つく事もありません。

雑な扱いのせいで靴の寿命を縮めないからこそ、先に靴紐が限界を迎えて切れやすくなります。

これのどこが縁起が悪い事なのでしょうか?

むしろ大切に靴と向き合ってきた証であり、もし仮に靴の神様がいるのであれば、バチを与えるどころか褒め称えてくれるのではないでしょうか。少なくとも私が靴の神様ならそうしたくなります。

靴紐が切れると縁起が悪いというのは、靴の文化が浸透した現代には全く当てはまらない事ですし、むしろ縁起が良いぐらいに考えた方が良いのではないでしょうか。

まとめ むしろ縁起は良い!

縁起を担ぐ人にとっては靴紐が切れることは縁起が悪いと感じるかも知れませんが、現代人が履いている靴の靴紐が切れるということは、きちんと靴と向き合ってきた証です。

縁起については個人の考え方次第なので自由ではありますが、日頃からきちんと靴紐を結んで正しく歩いている人の方が、いざという時の危険回避能力も上がりますし、歩き方や姿勢も良くなって身体のパフォーマンスも上がるので、結果的にご利益になるとも考えられるのではないでしょうか。

特別な運動をしていなくてもスリムな体型を維持している人ほど、歩き方が綺麗な傾向がありますし、普段の姿勢にも影響があるので健康面でのメリットがあります。

ガニ股でトボトボと歩いていると、一部の筋肉ばかりを使う事になるので疲れも溜まりやすくなってしまうのですが、全身の筋肉をバランスよく使って歩くようになると、全身の血流もアップして疲労も減ってくれます。

良い姿勢で歩くと自然と腕も振られて肩こりも軽減しますし、体幹の筋肉にも刺激があってスタイル維持につながります。

もちろん見た目の印象も良くなりますし、洋服だって似合いやすくなります。姿勢が悪いだけで洋服には余計な皺が増えてしまいますし、疲れる原因ともなってしまいます。

「お洒落は足元から」という言葉がありますが、靴はメンテナンスや扱い方次第で状況が変わりやすいだけに、多くの情報をさらけ出してしまいます。

きちんと靴紐を結び直す習慣があるだけでも、汚れ具合に大きく差が出るようになりますし、靴磨きといったメンテナンスをするようになると、靴底の減り方の偏りなどにも気がついて歩き方を改めるきっかけとなってくれます。

適当に靴紐を緩めて履いてしまっているばっかりに、とんでもないデメリットを被っている人が多いです。靴を履く文化の欧米人が日本にくると、あまりにも日本人の歩き方や姿勢が悪い事に驚くのだそうです。

たかが靴の履き方といったものでも、きちんと向き合う事で様々なメリットがありますし、その結果、靴紐を切れたからといって何の問題があるのでしょうか。

靴紐を緩めた方が脱ぎ履きがしやすかったり、靴紐が切れないようなメリットがあるかも知れませんが、その事によって被ってしまうデメリットは膨大なので、改めてきちんと靴紐を結び直すようにしてみてください。

ちなみに当ブログでは以前に、姿勢の重要性がよく分かるサッカー漫画について紹介した事があるのですが、

この漫画の中でも日本の学校の緩いフィット感しかない上履きのリスクについて紹介されており、激しい運動に向いていないだけでなく、普段の歩き方や姿勢に悪影響だと指摘していました。

私自身もファッションに興味をもつ前というのは、適当に大きめのサイズの靴を選んで靴紐を緩く結んで固定していたのですが、それらを改めるようになると通勤で同じ距離を歩いても疲れ方が随分と軽減されましたし、姿勢が良くなってスタイルまで良くなっていきました。

フィットしない長靴やサンダルではまともに走る事が出来ないように、普段からまともに走れないような靴の履き方をしていると、様々なデメリットを被る事になってしまうので気をつけてください。

また靴紐が切れて何度も交換している靴には、もう一つ別のメリットがあります。靴の中底が持ち主の足裏の形に合わせて沈みこんでいくので、ピッタリとフィットするようになっていきます。

新しい靴ほど靴擦れを起しやすいものですが、逆に自分の足の形に合わせて馴染んだ靴ほど履き心地が良いように、きちんと靴と向き合っていくほどに履き心地も向上していきます。

雑に靴を履いていると、せっかく足の形に合わせて馴染んできた頃には、見た目がボロボロになって寿命を迎えてしまうのですが、きちんと向き合ってきた人だけが、最高の履き心地の靴を履き続ける事ができます。

この事を理解している人ほど、靴底を張り替えてまで愛用しています。張り替える費用よりも買い替えた方が安くても、新品の靴にはない履き心地があるという事です。

これは洋服でも同じなのですが、その人の身体の骨格や動きに合わせて硬い生地が柔らかくなったり、ガチガチに縫製されていた箇所が柔らかくなっていくので、どんどの着心地が良くなっていきます。

一方でそれほど動かない箇所の生地は傷まないので、張りのある状態をキープしてくれます。きちんとメンテナンスをしている洋服というのは、新品時にはない着心地をもたらしてくれます。

靴も洋服も同じなのですが、適当に扱っていると馴染んできた頃には見た目が劣化して寿命を迎えてしまいます。これは凄くもったいない事ではないでしょうか。

靴紐が切れるほど大切に扱われた靴というのは、様々な弊害を回避してくれた素晴らしい結果なので、むしろ縁起が良い兆しです。

縁起を担ぐ事が悪いとは言いませんが、大抵は元をたどると当時の生活習慣に根差した理由があります。生活習慣がまるで違う現代には全く当てはまらない事も多いので、あまり気にする必要もないのではないでしょうか。

「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」といった迷信も、ロウソクの不安定な明かりの下で小刀で爪を切っていた昔の日本人の生活習慣に当てはまる事であり、現代のように安全な爪切りや明るい部屋には当てはまりません。

むしろお風呂上りの爪を切った方が、爪が柔らかくなっていて向いているぐらいなので、現代には当てはまらない迷信です。

靴の神様がいるのかどうか知りませんが、少なくても靴は味方してくれます。一流のスポーツ選手ほど道具を大切に扱うように、自分の身体を足元から守ってくれる靴も大切にしていると、いざという時(躓いたり)に守ってくれるはずです。

草履の鼻緒のように切れやすくはない現代の靴の紐が切れるということは、たっぷり愛情が注がれた素晴らしい靴なので、縁起が悪いと考えるのは少しかわいそうです。

むしろ「吉兆の兆し」なので、新しい靴紐に交換してさらに愛してあげてください。もし靴の神様がいるなら、その方が微笑んでくれるはずですよ。

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